前回の記事『60-75歳の「使いながら運用する時代」に資産寿命を4割伸ばすには?』では、「使いながら運用する」という考え方を紹介しました。今回はその具体的な方法のひとつである「定率引き出し」の考え方を解説します。

使いながら運用する時代の「定率引き出し」

前回、逆算の資産準備を説明しました。その中で75歳から遡って60歳までの期間を「使いながら運用する時代」と設定し、その時期の目標は、75歳の時点で計画通りに資産を残すことにありました。

それができるからこそ、第2ステージの「使うだけの時代」を迎えられるということになります。

株式や投資信託を使って資産運用をする場合には、価格変動リスクがあります。すでに資産を保有している段階では、この価格変動は資産残高に大きく影響しますが、退職した段階ですぐに全部引き出す(売却する)わけではありません。

そのため、今の段階で資産残高が大きく減少したからといって、過度に心配する必要はありません。

資金は必要に応じて少しずつ引き出すわけですから、引き出し方に工夫をすることが求められます。それが、定率引き出しと呼ばれる方法で、価格変動に合わせて引き出し額を変動させることで、その価格変動リスクの残高への影響を薄める方法ということもできます。