あまり知られていない現実~「未遂」でも苦しむ心~

Back one line/shutterstock.com
『性被害』とは、いったいどこからを指すのでしょうか?事件性があるのであれば、きっと「実害が生じた時」なのでしょう。犯罪として捉えるのであれば、襲われたという事実を立証するために「性被害にあったという事実」を証明することが必要だ…ということは理解できます。
では、実害がなければ何もないといえるのでしょうか?実害がなかったとしても、心に傷を負っている人間もいます。そして、そんな人はきっと少なくないはずです…。今回は筆者の実体験と、その時の心境をお話させて頂きたいと思います。
続きを読む(※以下では具体的な被害の体験が含まれます。心理的な負担になる可能性がある方は、十分に注意してご覧ください)
思いもしなかった出来事
当時、筆者は22歳。会社員として働き、平凡ながら充実した生活を送っていました。普段は会社へは自家用車で通勤していましたが、その時は諸事情でしばらくの間自転車通勤をしていました。
春になって気候も暖かくなり、自転車通勤も気持ち良く感じながら、とくに苦に思うことなく通勤していました。