勤続30年の銀行員が見た「お金が逃げていく人」の特徴

町工場の社長Kさんの場合

続いて、大手製造業の下請けをしていた町工場の社長さんのお話です。この方をKさんとしましょう。

Kさんは本業の下請け仕事の傍ら、自分でいろいろな新製品を開発していました。売上増加を図る前向きな姿勢をお持ちの方で、それ自体はとても良いことなのですが、問題はその宣伝方法にありました。

Kさんは、いつも両手に百科事典ほどの大きくて厚い荷物を持っていました。ある時、銀行窓口でお会いした際、それが巨大な名刺入れというか名刺ブックだということを教えてくれました。

銀行にくる時も抱えているくらいなので、肌身離さず持ち歩いていたようです。そして、新製品を売り込むとき、この名刺ブックを開き「この社長さんも気に入ってくれました」などと、断りもなく宣伝に使っていたのです。

やがて、こういった話を漏れ聞いた当人たちから苦情が殺到し、本業にも影響が出始め、最終的には破綻してしまいました。そもそも宣伝のために、意図的に名刺集めをしていたそうで、このような行動も周りから嫌われた原因のようです。

本来なら人と人をつなぐ名刺も、商売道具にしか考えられず、結局自分の人脈を持てなかったというわけですね。抱えきれないほど名刺を持っていても、破綻するまで助けてくれる人は誰もいませんでした。

周りから嫌われる人

人に嫌われるとお金にも嫌われてしまいます。これは、交友範囲が広いとか、社交的という意味ではありません。

たとえば、私が出会った魅力的な経営者の中にも、社交的とは言えないような人も何人もいました。しかし、そういった人には、数は少なくても熱狂的なファンや信奉者がおり、私自身も銀行員として彼らのファンでした。銀行員がファンになっていれば、銀行取引も順調に進みます。

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勤続30年の現役銀行員。金融ライター。
銀行員として数え切れないほどのお客様と会い、相談に乗り、一緒に悩んだ経験では誰にも負けない自信があります。
取り組んでいく記事も、そんな一介の銀行員目線で書いています。