イオンリート、通期は増収増益 大規模リニューアルや海外物件の賃料改定などに伴い収益が増加

2020年3月17日に行われた、イオンリート投資法人2020年1月期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。

スピーカー:イオンリート投資法人 代表取締役社長 関延明 氏

2020年1月期決算説明会

関延明氏:本日はお忙しい中、イオンリート投資法人の第14期(2020年1月期)決算説明会にご参加いただき、ありがとうございます。イオンリートマネジメントの関です。

今回は新型コロナウイルスの感染拡大の影響に鑑み、電話会議システムを利用したかたちに変更させていただきました。不慣れな点もあり、わかりにくい部分もあるかと存じますが、ご理解賜りたくお願いします。それではさっそくではございますが、ホームページに掲載した決算説明会資料に沿って説明します。

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第14期(2020年1月期)決算ハイライト

4ページをご覧ください。今期の決算ハイライトとなります。分配金は3,074円と当初予想からプラス49円、1.6パーセント増の着地となりました。外部成長では、イオンモール福津の取得、内部成長ではイオンモール明和の大規模リニューアルや、マレーシア物件の賃料改定などに伴い、収益が増加しています。

また、財務面においては、公募増資に加え、グリーントラストローンやグリーンボンドでの調達を行ない、ESGに配慮しつつ、調達手段の多様化を実現しています。

第14期(2020年1月期)決算概要

5ページをご覧ください。今期の決算概要について説明します。表のB列をご覧ください。昨年9月にイオンモール福津を取得したことにより、増収増益となりました。一方で、昨年発生した台風15号と台風19号の影響で8,400万円の特別損失を計上しています。

しかしながら、保険収入や資金調達コストの削減などにより、分配金は当初予想を上回る3,074円となりました。

着実な巡航分配金の成長

6ページをご覧ください。1年前の決算説明会において、中期目標として巡航分配金3,300円を公表しました。第14期末時点で巡航分配金は3,040円です。これがこの2月にイオンモール多摩平の森を取得し、3,096円へと成長し、中期目標に向けて順調に進んでいます。

第14期トピックス(外部成長)

7ページをご覧ください。昨年の公募増資により、イオンモール福津、イオンモール多摩平の森という地域社会の生活インフラ資産を取得しました。商圏人口に恵まれた地域一番の商業施設を、償却後NOI利回り3.9パーセントという好条件で取得しています。

第14期トピックス(内部成長)

8ページをご覧ください。こちらは内部成長です。今期は上段の活性化投資による賃料増額に加え、下段に記載のマレーシア物件の経済成長に基づく賃料増額を実現しました。

活性化投資に関しては、イオンモール明和でフードコートを大規模リニューアルし、集客力の向上を図っています。また、マレーシア物件に関しては、消費者物価指数に連動し3年ごとに賃料を見直しており、セレンバン2において5.4パーセント、タマン・ユニバーシティでは4.6パーセントの賃料増額を実現しました。

第14期トピックス(財務戦略)

9ページをご覧ください。昨年後半のマーケット環境の好機を捉え、公募増資によって123億円を調達。また、グリーントラストローンを33億円、イオンの知名度を生かしたグリーンボンド120億円、合計153億円のJ-REIT最大級のグリーンファイナンスを実行しました。引き続き、調達手段の多様化、調達先の多様化を進め、強い財務基盤の構築を目指していきます。

新規物件取得によるポートフォリオ収益力の向上

10ページをご覧ください。イオンモール多摩平の森を取得後のポートフォリオの状況です。資産規模は3,901億円まで成長し、ポートフォリオNOI利回りは6.4パーセント、含み益は591億円となりました。

LTVは、公募増資前と同じ水準、44.9パーセントを維持、LTV50パーセントまでの借入余力は約390億円となっています。

第15期(2020年7月期)・第16期(2021年1月期)業績予想

11ページをご覧ください。今後の業績予想となります。はじめに第15期の業績予想について説明します。

B列をご覧ください。多摩平の森の収益寄与、ファイナンスコストの削減などにより、前期に比べ増収増益し、分配金は3,125円を見込んでいます。続いて右側のD列にある第16期の業績予想をご覧ください。15期同様、分配金3,125円を見込んでいます。

