日経平均は23,000円付近で上値が重い展開

2020年8月21日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は前日より39円68銭高の22,920円30銭となりました。

先週17日に内閣府から2020年4~6月の実質国内総生産(GDP)速報値が発表されました。これが前期比年率27.8%減と戦後最大の落ち込みだったことを受けて、景気の先行きに対する不安感が高まり、売りが広がりました。ただし下げ幅は大きくありませんでした。

先週は、国内海外ともに夏休みに入っていた投資家も多く、市場参加者が少ないこともあって、その後も小幅にもみ合いが続きました。23,000円を超えると利益確定の売りなども出て、上値が重い展開となりました。商いも薄く、東証1部の売買代金は5日連続で2兆円を下回っています。

今週の動きはどうなるでしょうか。国内外で主要な企業の決算発表が終了したことから、材料に欠けるところです。米株や為替相場の動向に振られそうです。ただ心配なのが、米株の過熱感です。

米国では新型コロナウイルス感染者の増加ペースが落ちていません。米国での死者も約18万人と世界最多となっています。それにもかかわらず、相場は上昇を続けています。

21日のダウ工業株30種平均は、前日比190ドル60セント高の27,930ドル33セントとなっています。ハイテク株が多いナスダック総合株価指数は46.85ポイント高の11,311.80、S&P500種株価指数は11.65ポイント高の3397.16となっており、ともに過去最高値を更新しています。

その反動がいつくるのか少し心配ですが、直近は底堅いと見ていいでしょう。日本株も連れ高になることが期待されます。

ただし、中期的には、香港や華為技術(ファーウェイ)問題などを巡る米中の対立には今後も注意が必要です。大統領選を控え、トランプ米大統領が新たな制裁などを打ち出す可能性もあります。