ダイキン、1Qは減収減益もオンラインツールを生かした営業活動の強化等で実行計画を上回る業績を達成

2020年8月4日に行なわれた、ダイキン工業株式会社2021年3月期第1四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。

スピーカー:ダイキン工業株式会社 執行役員 宮住光太 氏

第1四半期決算概要

宮住光太氏:宮住と申します。本日はお忙しい中、電話会議にご参加いただきありがとうございます。第1四半期決算の概要について資料に沿ってご説明します。

2ページをご覧ください。今期はコロナ危機に立ち向かう経営の構えをとり、守りの施策、攻めの施策、体質強化、体質改革テーマ、6つの研究プロジェクトなど、重点施策の徹底した実行に努めています。第1四半期の業績については、地域・事業・商品ごとに需要の回復状況を見極めながら事業活動を継続し、これらの施策を推進したことにより4月に策定した実行計画を大幅に上回る545億円を達成しました。製品の供給確保、販売店サポート、固定費削減なども計画以上に徹底することができたと考えています。為替を除く実質ベースで売上高は対前年比11パーセント減、営業利益は34パーセント減となりました。為替の実績はドル108円、ユーロ118円、人民元15.2円、対前年での為替影響は売上高で225億円のマイナス、営業利益は50億円のマイナスとなりました。

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事業セグメント別実績

3ページをご覧ください。セグメント別業績については空調事業、化学事業、その他事業ともに実行計画を上回る業績を確保しました。空調事業は新型コロナウイルスの影響で巣ごもり需要が拡大したこと、多くの国で経済活動再開の動きが早まったことから、住宅用中心に当初の想定を上回る需要となり当社も日本、米国、欧州を中心に販売確保に努めました。

一方業務用では、景気悪化による設備投資の見直しの影響が大きくなりました。化学事業は半導体市場の回復遅れや自動車市場の需要減速の影響を受けましたが、新型コロナウイルス対策で医療向けの撥水撥油剤の販売が伸びたことやタブレット向けの販売が増加しました。その他事業は工作機械の需要が落ち込む中でも利益を確保しました。各事業、空調事業の地域別の状況については後ほどご説明します。

営業利益増減分析 -1Qの対前年度比

4ページをご覧ください。第1四半期の営業利益の対前年増減分析です。為替で50億円、新型コロナウイルスの影響で705億円のマイナス影響に対して拡販効果で244億円、売価で20億円、原材料で15億円、コストダウンで80億円、固定費などの抑制で45億円のプラスとなりました。セグメント別の内容については記載のとおりです。

全社業績計画

5ページをご覧ください。各事業、各地域ごとの新型コロナウイルスによる影響と今後の需要動向を踏まえ、実行計画を見直し年間の営業利益計画を1,700億円とします。第1四半期は新型コロナウイルス対策の構えを早期にとったことで、固定費削減や販売影響の極小化などの守りの施策を中心に成果を挙げることができただけでなく、需要が当初の想定から改善したことで実行計画を大幅に上回ることができました。

一方4月時点では、需要は第1四半期を底にV字回復を想定していましたが、第1四半期の落ち込みは浅かったものの新型コロナウイルスの影響は長引き、本格的な需要回復には時間がかかると見ています。とくに米州、インドでは感染拡大が続いていることや業務用空調はグローバルで受注の回復が遅れており、下期の需要前提を当初よりも厳しく見直しました。

具体的には、米国グッドマンは下期の需要前提を当初マイナス5パーセントと見ていましたが、今回マイナス6パーセントと見直しました。アジア、オセアニアは当初下期は影響が残らない前提でしたが、アジア各国において社会経済活動の規制の影響があることから今回マイナス25パーセントと見直しました。

とくにインドはロックダウンが延長されたことでサプライヤー、物流の影響も大きく市場の正常化には時間がかかると見ています。欧州は消費マインドの冷え込みによる住宅用、業務用空調への影響が長期化するため当初マイナス5パーセント程度からマイナス15パーセント以上に落ち込む見通しとしました。

