アズビル、1Qの受注高は前年比3.6%減 BA事業での更新時期のサービス案件減少等が主因

2020年8月6日に行なわれた、 アズビル株式会社2021年3月期第1四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。

スピーカー:アズビル株式会社 代表取締役社長 山本清博 氏

経営成績

山本清博氏:本日は、アスビル株式会社2020年度第1四半期決算説明会にご参加いただき、ありがとうございます。昨今の東京での感染拡大状況を鑑み、5月20日の2019年度決算説明会に引き続き、今回もオンラインでの説明会とさせていただきました。みなさまにおかれましては、ご不便をおかけしていることとは存じますが、丁寧な説明を心がけていきたいと思っていますので、なにとぞご理解のほどよろしくお願いいたします。

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新型コロナウイルス感染症並びに令和2年7月豪雨災害によりお亡くなりになられた方々に、謹んでお悔やみ申し上げますとともに、罹患された方々、感染拡大により困難な状況におられる方々、被災された方々に、心よりお見舞い申し上げます。

また、医療従事者のみなさまを始め、最前線で感染拡大防止にご尽力されている多くのみなさま、また、被災地において、救援・復旧活動にご尽力されている多くのみなさまに、深く感謝申し上げます。

当社グループにおきましても、感染拡大の早期収束、被災された地域の早期復旧を願い、感染防止や被災されたお客さまの建物、工場、ライフライン等の復旧等に、事業活動を通じて取り組んでいきます。

それでは、これより決算説明会を始めします。まずは、第1四半期の連結業績について報告します。全社での経営成績です。受注高は、当期に更新時期を迎えるサービス案件が少ないBA事業と、前年同期の大型案件の反動とLPガスメーターの需要減少を受けたLA事業が減少したことを主因に、全体では前年同期比29億円、3.6パーセント減少の785億円となりました。

売上高は、BA事業が堅調な事業環境を背景に高い水準を維持しましたが、AA事業では市況低迷の影響を受けて低調に推移したことなどから、前年同期比23億円、4.4パーセント減少となりました。

営業利益は経費抑制、事業収益力強化策の効果等により、前年同期比増の24億円、親会社株主に帰属する四半期純利益は、工場の統廃合による固定資産売却益の計上等により、前年同期比で増加の21億円となりました。

セグメント別業績‐BA事業

次にセグメント別の業績結果です。BA事業に関しては、首都圏における都市再開発等、国内事業環境は引き続き堅調となりました。新型コロナウイルス感染拡大により、一部工事の一時的な遅延等が発生しましたが、影響は限定的でした。海外では、新型コロナウイルス感染拡大により、需要の低迷や工事遅延が見られました。

その結果、受注高は459億円、売上高217億円、セグメント利益は、経費抑制効果などの結果、前年同期比プラスとなりました。採算性に留意した受注の獲得に注力するとともに、お客さま、社員の安全に十分配慮しつつ、施工現場を主体に業務の遂行能力の強化と効率化を推進していきます。

セグメント別業績‐AA事業

AA事業の結果です。3つの事業単位を軸に、成長戦略と収益力強化施策を展開していきました。5G関連投資の広がりを受け、半導体製造装置市場等では需要が継続しましたが、新型コロナウイルス感染拡大により、世界経済の動向が不透明な中、各種製造装置市場、鉄鋼市場、自動車市場等、製造業の設備投資が全般において慎重な動きとなり、売上高については減少となりました。その結果、受注高225億円、売上高204億円、セグメント利益は22億円と、引き続き高い収益力を維持できています。

セグメント別業績‐LA事業

LA事業の結果です。ガス、水道等のライフライン分野は、法定によりメータの交換需要を主体とした安定した事業環境が見込まれていますが、検定満期を迎えるLPガスメータが不需要期に入り減少しました。また、水道メータの検定満期有効期間の延長により、一部需要の先送りなどの変化が見られました。その結果、受注高103億円と、前年同期比12億円の減少、売上高、セグメント利益はほぼ前年並みとなりました。

ライフサイエンスエンジニアリング(LSE)分野並びに住宅用全館空調システムの生活関連(ライフ)分野は、需要の増減がある中でも、安定的な収益を実現するための事業構造改革の取り組みを継続していきます。

