コロナ禍で先行き不安な日々が続いています。ただ、老後生活への不安はコロナ前からありました。2019年には金融審議会の「老後2,000万円問題」もあり、1社に定年まで勤め上げる時代はもう終わったとさえ言われています。退職給付額も年々減少しています。

このような時代に私たちは老後をどのように生きたら良いのでしょうか。今回は総務省の調査結果を中心に高齢無職世帯の現状を見て、老後の生活について考えてみたいと思います。

高齢夫婦無職世帯のお金事情

総務省統計局の「家計調査報告(家計収支編)2019年(令和元年)」から、高齢夫婦の無職世帯(夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみからなる無職の世帯)の1カ月の家計収支の平均値をみてみましょう。

高齢夫婦無職世帯の収入(2019年)

社会保障給付(公的年金など):21万6,910円
その他:2万749円
合計:23万7,659円

高齢夫婦無職世帯の支出(2019年)

消費支出:23万9,947円

  •  食費:6万6,458円
  •  住居:1万3,625円
  •  光熱・水道:1万9,983円
  •  家具・家事用品:1万100円
  •  被服及び履物:6,065円
  •  保健医療:1万5,759円
  •  交通・通信:2万8,328円
  •  教育:20円
  •  教養娯楽:2万4,804円
  •  その他の消費支出(交際費や諸雑費など):5万4,806円

非消費支出(税金や社会保険料など自由にならない支出):3万982円
合計:27万929円

収入を支出が上回っています。不足額は3万3,270円です。1年で約40万円、10年で400万円、20年で800万円、30年で1,200万円ほど不足することになります。

では、高齢単身無職世帯の家計収支はどうなのでしょうか。