第2四半期以降も固定費削減など、守りの施策に徹底して取り組むことに加え空気質、換気ニーズへの対応などの攻めの施策、体質改革テーマ、研究プロジェクトについても着実に検討を進めており、実行につなげていきます。これらを順次定量目標に反映させることで、今回の実行計画を上回る業績を目指していきます。

先行きが不透明な状況は変わっておらず、業績見通しは今回も「実行計画」という位置付けのままとさせていただきましたが、9月までの間に攻めの施策を詰め、より高い目標に向かって挑戦し予算化していきたいと考えています。配当についても未定としますが、第2四半期決算期においてより確度の高い事業計画と合わせ公表させていただく考えです。

事業セグメント別業績計画

6ページをご覧ください。セグメント別の業績見通しです。空調事業は、売上高は現公表から90億円増額、営業利益は150億円増額。化学事業は、売上高は現公表から60億円増額、営業利益は30億円増額となっています。その他事業は、売上高は現公表から50億円増額、営業利益は20億円増益としています。年間での対前年為替影響は、空調事業では売上高550億円、営業利益152億円のマイナス。化学事業では売上高10億円、営業利益3億円のマイナスと見ています。

営業利益増減分析 –年間計画の対前年度比

7ページをご覧ください。年間の営業利益の対前年増減分析です。為替で155億円、固定費等の増加で260億円、新型コロナウイルスの影響で1,930億円のマイナス影響に対して、拡販効果で950億円、売価で70億円、コストダウンで330億円、原材料市況で40億円のプラスとなっています。

当初の実行計画に比べ需要の悪化を織り込んだ一方、販売施策の積み増し、コストダウンや固定費抑制の取り組みによって利益確保を見込んでいます。セグメント別の内容については記載のとおりです。

地域別売上高の推移-空調事業

8ページをご覧ください。空調事業の地域別売上高は日本、ヨーロッパ、米国は落ち込みを抑えることができましたがアジアではインドを中心に実行計画を下回りました。為替影響を除く実質の売上高前年比は、ヨーロッパは97パーセント、中国は84パーセント、米州は94パーセント、アジアは70パーセント、オセアニアは105パーセントとなりました。なお年間計画については各地域、事業ごとの状況を踏まえて見直します。

地域別売上高の推移-化学事業

9ページをご覧ください。化学事業の地域別売上高は、自動車関連の需要減少と新型コロナウイルスの影響により多くの地域で前年を下回りました。中国はエッチング剤、表面防汚剤などの販売拡大で前年を上回りました。

為替影響を除く実質の売上高前年比は、米州は73パーセント、中国は112パーセント、ヨーロッパは79パーセントとなりました。なお年間計画については各地域、事業ごとの状況を踏まえて見直しました。

部門別業績の概況-空調事業①

10ページをご覧ください。空調事業の地域別の状況についてご説明します。国内空調事業は、住宅用は新型コロナウイルスによるマイナス影響を受けましたが、巣ごもり需要や給付金の効果もあり業界需要は前年並みにとどまりました。当社は「うるさらX」の換気機能を訴求し販売を強化し、省エネ性や空気質ニーズの高まりを捉えてシェアを拡大しました。

また空気清浄機の販売も好調に推移しました。業務用は学校空調の特需の反動、設備投資の鈍化により前年を大きく下回りました。当社はオンラインツールを活用するなど営業、販売活動を継続するとともに換気商材の販売を強化しました。アプライドはR32機への置換を進め、収益性を改善しました。

部門別業績の概況-空調事業②

11ページをご覧ください。米州空調事業は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で雇用、所得が悪化したことにより需要が減速し、地域全体の売上高は前年を下回りました。グッドマン工場を一時閉鎖した影響もありましたが、オンラインツールを活用した営業を行なうなど販売確保に努めました。

