新型コロナウイルスの感染拡大以降、中国と尖閣諸島を巡る情勢が多く報道されているように思う。100日以上連続で中国公船が尖閣近海に現れたり、日本の漁船を中国船が追尾するなど、その行動はより先鋭化しているようにも見える。

我々は一丸となって尖閣諸島を守らなければならないが、中国がそこまでして尖閣諸島を狙う理由はどこにあるのだろうか。

石油資源、日米台へのけん制

中国は尖閣諸島を固有の領土と主張し、台湾や香港と同じように自らの核心的利益に位置づけるが、中国が固有の領土と主張し始めたのは、1969年に国連が東シナ海に石油埋蔵の可能性があることを発表して以降であり、固有の領土と主張するには程遠い感がある。

しかし、いずれにせよ、中国が尖閣諸島を狙う理由の1つに、石油埋蔵の可能性を含めた経済的背景があることは間違いない。

しかし、近年の中国の海洋覇権を考慮すると、理由はそれだけではない。

まず、地理的に尖閣諸島は台湾に近い。尖閣諸島を占拠することによって、中国は台湾を軍事的にこれまで以上にけん制することが可能になる。