新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大防止のため、さまざまな業界に大きな影響が及んでいます。その中でも、人が集まる行事やイベントは軒並み中止へと追い込まれています。夏の風物詩である花火大会ももちろん例外ではなく、春の時点で全国的に花火大会の中止が続々と決定しました。

「花火業者は花火をあげないとお金になりません。今年を乗り越えないと来年まで持たない花火業者も多いはず」と語るのは、玩具花火・煙火の製造販売、花火大会の企画・運営を行なっている株式会社若松屋 東京支店支店長の竹内直紀さん。

竹内さんに、コロナにで花火大会が中止になったことでの花火業者への影響や、アフターコロナの花火大会に向けて取り組んでいることなどを伺いました。

シークレット花火が日本国民や花火業者にもたらしたもの

――3月頃に「今年の花火大会は中止」という一報を聞いて、どのように感じられたのでしょうか。

竹内直紀さん(以下、竹内):日本の夏から花火がなくなるという寂しさや残念さでした。そして打ち上げ花火に携わる仕事の方は、お金が稼げない現実を前にして焦りを感じたと思います。しかし、コロナの現実を前に下を向いていても仕方がないので、すぐに「何かできることはないか」と頭を切り替えてみんなが次に向かっていったと思います。

その中の1つが、花火業者が全国各地で一斉に花火を打ち上げるプロジェクト「CHEER UP!花火」プロジェクトでした。弊社を含めた200を超える花火業者が参加し、4月頃から業界の青年部が中心になって考え始め、6月1日に実行しました。

全国で一斉に打ち上げ、しかも観客を呼ばない花火大会はこれまでにやったことがないので、業者としてもボランティアである点や「通常の花火の時期の7月や8月ではない6月に花火をあげるのはどうなのか」、「人を集めないでシークレットで打ち上げるのは花火じゃない」といった賛否両論がありました。しかし、世の中の方々にはとても評判がよかったので結果的にはやってよかったと思います。