そろそろボーナス支給時期が近づいてきましたが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響はどれくらいあるのでしょうか。三菱UFJリサーチ&コンサルティングのレポートをもとに、会社員と国家公務員の冬ボーナスの見通しについてみていきましょう。

会社員ボーナスは、リーマンショックを超えるマイナス幅

三菱UFJリサーチ&コンサルティングの「2020年冬のボーナス見通し」によると、民間企業(調査産業計・事業所規模5人以上)の2020年冬のボーナスは、一人あたり平均支給額が前年比10.7%減の34万7,806円と推計されています。

2020年夏のボーナスの一人あたり支給額は同2.6%減となったものの、春闘がCOVID-19の感染拡大が本格的になる前であったことや、6~7月はまだ流行の長期化を見通せなかったため、マイナス幅は比較的軽微であったと指摘しています。

一方2020年冬のボーナス支給時は、コロナ禍のあおりを受けて企業業績が急激に悪化、厳しい状況が続いています。とくに宿泊・飲食サービス業の需要の減少は急激で、かつ、先行き不透明な状況が継続してしまっています。三菱UFJリサーチ&コンサルティングは「こうした業種の中には、雇用調整助成金の特例措置によってかろうじて雇用を維持している企業も多い」と指摘し、「中小企業、サービス業を中心に冬のボ ーナスを大幅に削減、あるいは支給を見送るといった動きが本格化する」と予測しています。

しかし、「リーマンショック時は、最悪期であった2009年1~3月期に製造業で経常利益が赤字に陥ったことを考えると、企業部門のダメージは限定的」とも指摘し、大企業・非製造業を中心に、内部留保の増加などからこのような状況下に耐えられる財務状況があることが、マイナス幅を和らげるのではないかとも予測しています。

(出所:三菱UFJリサーチ&コンサルティング)