リンテック、通期は減収減益 米中貿易摩擦影響の他にその他事業には大型台風など自然災害も影響

2020年5月18日に行われた、リンテック株式会社2020年3月期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。

スピーカー:リンテック株式会社 代表取締役社長 服部真 氏

2020年3月期 連結業績の概要①

服部真氏:この度、4月1日付で西尾前社長の跡を継いで社長に就任いたしました、服部でございます。社業発展のため、精一杯努力してまいりますので、今後ともよろしくお願いいたします。

例年ですと、みなさまに会場にお越しいただき決算説明会を行なっていますが、この度の新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、このようにホームページを利用した動画配信とさせていただくことに、ご理解を賜りますようお願い申し上げます。

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当社は5月8日に、2020年3月期の連結業績と2021年3月期の連結業績予想を発表しましたが、その概要につきまして、改めて私からご説明申し上げます。なお、当社ホームページIRサイトに、決算短信・決算説明資料・決算補足説明資料・ファクトブックを掲載させていただいていますが、その中の決算説明資料に沿ってご説明させていただきます。

当期の連結業績につきましては、売上高は前年同期比102億1,500万円減、4.1パーセントダウンの2,407億2,700万円。営業利益は、パルプ価格の下落による増益要因があったものの、米中貿易摩擦の影響などによる販売数量の減少をカバーするまでには至らず、25億3,700万円減、14.1パーセントダウンの154億4,000万円。

経常利益は35億800万円減、19.5パーセントダウンの144億8,400万円。親会社株主に帰属する当期純利益は、米国子会社においてのれんの減損損失5億4,500万円を計上したこともあり、33億1,600万円減、25.6パーセントダウンの96億2,000万円となりました。

2020年3月期 連結業績の概要②

次に、リンテック単体と連結子会社の業績についてご説明いたします。売上高は、単体が前年同期比87億9,600万円減、5.2パーセントダウンの1,598億3,700万円、連結子会社が52億5,400万円減、4.1パーセントダウンの1,213億6,600万円となりました。

営業利益は、単体が前年同期比3億8,800万円減、4.2パーセントダウンの89億5,900万円、連結子会社が20億400万円減、23.4パーセントダウンの65億6,600万円となりました。

2020年3月期 連結業績の概要③

続きまして、その内容をご説明いたします。売上高につきましては、単体においては、洋紙事業部門は堅調に推移しましたが、その他の事業部門は、海外経済の減速による輸出の鈍化や大型台風などの自然災害の影響を受けたことなどにより、低調に推移しました。

連結子会社では、マディコ、リンテック・コリアは堅調に推移したものの、その他の連結子会社は、市場の生産調整の影響を受けたことなどにより、総じて低調に推移しました。

営業利益につきましては、単体では、売上構成の改善により約20億円、パルプを中心に原燃料価格が下落したことにより約10億円の増益効果がありました。一方、販売数量の減少で約30億円、物流コストの上昇などで約4億円の減益影響がありました。

連結子会社では、マディコ、リンテック・コリアの販売数量の増加による効果がありましたが、その他の連結子会社は低調に推移いたしました。

2020年3月期 印刷材・産業工材関連の概要①

次に、当期の業績について、セグメント別にご説明いたします。印刷材・産業工材関連につきましては、印刷・情報材事業部門の売上高は、前年同期比2,700万円増の868億1,900万円。産業工材事業部門は、5億2,700万円減、1.5パーセントダウンの356億1,700万円となりました。

当セグメントの売上高は、前年同期比4億9,900万円減、0.4パーセントダウンの1,224億3,600万円。営業利益は、28億3,200万円減、75.3パーセントダウンの9億2,800万円となりました。

2020年3月期 印刷材・産業工材関連の概要②

引き続き、当セグメントの事業部門別売上高の概要をご説明いたします。

印刷・情報材事業部門につきましては、シール・ラベル用粘着製品は、国内では天候不順の影響を受け、食品・飲料関連の表示ラベルや化粧品などのアイキャッチラベルが低調に推移しました。海外では、中国で景気減速の影響を受けましたが、米国では新規顧客への拡販効果もあり、堅調に推移いたしました。

産業工材事業部門につきましては、ウインドーフィルムは国内外ともに順調に推移しましたが、二輪を含む自動車用粘着製品がインド市場低迷の影響を受け、低調に推移しました。

2020年3月期 電子・光学関連の概要①

次に、電子・光学関連についてご説明いたします。アドバンストマテリアルズ事業部門の売上高は、前年同期比46億7,500万円減、8.9パーセントダウンの476億5,400万円。オプティカル材事業部門は、37億1,100万円減、9.8パーセントダウンの342億7,400万円となりました。

