貯蓄「100万円」と「1,000万円」世帯の住居費は?

それでは住居費についてもみていきます。まず持家率ですが、

貯蓄「100万円」と「1,000万円」世帯の持家率

100~200万円:74.2%
1,000~1,200万円:89.5%
平均:85.1%

となっています。持家率の差が大きいですね。貯蓄「1,000~1,200万円」世帯は9割近くが持家となっていますが、貯蓄「100~200万円」世帯は7割です。そして住居費をみてみましょう。

貯蓄「100万円」と「1,000万円」世帯の住居費

100~200万円:1万6,000円
1,000~1,200万円:1万5,000円
平均:1万7,000円

賃貸に住んでいる方などからしたら、「かなり低い…」と驚かれたのではないでしょうか。ただこの数値は、前述の通り持家率が高いことなどが影響しています。また、家賃の低い給与住宅などに住んでいる世帯も含めた平均値となっていることを考慮する必要があります。

貯蓄「100~200万円」と「1,000~1,200万円」世帯の住居費の差は、それほど大きくなさそうです。

まとめにかえて

貯蓄「100~200万円」世帯と貯蓄「1,000~1,200万円」世帯は、年間収入に90万円ほどの差があります。消費支出の差は月4万円ほど。年間にすると50万円ほどになりますので、貯蓄「1,000~1,200万円」世帯は「100~200万円」世帯と比較すると、年間40万円ほど多く貯蓄できるといえるでしょう。これが900万円ほどの貯蓄差につながったといえるのかもしれません。

貯蓄「100~200万円」世帯と「1,000~1,200万円」世帯の食費や住居費もみてきましたが、それほど大きな違いはありませんでした。ただ、やはり貯蓄が多い方が持家率は高いといえそうです。

参考

「家計調査報告(貯蓄・負債編)―2019年(令和元年)平均結果―(二人以上の世帯)」総務省統計局
「みんなはいくら貯めている?20代~70代の貯蓄と負債の状況」LIMO

【ご参考】貯蓄とは

総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]によると、貯蓄とは、ゆうちょ銀行、郵便貯金・簡易生命保険管理機構(旧郵政公社)、銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金、生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式、債券、投資信託、金銭信託などの有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価、債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と、社内預金、勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいいます。

【ご参考】年間収入とは

総務省統計局の「家計調査」における「年間収入」とは、世帯全体の過去1年間の収入(税込み収入)です。以下1~6の収入の合計金額となっています。
1. 勤め先収入(定期収入、賞与等)
2. 営業年間利益(原材料費、人件費、営業上の諸経費等を除く。)
3. 内職年間収入(材料費等を除く。)
4. 公的年金・恩給、農林漁業収入(農機具等の材料費、営業上の諸経費等を除く。)
5. その他の年間収入(預貯金利子、仕送り金、家賃収入等)
6. 現物消費の見積り額

尾藤 ちよ子