2020年9月、国税庁の「令和元年分 民間給与実態統計調査」(2019年分)が発表されました。給与所得者は5,255万人(対前年比 4.6%増)で、民間企業の会社員の平均給与は436万円(同1.0%減)となりました。7年ぶりの減少です。正規・非正規別にみてみると、正規は503万円(同0.0%減)、非正規は175万円(同2.5%減)となっています。正規よりも非正規の方が減少率が大きいです。

今回は、「短時間労働者」の収入についてみていきたいと思います。

「短時間労働者(パートタイム労働者)」って?

ここでいう「短時間労働者(パートタイム労働者)」とは、短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律(パートタイム労働法)によると、「1週間の所定労働時間が同一の事業所に雇用される通常の労働者の1週間の所定労働時間に比べて短い労働者」となっています。その呼び方は、「アルバイト」「パートタイマー」「契約社員」「準社員」「嘱託」と様々ですが、上記の条件に当てはまれば「パートタイム労働者」です。

「通常の労働者」とは、その会社に「正社員」などの正規型の労働者がいれば、それを指します。

性別のパートタイム労働者の賃金は?

厚労省の「令和元年賃金構造基本統計調査」(2019年)から、パートタイム労働者の1時間当たりの賃金をみてみます。

パートタイム労働者の1時間当たりの賃金(男女)

男女計:1,148円(前年比1.8%増)
男性:1,207円(同1.5%増)
女性:1,127円(同2.0%増)

これを2010~2019年を時系列でみてみます。()内は平均年齢です。

パートタイム労働者の1時間当たりの賃金(男女計)

2010年:1,004円(44.2歳)
2011年:1,015円(44.1歳)
2012年:1,026円(44.1歳)
2013年:1,030円(44.7歳)
2014年:1,041円(45.0歳)
2015年:1,059円(45.4歳)
2016年:1,075円(45.5歳)
2017年:1,096円(45.8歳)
2018年:1,128円(46.3歳)
2019年:1,148円(46.1歳)

最低賃金の影響もあると思いますが、上昇傾向にはあります。ちなみに、現在(2020年10月)の最低賃金は全国加重平均額で902円となっています。また、平均年齢も上昇傾向です。2019年の平均年齢は40代後半です。人生100年時代といわれて久しいですが、高齢者のパートタイム労働者が増加する可能性が高く、平均年齢はこれからもっと上がるかもしれませんね。

では、パートタイム労働者は1日何時間働く人が多いのでしょうか。2019年の1日当たり所定内実労働時間数(男女計)は5.4時間です。2010年から平均5時間前後となっています。