現在、新型コロナウイルスへの対応によりエンドテナントやマスターリース会社においてはさまざまな影響が見込まれますが、イオンリートは、マスターリース契約に基づく安定した固定賃料のスキームとなっており、業績の影響は想定していません。

今後の成長目標

12ページをご覧ください。巡航分配金3,300円の達成に向け、順調に進捗しており今後2年から4年のうちに達成したいと考えています。

また、資産規模は5,000億円を目指していますが、こちらは巡航分配金とは異なり、時期を定めず着実に積み重ねる方針です。マーケット環境に応じ、機動的に資金を調達し、厳選した物件取得を重ね、達成を目指していきます。続いて第2章では、イオンリートの強みについて説明します。

イオンリートの強み

15ページをご覧ください。イオンリートには、生活インフラ資産への投資、長期固定のマスターリースに基づく安定した賃料収入、年間83億円のフリーキャッシュフローなど、ほかのリートにはない独自の強みがあります。詳細については、順を追って説明します。

地域社会に支持され続ける「生活インフラ資産」

16ページをご覧ください。生活インフラ資産とは、地域のお客様に支持され、日々の暮らしにおいて信頼される商業施設と考えています。イラストの周りに事例を紹介していますが、モノの販売だけでなく、さまざまなサービスを提供し、地域の大切な機能を担っています。

そしてなによりも重要なことは、生活スタイルの変化、テクノロジーの進歩に応じ、求められる姿に変わり続け、地域社会に支持され続ける施設であるという点にあります。

「生活インフラ資産」への目利き力

17ページをご覧ください。当社がどのような視点で生活インフラ資産を見ているかについてお話しします。具体的には、立地、建物設備、運営力、3つの視点で物件を評価しています。

17ページの下段、立地については、人口動態や証券、交通アクセスや競合環境および将来の開発計画など、商業不動産としての土地そのものの力を見ています。例えば建物設備としてアクセスの利便性のポイントとなる大きな駐車場、便利で快適な買い物ができる建物構造、防災拠点としての機能など、人を惹きつけ地域の安定や発展に資するようなかたちになっているかを見ます。

運営力の面では、その時代、地域にふさわしいテナントを幅広く備え、加えて郵便局や保育施設といった公共性の高い機能があり、地域の方にとって来店動機となる魅力的な施設となっているかを見ます。

こうした視点で個々の物件を総合的に判断、イオンリートならではの目利き力を発揮し、投資主価値の向上に資する物件を厳選し、取得していきます。

生活インフラ資産の安定性及び賃料の安定性

18ページをご覧ください。リースストラクチャーのイメージです。イオンリートはグループ各社と固定賃料を基本としたマスターリース契約、つまり1棟貸しの契約を締結しています。ですから、お客様が買い物をする専門店、エンドテナントの営業リスクは、マスターリース会社が負っているかたちになります。

つまりイオンリートは、経済情勢の変化、ショッピングセンターの売上変動の影響を直接受けることなく、安定した賃料収入を見込むことができます。これは現在の新型コロナウイルスによる影響に対しても同様と考えています。

外部成長 ~パイプラインサポートによる更なる成長~

19ページをご覧ください。パイプラインについて説明します。イオンリートの強みは豊富なパイプラインによる外部成長力にあります。具体的には約2,000億円程度のパイプラインがあります。イオングループ11社とサポート契約を締結、いち早くグループが運営する物件の情報を得ることができ、優先的に物件取得の検討ができます。

また、マーケットからではなく、相対で交渉し厳選して物件を取得できることも、安定した成長の原動力となっています。イオンリートがこれまで取得してきた物件は、すべて相対取引となっています。

内部成長 ~運用物件の価値向上のための活性化投資~

20ページをご覧ください。物件の価値向上のための改装投資を活性化投資と呼んでいて、2つの側面があります。1つは、増床や大規模なリニューアルといった物件の競争力強化のための投資であり、もう1つは物件の機能維持・向上のための投資です。

いずれも商業施設にとって非常に重要な投資であり、グループ各社と協議しながら、活性化投資により物件の競争力を高め、賃料増額による内部成長を実現していきました。とくに物件の機能維持・向上のための投資は、単なる設備更新ではなく、防災・減災に対する投資も含まれています。