当セグメントの売上高は、前年同期比83億8,600万円減、9.3パーセントダウンの819億2,900万円。営業利益は、1億6,900万円減、1.5パーセントダウンの109億8,100万円となりました。

2020年3月期 電子・光学関連の概要②

引き続き、当セグメントの事業部門別売上高の概要をご説明いたします。

アドバンストマテリアルズ事業部門につきましては、半導体関連粘着テープは、第3四半期に入り、需要が回復したことなどにより増加しましたが、半導体関連装置は、設備投資抑制の影響を受け、大幅な減少となりました。また、積層セラミックコンデンサ関連テープについても、自動車用・スマートフォン用ともに市場の生産調整の影響を受け、大幅な減少となりました。

オプティカル材事業部門につきましては、光学ディスプレイ関連粘着製品は、大型テレビ用は堅調であったものの、スマートフォン用などの中小型向けが需要低迷の影響を受け、低調に推移しました。

2020年3月期 洋紙・加工材関連の概要①

次に、洋紙・加工材関連についてご説明いたします。洋紙事業部門の売上高は、前年同期比7,100万円増、0.4パーセントアップの167億4,400万円。加工材事業部門は、14億円減、6.7パーセントダウンの196億1,600万円となりました。

当セグメントの売上高は、前年同期比13億2,800万円減、3.5パーセントダウンの363億6,100万円。営業利益は、5億3,200万円増、17.9パーセントアップの35億200万円となりました。

2020年3月期 洋紙・加工材関連の概要②

引き続き、当セグメントの事業部門別売上高の概要をご説明いたします。

洋紙事業部門につきましては、主力のカラー封筒用紙が堅調に推移したほか、建材用紙やファストフード向けの耐油耐水紙などが順調に推移しました。

加工材事業部門につきましては、電子材料用剥離紙は堅調であったものの、一般粘着製品用剥離紙や光学関連製品用剥離フィルムが低調に推移しました。

2021年3月期 連結業績の見通し①

続きまして、2021年3月期の連結業績見通しについてご説明いたします。現時点において、新型コロナウイルス感染症の終息時期を正確に見通すことは困難でありますが、第1四半期・第2四半期は、さまざまな事業領域での需要環境の悪化による受注減少などが予想され、第3四半期以降については、正常な事業活動に向かうことを前提として策定しています。

2021年3月期 連結業績の見通し②

以上の前提により、2021年3月期の連結業績見通しは、売上高は前年同期比7億円減、0.3パーセントダウンの2,400億円。営業利益は4億円減、2.9パーセントダウンの150億円。経常利益は5億円増、3.6パーセントアップの150億円。親会社株主に帰属する当期純利益は14億円増、14.3パーセントアップの110億円となる見通しです。

2021年3月期 連結業績の見通し③

次に、リンテック単体と連結子会社の業績見通しについてご説明いたします。売上高は、単体が前年同期比26億円減、1.6パーセントダウンの1,572億円。連結子会社が13億円減、1.1パーセントダウンの1,201億円となる見通しであります。

営業利益は、単体が前年同期比5億円減、5.6パーセントダウンの85億円。連結子会社が前年同期並みの65億円となる見通しであります。

2021年3月期 連結業績の見通し④ 営業利益増減要因

続きまして、連結営業利益の増益要因についてご説明いたします。

単体は、増益要因として、販売数量の増加などにより5億円、原燃料価格の下落で5億円を見込み、一方、減益要因としては、人件費などの固定費の増加で15億円と見ています。

連結子会社は、アドバンストマテリアルズ事業部門の販売子会社の増収効果はあるものの、マディコ、リンテック・コリアの減収や固定費の増加もあり、前年同期並みと見ています。

なお、今期の想定為替レートは、表に表したとおりであります。

2021年3月期 印刷材・産業工材関連の見通し①

次に、今期の連結業績見通しについて、セグメント別にご説明いたします。印刷材・産業工材関連につきましては、印刷・情報材事業部門の売上高は、前年同期比21億円増、2.4パーセントアップの889億円。産業工材事業部門は、20億円減、5.7パーセントダウンの336億円となる見通しであります。

当セグメントの売上高は、前年同期比1億円増、0.1パーセントアップの1,225億円。営業利益は、2億円減、24.6パーセントダウンの7億円となる見通しであります。

2021年3月期 印刷材・産業工材関連の見通し②

引き続き、当セグメントの事業部門別売上高の見通しをご説明いたします。

印刷・情報材事業部門は、訪日客の減少により、家電製品や化粧品などのラベル需要が減少すると見ていますが、一方で、外食を控え、家で食事をする中食の増加による食品関連ラベルの需要や、医療・医薬用ラベルの需要が増加すると見ています。

