「終わりよければすべてよし」ということわざがあります。何ごとも最後がよければ全体がいい印象になる、というものです。

実はこれ、「ピーク・エンドの法則」という人間心理で説明できることをご存知ですか?この法則を上手に活用すれば、ビジネスの場面でも相手に与える印象をコントロールすることができます。

「好印象を持ってもらいたい」、「印象を味方につけて成果を出したい」という方には、きっと役立つ知識です。概要を押さえたあと、具体的なテクニックを順に見ていきましょう。

ピーク・エンドの法則とは?

「ピーク・エンドの法則」とは、行動経済学者のダニエル・カーネマン氏が提唱した、人の評価判断に関する法則です。この法則によれば、人は経験したことを以下2つの要素で判断しているといいます。

  • ピーク:最も感情が動かされた時の印象
  • エンド:終わりの印象

つまり、経験の中の一つひとつの過程は重視されず、あくまでこのピークとエンドで全体の評価が決まるということです。逆に言えば、途中どんなにいい内容があっても、ピークとエンドの印象が悪ければ、全体的に「よくなかった」と判断されてしまいます。

例えば、デートの場面を想像してみてください。美味しい食事を一緒に楽しみ、最後に素敵なサプライズでもあれば、きっと「いいデートだったな」という印象が残るでしょう。

あるいはジェットコースターの列に並んでいる時はどうでしょうか。長時間並ぶのは大変でも、最高のスリルを味わい爽快な気分でその場を後にできたら、「楽しかった!また乗りたい」と思えるはずです。

では、ビジネスの場面ではどのように活かせるでしょうか。次からは具体的な3つの場面で考えていきます。