数あるコロナ禍のニュースの中で「証券会社の口座を開設する人が急増」という見出しを覚えているもいると思います。実は、新型コロナウイルスに対する危機感が国内でも高まってきた2020年2月後半から、証券会社の多くが従来以上の新規口座開設数を記録しているのです。

逆に言えば、この危機を良いきっかけだと捉え、実際に投資を始める人が増えたということ。そんなコロナ禍で投資デビューした20代、30代の若者たちに「投資のチャンス」だと感じた出来事について聞いてみました。

株価が下がったときに買っておけば儲かる

IT企業で営業の仕事をしている20代男性のAさん。会社は緊急事態宣言直前から本格的に在宅勤務へ移行し、7月以降は週に2、3回の出社と在宅勤務をミックスした状態で働いていると言います。

そんなAさんも3月初旬にネット証券の口座を開設し、投資デビューを果たしていました。「あの頃は国民みんなが不安になって、国内の経済活動がガクッと縮小するんじゃないかと思っていたと思う。過去にも何度かそういうことがあったけれど、そういう出来事の後には基本的に株価は上がっているから、今のうちに買っておくほうがいいかと思った」と語ります。

「前々から投資に興味はあった。20代後半になって給料は人並みだと思うが、満足しているわけではない。でも給料は簡単には上がらない。だったら投資をして少しでもお金を増やしたいと思っていた。FXは怖いイメージがあるけれど、社会人サークルの年上の知り合いが株をやっていると言っていて、話を聞いてみたら『株ならそこまで怖くないんじゃないか』と思った」のだそう。

「信用取引に手を出さない限りは、株価がゼロになる可能性はあってもマイナスにはならない。だったらいいか、と思って最初は2万円~3万円で買える株を探してとりあえず購入。あまり事前に勉強をしたわけじゃないけれど、購入を考えたのはある程度事業内容を知っている企業だったし、チャートを見たらかなり株価が下がっていたから、あとは上がるだけだなと思って買ってみた」と話すAさん。

コロナ禍で投資を始めた多くの人が「今株価が下がっているから買い時かも」と思ったのではないでしょうか。Aさんのように前から興味があったという人たちが、「コロナ禍」という一つの大きなきっかけで投資を始めたようでした。