住宅用ユニタリーは、外出制限により居住空間の環境改善ニーズが高まったことや好天による需要を捉えシェアを拡大しました。ダクトレスはRA/SKYの販売は拡大しましたが、VRVは店舗やレストランなどでプロジェクトの延期や中止により販売は前年を下回りました。

グッドマン社全体の売上高は、現地通貨ベースで前年比90パーセントとなりました。アプライドは感染症対策を徹底しながら工場の操業を継続しており、新型コロナウイルスの影響が顕在化する以前の受注を中心に販売を拡大しました。

部門別業績の概況-空調事業③

12ページをご覧ください。中国空調事業は、生産活動はすでに通常に戻りましたが販売活動は新型コロナウイルスの影響を受けており、売上は前年を下回りました。4月以降中国全土で市場は順次再開し、当社は各地域の回復状況を見極めながらいち早く販売資源を投入しオンラインによる販売活動を強化していきました。

また原材料市況軟化の取込みや固定費削減など、コストダウンの推進に努め高収益を維持しました。住宅用ではオンラインイベントの開催などで新規顧客の探索、販売活動に注力したほか大手ディベロッパーとの協業も進め、住宅用マルチエアコンの販売回復に努めました。業務用では洗浄・換気・除菌などへの関心の高まりを受け、住宅用全熱交換器や空気浄化システムなどIAQ関連商品の品揃えを強化するなど、ソリューション提案に取り組みました。

部門別業績の概況-空調事業④

13ページをご覧ください。欧州空調事業は、各国のロックダウンが段階的に解除され販売が回復傾向にあるものの4月、5月の販売減少が大きく地域全体の売上高は前年を下回りました。中近東でも原油価格の下落による景気悪化の影響を受けました。住宅用は5月以降の外出制限緩和、スペインなどでは天候に恵まれ需要が回復するなか、最寄化生産を活かした製品供給によりシェアを拡大しました。

業務用はオンラインを活用したスペックインやIAQ商品紹介など、営業活動を継続しましたがホテル、店舗の営業停止やオフィス需要の鈍化の影響を受け販売は減少しました。暖房事業は工事再開に伴う需要回復、ドイツやオランダでのインセンティブに伴う需要の獲得に努めました。

部門別業績の概況-空調事業⑤

14ページをご覧ください。アジア、オセアニアの空調事業では各国で事業活動が制限されたことで売上高は前年を大きく下回りました。住宅用は各国で家電量販店が閉鎖される中、当社は独自の販売店ルートを通じた販売を促進し、5月以降需要が回復基調にあるベトナムやマレーシアで販売拡大に注力しました。

インドではロックダウンが延長される中で、オンラインツールを活用した販売活動を継続しました。業務用はロックダウンなどによる工期遅れや工事の延期の影響により各国で販売が減少しました。

部門別業績の概況-化学事業

15ページをご覧ください。フッ素化学事業は半導体、自動車関連の需要減少に加えて新型コロナウイルスの感染拡大の影響により売上高は前年を下回りました。商品別には、ガスはグローバル全体で需要減少により販売が落ち込みました。樹脂は半導体市場の回復遅れ、米国でのLANケーブル向けや航空機関連の需要減少により販売が減少しました。

ゴムは米国、欧州、アジアでの自動車関連分野の需要が落ち込み販売が減少しました。化成品はタブレット向け需要増加により、表面防汚コーティング剤の販売は増加しました。撥水撥油剤は、アパレル向けは減少しましたが医療用防護服向けの販売が拡大しました。

部門別業績の概況-フィルタ事業

16ページをご覧ください。フィルタ事業は、エアフィルタは欧州各国のロックダウンの影響や顧客の設備投資縮小の影響を受けましたが、新型コロナウイルス感染が拡大する中で換気や空気清浄に対する需要の高まりを受け、高性能フィルタや陰圧機などの販売に注力しました。主力市場の米国で、病院やクリーンルーム向けの高性能フィルタの販売が拡大したほか、住宅用の需要増を捉え販売を伸ばしました。私からの説明は以上です。

記事提供:ログミーファイナンス

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