みんなの年代別「貯蓄」と「所得」…貯蓄1000万円以上でも、生活苦しい?

平均貯蓄は1,000万円以上、でも「生活は苦しい」?

「2019年調査」では、生活意識についても調査しています。これによると、「苦しい」(「大変苦しい」と「やや苦しい」の合計)が54.4%と半数以上となっています。

(生活意識とは、調査日現在での暮らしの状況を総合的にみてどう感じているかの意識のこと)

世帯別に「苦しい」と回答している世帯をみてみると、高齢者世帯は51.7%、児童がいる世帯が60.4%、母子世帯が86.7%となっています。

高齢者世帯で「貯蓄がない」と回答した世帯は14.3%いますが、50%もの世帯が「苦しい」と回答しているのは多い気がしますね。高齢者世帯の平均貯蓄額は1,200万円以上ありますが、それでも足りないということでしょうか。確かに2019年に「老後2,000万円問題」が話題になりました。

また児童がいる世帯のうち「苦しい」と回答した世帯数は、非常に多い印象です。貧困率をみると、2018年の貧困線(等価可処分所得の中央値の半分)は127万円となっており、それに満たない「相対的貧困率」は15.4%います。

このうち「子どもがいる現役世帯」の貧困率は12.6%ですが、「大人が一人」の世帯は48.1%と非常に高くなっています。1985年の54.5%と比較すると減少しているものの、それでも半数近い「大人が一人」の「子どもがいる現役世帯」が貧困の中にいるということになります。

(なお、OECDの所得定義の新基準(可処分所得の算出に用いる拠出金の中に、新たに自動車税等および企業年金・個人年金等を追加)に基づき算出した「相対的貧困率」は 15.8%となっています)

まとめにかえて

みんなの最新のお金事情をみていきましたが、思った以上に貯蓄が多い印象でした。また所得についても国税庁の「民間給与実態統計調査」の441万円より高いな、と感じた人もいたかもしれません。「国民生活基礎調査」の所得には、家賃収入などの財産所得や年金などの社会保障給付金も含まれています。ちなみに「稼働所得」(雇用者所得、事業所得、農耕・畜産所得、家内労働所得)は、全世帯平均で410万3,000円となっています。

それと同時に、生活が「苦しい」と思っている人の多さにも驚く結果となりました。貯蓄は意識しなければ増えていきません。毎日の積み重ねの結果、ともいえる面が大きいですので、少しずつでも未来のため、何かあった時のために貯めていきたいですね。

ただ、「相対的貧困率」は前年比では減少していますが、1985年の12.0%と比較すると高くなっています。子どもの貧困率もあまり変わらず2018年は13.5%です。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響でどれくらい増加してしまうのか、懸念すべき事項です。

参考

「2019年 国民生活基礎調査の概況」厚生労働省
「平成30年分 民間給与実態統計調査」国税庁

尾藤ちよ子

参考記事

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埼玉大学経済学部卒業後、テクノロジー関連の専門紙の記者に従事。
現在はビジネス・経済系メディア向けの執筆を行う。2児の母。