誰にとっても貯蓄は難しい…

二人以上世帯における貯蓄現在高の平均値を下回っている世帯は、67.9%となっています。先述したように貯蓄4,000万円以上の世帯も多くおり、平均だからといって多くの人がその貯蓄額に達しているわけではないようです。貯蓄保有世帯の中央値は1,033万円、貯蓄0世帯を含めた中央値は967万円です。

また貯蓄額の差と比較すると、年間収入差はそれほど大きくありませんでした。ただ勤労者世帯は年間収入の上昇とともに貯蓄現在高も高くなっています。

貯蓄を継続していくことは、誰にとっても難しいです。何度も見聞きしたことがあるとは思いますが、「NISA」や「iDeCo」を活用したり、金融機関の自動で積み立てられるようなサービスを使うなどの工夫は必要でしょう。そしてやはり、取りかかるなら早めに、が鉄則だといえます。

参考

「家計調査報告(貯蓄・負債編)―2019年(令和元年)平均結果―(二人以上の世帯)」総務省統計局
「みんなはいくら貯めている?20代~70代の貯蓄と負債の状況」LIMO

【ご参考】貯蓄とは

総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]によると、貯蓄とは、ゆうちょ銀行、郵便貯金・簡易生命保険管理機構(旧郵政公社)、銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金、生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式、債券、投資信託、金銭信託などの有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価、債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と、社内預金、勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいいます。

【ご参考】年間収入とは

総務省統計局の「家計調査」における「年間収入」とは、世帯全体の過去1年間の収入(税込み収入)です。以下1~6の収入の合計金額となっています。
1. 勤め先収入(定期収入、賞与等)
2. 営業年間利益(原材料費、人件費、営業上の諸経費等を除く。)
3. 内職年間収入(材料費等を除く。)
4. 公的年金・恩給、農林漁業収入(農機具等の材料費、営業上の諸経費等を除く。)
5. その他の年間収入(預貯金利子、仕送り金、家賃収入等)
6. 現物消費の見積り額

尾藤 ちよ子