海外エリア別売上高

海外売上高は、前年度に受注水準が高かったLA事業において増収した一方、BA事業及び中国のAA事業を中心に、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、全体では前年同期比若干減収の101億円という結果となりました。

財政状態

財政状態についてはご覧のとおりです。ポイントをお伝えしますと、これまで取り組んできた事業収益力強化の結果、現金及び現金同等物は718億円、自己資本比率は71.1パーセントと高い水準を維持し、財務基盤は強化されてきています。

業績計画

次に、2020年度の連結業績計画を説明します。5月20日の決算説明会では、事業環境が不透明な状況であるため、業績計画の公表を控えさせていただきましたが、第1四半期での実績を踏まえ、一定の条件のもとでの計画を開示できる見込みが立ちましたので、今回ご説明とします。

先ほどご説明したとおり、第1四半期において、社会インフラ、顧客企業の重要施設の稼働を担うオートメーションの需要は継続し、事業環境が異なる3つの事業(BA、AA、LA)から成る事業ポートフォリオにて、工事・サービスの現場での迅速な安全対策のもと、事業活動を継続した結果、第1四半期業績への影響は限定的となりました。この第1四半期での事業活動を通じ、従来に比べて事業環境変化への対応力が強化されていることを再確認しました。事業ごとに影響の大小はありますが、一定の条件下での計画策定は可能と判断しました。

その結果、新型コロナウイルス感染拡大による経済停滞、事業環境への影響がグローバルに長期化し、年度内は厳しい事業環境が継続すると見て減収減益を見込みますが、さらなる感染拡大の中でも、サービス等を含めた当社グループの事業は継続するということを前提とした計画を策定しました。売上高2,450億円、前年同期比5.6パーセント減、営業利益240億円、前年同期比11.9パーセント減を見込んでいます。

今後は、安全管理を徹底し、お客さま、社員の安全を第一にしつつ、業務遂行を継続するとともに、デジタルトランスフォーメーションも活用した「仕事と働き方の創造」を行ない、業務遂行能力・事業収益力をさらに強化します。また、経費低減を含む慎重なオペレーションを行ないつつも、将来の成長に必要な投資は継続して実施し、製品・サービスの開発を推進して、3つの事業領域における事業開拓を実施していきます。

セグメント別計画

セグメント別の計画となります。BA事業においては、新型コロナウイルス感染拡大により、業績悪化が著しい市場での投資抑制・計画延期、サービス契約減額要請等が懸念されますが、国内都市再開発案件等は計画どおりに進捗しており、全体としては業績は堅調さを維持するものと見込んでいます。そのため、売上高は1,200億円、セグメント利益は140億円を計画します。

AA事業においては、設備の維持・更新に関わる需要は底堅い一方、感染拡大による経済活動の低迷が、お客さまの設備投資に影響を与えており、需要の低迷が継続すると見込み、売上高830億円、セグメント利益80億円を計画します。

LA事業においては、LPガスメータが不需要期に入るなどの影響があり、ライフライン分野ではメータ交換需要の減少を見込みます。また、新規事業のメータデータサービスが伸長し、前年度に受注が拡大したLSE分野も着実な売上を見込んでいます。そのため、前年同水準の売上高440億円、セグメント利益20億円を計画しています。

基本方針と2020年度株主還元

次に、株主さまへの利益還元について説明します。事業環境の不透明さは継続していますが、基本方針、すなわち「株主還元の充実」「健全な成長に向けた投資」「健全な財務基盤」の3つのバランスに配慮しながら、規律ある資本政策を展開することに変更はありません。株主さまへの還元は、従来どおり配当を中心に自己株式取得も機動的に組み入れる選択肢も含んだ、「規律ある資本政策」の実践に着実に取り組んでいきます。

2020年度 株主還元

今説明した基本方針に基づき、2020年度5月20日の公表どおり、中間配当・期末配当とも1株当たり25円、年間で普通配当50円の配当を計画します。これにより、配当性向41.5パーセント、DOEは3.7パーセントを見込んでいます。

