新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による自粛生活は、家族の関係にも大きな変化をもたらしました。配偶者のよさを再認識した人がいる一方で、「定年退職後の生活が不安になってしまった」と感じている人もいるかもしれません。

「年金を分けてもらえるなら離婚したい」と思っている人もいるのではないでしょうか。「年金分割とはどんな仕組みなのか」や「どのくらいのお金がもらえるのか」について、あらためておさらいしておきましょう。

年金分割ってどんなもの?

年金分割は、離婚する夫婦が厚生年金保険料の”納付記録”を分割する仕組みです。大変複雑な制度なので、ここではポイントだけをご紹介します。

対象となるのは、夫婦の一方か両方が会社員か公務員(厚生年金の第2号被保険者)だというケースのみです。2007年4月以降に離婚が成立した場合に利用できます。分割割合の上限は5割です。年金を分割する側を「第1号改定者」、分割を受ける側を「第2号改定者」と呼びます。

申請できるのは離婚から2年以内に限られます。2008年4月以降に専業主婦(夫)だった期間がある場合は、その期間の納付記録が2分割される決まりです。