「2025年問題」という言葉をご存じでしょうか。

「団塊の世代が75歳を迎え、超高齢社会になることで起こるさまざまな問題」を指します。

とくに、介護人材の不足は大きな問題です。厚生労働省が2019年に発表した「福祉・介護人材の確保対策について」によると、2025年度末までに約55万人の介護人材の確保が必要だとされています。

厚生労働省は、11月4日から11月17日までを「福祉人材確保重点実施期間」と定めています。福祉人材の確保や定着にむけた取組に努めることがねらいです。

本記事では、公益財団法人介護労働安定センターの資料などをもとに、介護職員が抱えている悩みや、離職理由などを紐解きます。また、国や事業所が離職防止・人材確保のために現在おこなっている対策などについても解説していきます。

介護職の離職率は「意外に高くない」!?

厚生労働省が公表した「令和元年(2019年)雇用動向調査結果」によると、主要産業における離職率の平均は、15.6%でした。

これに対して、2019年に介護労働安定センターがおこなった「介護労働実態調査」によると、介護職員の離職率は15.4%と、主要産業における離職率の平均前後であることがわかりました。

「3K(きつい、汚い、危険)」といわれている割に、意外にも介護職員の離職率はそこまで高くないのです。また、離職率は現在横ばいであり、以前に比べるとゆるやかな減少傾向にあることもわかっています。