消費支出は減っているけれど…

同じ総務省統計局の「家計調査」の消費支出をみてみると、大幅に減少していることが分かります(表参照)。

二人以上の世帯の消費支出(出典:総務省統計局「家計調査」)

5月の消費支出は1世帯当たり25万2,017円となっています。これは、前年同月比16.2%減(実質)と大幅な減少となっています。8カ月連続の実質減少ですが、5月の消費支出の落ち込みは想像以上に大きくなっています。

消費支出が減少し、5~6月には特別定額給付金の支給も始まっていますから、貯蓄は増加傾向になるような気がします。

同調査における勤労者世帯の実収入は、1世帯当たり50万2,403円と同9.8%増となっています。特別定額給付金の影響が大きい可能性がありそうですが、厚生労働省の「毎月勤労統計調査 令和2年5月分結果確報」によると、労働者1人当たりの所定「外」労働時間は7.2時間と同30.7%減となっています。残業時間の減少が収入を押し下げている可能性があり、これが貯蓄額にも影響しているのかもしれません。ちなみに現金給与総額は26万8,789円と同2.3%減です。

(「毎月勤労統計調査」における「現金給与額」とは、「労働の対償として使用者が労働者に通貨で支払うもので、所得税、社会保険料、組合費、購買代金等を差し引く前の金額」のことです。また、退職金は含まれていません。2019年、全数調査ではなく一部を抽出調査にしていたという不正問題があったこともここに記しておきます)