2019年、金融庁の報告書において、老後は年金以外に「2,000万円」必要と指摘され大きな話題となった「老後2,000万円問題」。この報告書とは、金融審議会「市場ワーキング・グループ」報告書のことですが、この中で「公的年金とともに老後生活を支えてきた退職金給付額は近年減少してきている」(p.13)とあります。

退職金の平均額や今後について、詳しくみていきましょう。

報告書の「退職金への危機感」

退職給付金の受け取り方は2通りあります。「退職一時金制度」と「退職年金制度」です。退職金の傾向として、1つの企業に長く働き続けることで金額が増えていく傾向にあります。現在は働き方が多用化しており、スキルを生かした転職や自営業、フリーランスなど、1つの企業で働き続けるだけではなく、働き方を変えながら社会人生活を送っている人が増えてきています。金融庁の報告書では、このような「留まらない働き方」は退職金を低い水準にする可能性があると指摘しています。