10月は「乳がん月間」です。乳がんの罹患率は年々高くなっており、国立がん研究センターによると2018年に乳がんで亡くなった女性は1万4653人に上りました。

昨今はがん治療を受けながら仕事を続けたり育児をするなどの日常生活を送っている人も少なくありません。そのため、がん治療中に生じる見た目(アピアランス)の変化による悩みやその解決方法、サポートの重要性に注目が集まっています。

そんな中、10月14日にFWD富士生命保険株式会社が主催する「アピアランスサポート オンライントークセッション~がんと共に自分らしく、美しく過ごせる社会へ~」が開催されました。

がん患者への「アピアランスサポート」とは

当日は、2018年に左乳房全摘出とリンパ節切除の手術を受けていたことを公表した元SKE48のタレント・矢方美紀さんと、NPO法人全国福祉理美容養成協会(ふくりび)の事務局長の岩岡ひとみさんが登壇。

ふくりびは、高齢者・障害者等への訪問理美容、がん患者・脱毛症患者向け医療用ウィッグの製造販売、アピアランスサポートなどを行っているNPO法人で、これまで2000人以上のがん患者のサポート実績があります。

アピアランスサポートとは、がん患者の治療中に起きる外見の変化を支援する動きのこと。抗がん剤治療や放射線治療では、髪の毛が抜ける、爪が変色・変形する、肌にぶつぶつができるなどの副作用が出ることがあります。

がん患者には、治療の負担に加えて、こうした外見の変化が社会生活上の苦痛になり、精神的にふさぎ込んでしまう人も少なくありません。一方で、「抗がん剤で髪の毛が抜けたらどうしたらいいのか」「どのタイミングでウィッグをつけたらいいのか」といった情報の少なさも当事者を悩ませる要因の一つです。

2年前の抗がん剤治療で脱毛を経験し、当時は医療用ウィッグを被って仕事をしていた元SKE48の矢方さん。抗がん剤投与後10日ほどで髪の毛が抜け始め、その後3日ほどでほとんどの髪の毛が抜け落ちたそうです。