株主還元の推移〜安定した配当の実践

過去12年分の株主さまへの還元の推移のグラフとなります。これまでも基本方針に基づき、常に安定した配当の維持とその水準の向上を実現してきました。今後も継続していきます。

azbilグループ展開の方向性と長期目標

今後の事業の方向性について説明します。アズビルグループの展開の方向性としては、SDGsを新たな道しるべとして経営を方向付けてグローバルに展開し、引き続き長期目標達成に向けて新たな社会課題の解決を通じ、さらなる成長を実現していきます。

「人を中心としたオートメーション」の企業理念のもと、これまで進めてきた事業、財務基盤の実績を起点に、3つの基本方針、3つの成長領域での事業拡大を通じて、長期目標である営業利益300億円以上、売上高3,000億円規模、ROE10パーセント以上を引き続き目指していきます。なお、目標達成の時期については、新型コロナウイルス感染拡大の影響を合理的に判断することが可能となった時点にて開示したいと思います。

オートメーションの役割の拡大・価値向上

今回の事象を踏まえ、どの領域に注力するかを説明します。従来からの社会構造の変化に、今回の新型コロナウイルス感染拡大の影響が加わり、社会・産業のあり方、ニーズが大きく変化し、解決すべきさまざまな課題が顕在化してきていると認識しています。例えば、人手によらない高度化サービス、建物、生産設備でのBCP対応等々となります。

このような新たな課題に技術革新が加わり、オートメーションが果たすべき役割が拡大し、価値が向上していると認識しており、製品面では、この図にありますように、アプリケーション/クラウド及びデバイス/フィールド機器での製品群を強化していきます。

ビッグデータやAIを活用した高度化サービス「スマート保安ソリューション」

いくつかの事例を紹介します。まずは、ビッグデータやAIを活用した高度化サービス「スマート保安ソリューション」の事例です。重要プロセス監視、未来変動予測等の機能により、プラントにおける設備老朽化、熟練運転員の退職等によるリスク増大といった課題解決に貢献していきます。また、本ソリューションはリモートでのデータ活用を主としており、ウイルス共生時代においても活用できる内容となっています。

再生可能エネルギー活用拡大にもつながるVPP

次に、再生可能エネルギー領域での事例です。日本国内において、今後再生可能エネルギー量を拡大するためには、需要と供給のバランスを確保することが重要となり、需要面でのコントロールが必要となります。アズビルは、これまで取り組んでいるデマンドレスポンスソリューションの適用範囲が今後広がると考えています。

BCP対応としての病院向け空調ソリューションとAI温度検知ソリューション

次に、BCP対応の事例となります。病院向けの陰圧制御のソリューション、画像診断技術を用いた温度検知ソリューション等、従来の製品をベースに、BCP対応としてのソリューションを展開中です。今後、コロナ共生時代に向けた製品力を強化していきたいと思っています。

azbilグループのSDGs目標〜新たな目標

SDGsの目標設定について説明します。従来より、アズビルの注力領域として新オートメーション、環境・エネルギー、健幸経営、サプライチェーンを掲げていました。このたび、新たに2030年度の定量的目標として、環境・エネルギー領域においては、お客さまの現場でのCO2削減効果340万トン、健幸経営・学習する企業体においては、社員の満足度、成長実現度を65パーセントに定めました。今後は、このような目標の実現を通じて、持続的な成長を目指していきます。

最後に

まとめです。azbilは「人を中心としたオートメーション」のグループ理念を基盤に、事業環境の変化、技術革新の潮流を捉えた新たな成長を目指していきます。これまで培ってきたお客さまとの信頼関係や経験・知見をベースに、新たなオートメーションでの商品開発を推し進めるとともに、環境・エネルギー、ライフサイクル事業の推進を加速していきます。

持続可能な社会へ「直列」に繋がる貢献を実現し、事業計画の着実な遂行と事業成長を実現するとともに、お客さま、株主さまをはじめとした各ステークホルダーのみなさまへの価値提供を継続していきます。

本日は、アズビル株式会社2020年度第1四半期決算説明会にご参加いただき、ありがとうございました。説明は以上です。

記事提供:ログミーファイナンス

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