産業工材事業部門は、各種イベントの中止や延期に伴い、装飾関連需要が減少すると見ているほか、自動車用粘着製品やウインドーフィルムの販売数量が減少すると見ています。

2021年3月期 電子・光学関連の見通し①

次に、電子・光学関連の見通しについてご説明いたします。アドバンストマテリアルズ事業部門の売上高は、前年同期比48億円増、10.2パーセントアップの525億円。オプティカル材事業部門は、46億円減、13.3パーセントダウンの297億円となる見通しであります。

当セグメントの売上高は、前年同期比2億円増、0.3パーセントアップの822億円。営業利益は、2億円増、2.0パーセントアップの112億円となる見通しであります。

2021年3月期 電子・光学関連の見通し②

引き続き、当セグメントの事業部門別売上高の見通しをご説明いたします。

アドバンストマテリアルズ事業部門につきましては、半導体関連粘着テープおよび半導体関連装置は、半導体市場の回復に伴い、需要が増加すると見ています。積層セラミックコンデンサ関連テープは、自動車用は低調に推移すると見ていますが、5G関連用途を中心にハイエンド品の需要が増加すると見ています。

オプティカル材事業部門につきましては、大型テレビ用およびスマートフォン用などの中小型向けの需要が減少すると見ています。

2021年3月期 洋紙・加工材関連の見通し①

次に、洋紙・加工材関連の見通しについてご説明いたします。洋紙事業部門の売上高は、前年同期比3億円減、2.1パーセントダウンの164億円。加工材事業部門は、7億円減、3.7パーセントダウンの189億円となる見通しであります。

当セグメントの売上高は、前年同期比10億円減、2.9パーセントダウンの353億円。営業利益は、4億円減、11.5パーセントダウンの31億円となる見通しであります。

2021年3月期 洋紙・加工材関連の見通し②

引き続き、当セグメントの事業部門別売上高の見通しをご説明いたします。

洋紙事業部門につきましては、幼稚園や小学校の休園・休校に伴い、色画用紙の需要が減少すると見ているほか、ファストフード店への来店客減少により、耐油耐水紙の需要が減少すると見ています。

加工材事業部門につきましては、航空機の減産影響を受けての炭素繊維複合材料用工程紙の需要減、および中国向けの合成皮革用工程紙の需要が減少すると見ています。

2021年3月期 設備投資額・減価償却費・研究開発費の概要および見通し

次に、設備投資額・減価償却費・研究開発費についてご説明いたします。

2020年3月期の設備投資額は、前期の95億円に対し、34億円増加の129億円となりました。主な内容につきましては、吾妻工場での剥離フィルム塗工設備、熊谷工場での剥離紙塗工設備・温室効果ガス削減対応設備、マディコでの生産拠点再構築などであります。

2021年3月期は、吾妻工場での剥離フィルム塗工設備、熊谷工場での剥離紙塗工設備、三島・熊谷両工場において原価低減・品質向上・温室効果ガス削減を兼ねた投資を行なうことなどにより、計100億円の設備投資を予定しています。

2020年3月期の減価償却費は、前期の87億円に対し、8億円増加の95億円となりました。2021年3月期は、94億円となる見通しです。

2020年3月期ののれんの償却額は、前期とほぼ同額の33億円となりました。2021年3月期ののれんの償却額は、31億円となる見通しです。

2020年3月期の研究開発費は、前年同期の83億円に対し、4億円減少の79億円となりました。2021年3月期は、82億円となる見通しです。

2021年3月期 配当予想

続きまして、配当予想についてご説明いたします。当社の利益配分に関する基本方針に基づき、2020年3月期は、年間配当金78円とさせていただきました。これにより、連結配当性向は58.6パーセントとなりました。

2021年3月期の年間配当金は、連結当期純利益予想110億円、1株あたり当期純利益152円25銭を前提に、1株あたり年間配当金78円を予定しています。これにより、連結配当性向は51.2パーセントとなる見込みです。

時期経営計画に向けた取り組みについて

最後になりますが、本来であれば、2020年4月から新たな中期経営計画をスタートさせる予定でありましたが、2021年4月から「収益認識に関する会計基準」が強制適用となり、売上高や売上高営業利益率への大きな影響があることから、2021年3月期は単年度計画とし、次期中期経営計画は2021年4月にスタートすることといたしました。

今後、10年先を見据えた長期ビジョンを掲げるとともに、3年ごとの中期経営計画は、それを着実に実現するためのマイルストーンと位置づけてまいります。また、当社グループが今後も中長期的に成長を遂げていくために、CSRを経営の根幹に置き、SDGsの17の目標の具現化とESGに対する取り組みも、いっそう強化してまいります。

以上をもちまして、私からのご説明を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。

記事提供:ログミーファイナンス

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