2020年、介護保険制度がスタートして20年経ちます。高齢化にともない、介護を必要とする人は年々増加傾向にあります。とはいえ、ひと昔前とは違い、仕事やボランティア活動、そして家庭内での役割などで、現役世代顔負けの活躍ぶり、という熟年世代も多いですよね。

持病もなく、大病の経験もない、といった人の場合は、いわゆる「後期高齢者」の仲間入りをしても、「まだまだ介護なんて無縁」と自信がある人も多いでしょう。

では、介護保険制度で「要介護」または「要支援」となった人は、どんなきっかけでケアが必要となったのでしょうか。ちょっと見ていきましょう。

介護が必要となった主な原因って?

国民生活基礎調査(2019年)」では、介護が必要となった主な原因(全ての要介護度)として、以下の3つを挙げています。

  • 1位…認知症(17.6%)
  • 2位…脳血管疾患[脳卒中](16.1%)
  • 3位…高齢による衰弱(12.8%)

3位に挙がっている「高齢による虚弱」は、最近よく耳にする「フレイル」と呼ばれる状態です。東京都医師会では、以下のように定義しています。

「人は年を取ると段々と体力が弱くなり、外出する機会が減り、病気にならないまでも手助けや介護が必要となってきます。このように心と体の働きが弱くなってきた状態をフレイル(虚弱)と呼びます。」


 「フレイル予防」公益社団法人東京都医師会

さて、先述のデータは「全要介護度」のものでしたので、次は、要介護度が「低い順」に追っていきましょう。

要支援1

  • 1位…関節疾患(20.3%)
  • 2位…高齢による衰弱(17.9%)
  • 3位…骨折・転倒(13.5%)

要支援2

  • 1位…関節疾患(17.5%)
  • 2位…骨折・転倒(14.9%)
  • 3位…高齢による衰弱(14.4%)

要介護1

  • 1位…認知症(29.8%)
  • 2位…脳血管疾患[脳卒中](14.5%)
  • 3位…高齢による衰弱(13.7%)

要介護2

  • 1位…認知症(18.7%)
  • 2位…脳血管疾患[脳卒中](17.8%)
  • 3位…骨折・転倒(13.5%)

要介護3

  • 1位…認知症(27.0%)
  • 2位…脳血管疾患[脳卒中](24.1%)
  • 3位…骨折・転倒(12.1%)

要介護4

  • 1位…脳血管疾患[脳卒中](23.6%)
  • 2位…認知症(20.2%)
  • 3位…骨折・転倒(15.1%)

要介護5

  • 1位…脳血管疾患[脳卒中](24.7%)
  • 2位…認知症(24.0%)
  • 3位…高齢による衰弱(8.9%)