2019年、金融審議会「市場ワーキング・グループ」報告書から始まった「老後2,000万円問題」。そこで気になるのは年金だと思いますが、同時に「退職金っていくらなんだろう」ということではないでしょうか。ここでは主に、大企業会社員(大卒)と中小企業会社員(大卒)、国家公務員の退職金を並べてみてみます。

大企業の退職金はいくら?

中央労働委員会の「令和元年退職金、年金及び定年制事情調査」(2019年)では、

  • 資本金5億円以上 かつ
  • 労働者1000人以上

から独自に選定した380社を調査対象企業としているようです。

(期間:2019年8月2日~9月12日、有効回答企業数:230社、回答率:60.5%)

平均退職金支給額は、

定年退職:1,213万8,000円
会社都合:1,300万2,000円
自己都合:414万4,000円

です。

「モデル退職金」を勤続年数でみる

ここからは、会社員(大卒)の「モデル退職金」を見てみます。「モデル退職金」とは、「学校を卒業後直ちに入社し、その後標準的に昇進した者で、 設定されたモデル条件(事務・技術労働者又は生産労働者、総合職又は一般職、 学歴、年齢、勤続年数)に該当する者の退職金をいい、退職年金制度を併用している企業においては、退職年金現価額」のことをいいます。転職しておらず、1つの企業に新卒から勤め続け、標準的に出世した場合の退職金です。

まず大企業の会社員(大卒)の勤続年数別の退職金です(グラフ参照)。

大企業(大学卒)の退職金 勤続年数別(中央労働委員会の資料をもとに筆者作成)

一般職と総合職で退職金は大きく異なるようです。総合職だと勤続30年頃には平均退職金2,000万円に達しています(会社都合)。一般職だと退職金2,000万円に達していません。勤続30年ぐらいで、会社都合・自己都合ともに1,000万円に達するようです。