団塊の世代が70代となり、日本は超高齢化の時代を迎えています。今後、介護が必要になる人の増加と同時に、要介護者の面倒を見なければならない有職者の数も増えていくでしょう。介護離職も無視できない社会問題となってきているようです。

今回は、厚生労働省などの調査結果をもとに、介護離職の割合や性別や雇用形態別の状況をご紹介します。

調査にみる「介護離職者の割合」

厚生労働省が実施した「令和元年(2019年)度雇用均等基本調査」によると、介護を理由とした離職者の割合は、0.11%(母数は常用労働者全体)でした。男女別に見ると男性が0.06%、女性が0.18%。介護離職者における男女比は男性28.9%に対し、女性は71.1%でした。

各種介護支援制度が充実してきたことで、介護による離職者の総数は前年と比較しても減っています。ただ、女性の割合が男性の3倍、この大きな差は以前からある傾向です。

ここで、総務省統計局の「平成29年(2017年)就業構造基本調査」より、離職者数の変移も見ておきましょう。以下は、介護・看護のために過去1年間に前職を離職した人の「数」の推移です。

2007年 … 約14万5,000人 (男2万6,000人/女11万9,000人)
2012年 … 約10万1,000人 (男2万人/女8万1,000人)
2017年 … 約9万9,000人  (男2万4,000人/女7万5,000人)

介護離職者数は減少傾向にありますが、男女比に見る女性の割合は8割前後で推移しています。