生涯年収とは、就職してから退職するまでに得られる給料の総額です。「終身雇用制度は崩壊した」といわれる昨今ですが、「大手企業」や「転職なし」のほうが生涯年収は高くなりやすいです。会社員と公務員でも傾向は異なり、学歴や性別、地域などの要因にも影響を受けます。

今回は生涯年収をさまざまな視点から検証します。もっとも多くの生涯年収が得られるのは、どんな属性の人なのでしょうか。

国家公務員と地方公務員の生涯年収

はじめに、公務員の生涯年収をみていきましょう。

国家公務員と地方公務員の生涯年収(人事院と総務省の資料をもとに編集部作成)

ここで紹介する国家公務員の生涯年収は、人事院が作成した「平成31年国家公務員給与等実態調査」のうち「行政職俸給表(-)」の平均給与月額をもとに推計したものです。60歳退職を前提としており、諸手当やボーナスを含みますが退職金は含みません。また、男女別データはありません。

一方、地方公務員の生涯年収は、総務省の「平成30年地方公務員給与の実態」に記載された「全地方公共団体の一般行政職」の平均給料月額から60歳退職を前提として推計したものです。ボーナスは含みますが、諸手当および退職金は含みません。

公務員で生涯年収がもっとも高いのは大卒の国家公務員で、その金額は2億6,000万円を突破しています。もっとも低いのは中学卒の女性地方公務員で、1億7,400万円となっています。中学卒を除くと学歴差や男女差が比較的小さいことが公務員の特徴といえるでしょう。