この投資は、直接集客力が向上する投資ではありません。しかし、お客様の安全確保はもちろんのこと、災害時の早期営業再開にもつながる地域の生活インフラとして、非常に重要な投資と考えています。1例としては、防煙垂れ壁の改修工事を進めており、今年の7月までで国内商業施設のうち32物件、約86パーセントで回収済みとなる見込みです。

内部成長 ~イオンモール明和大規模リニューアル~

21ページをご覧ください。これは14期に大規模リニューアルを行なった三重県にあるイオンモール明和の事例です。ページ左のフロアマップにあるように、フードコートの拡張によって、座席数の拡大と環境改善、飲食テナントの強化を実現するとともに、出入口の新設によって、客動線の改善を実施しました。

これは、お客様の消費行動の変化に対応し、お客様の利便性を高め、魅力の向上を実現しています。本リニューアルにおいて、イオンリートは1億6,200万円を投資し、年間の賃料は約8.3パーセント、1,340万円増加させています。

財務方針

22ページをご覧ください。続いて財務戦略について説明します。イオンリートは資金調達の安定性を重視し、平均残存年数の長期化、返済期限の分散化を進めており、2020年1月末日時点の有利子負債残高は、1,500億円、調達コストは0.82パーセントとなっています。

多摩平の森取得後のLTVは、増資前、第13期と同水準の44.9パーセントを維持しており、引き続きLTVは44パーセントから47パーセントを目安にコントロールしていきます。

リスクマネジメント~自然災害への対応~

23ページをご覧ください。イオンリートは自然災害への耐性が強いリートになっていて、そのポイントは4点あります。24都道府県に広がる分散投資、年間約83億円の豊富なフリーキャッシュフロー、火災保険に加えて、J-REITでは数少ない地震保険の付保、そして4億7,400万への配当準備金があります。これらの強みにより、安定した分配金を実現します。

成長の原動力となるキャッシュフロー創出力

24ページをご覧ください。強みの1つであるキャッシュフロー創出力について説明します。年間のフリーキャッシュフローは、83億円に上ります。この豊富なキャッシュを活用し、新規物件の取得や活性化への投資を行ない、公募増資や借入によらず、ポートフォリオの収益力向上を実現できます。

これまでイオンモール甲府昭和増築棟の取得、イオンモール盛岡の増床リニューアルなどに活用してきました。

戦略的キャッシュマネジメント

25ページをご覧ください。仮に、80億円のキャッシュを活用した場合の分配金LTVに与える影響を試算しています。左から優先順位が高く、収益力向上に資する物件取得や保有物件の競争力向上のための活性化投資を中心に活用したいと考えています。一方で、マーケット環境によっては、借入の返済や利益超過分配、自己投資口の取得等への活用も検討します。

サステナビリティ ~イオンリート~

26ページをご覧ください。イオンリートとイオングループのサステナビリティへの取り組みについて説明します。

イオンリートは、人々の豊かな生活の実現と地域社会への貢献を理念とし、生活インフラ資産への投資を通じ、中長期にわたる安定収益の確保を実現していきます。J-REITで9銘柄のみが選定されているMSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数に選定されており、保有42物件中23物件において、環境評価認証を取得しています。

サステナビリティ ~イオングループ~

27ページをご覧ください。続いて、グループのサステナビリティ基本方針と取り組み事例です。今でこそ、サステナビリティという考え方が注目を集めていますが、イオングループは30年前から植樹活動をはじめ、さまざまな地域社会に貢献する取り組みを推進してきました。

これからも先進的な取り組みを通じ、持続可能な社会の実現と、グループの成長の両立を目指していきます。

サステナビリティへの取組み①

28ページをご覧ください。ここからイオンリート並びにグループのサステナビリティへの取り組みについて話したいと思います。

まず、社会的な課題などに対する取り組みについてです。昨年も、モール周辺で台風などによる災害がございましたが、そのような時の防災拠点としての活動、加えて地域交流やコミュニティの場の創出といった活動は、商業施設という枠を飛び越え、まさに生活インフラ資産として地域のみなさまに頼られる存在となっています。

また、運用会社としても、働きやすい環境の整備をはじめ、各種取り組みを推進しており、経済産業省より健康経営優良法人に認定されました。

サステナビリティへの取組み②

29ページをご覧ください。ここでは、環境とガバナンスの取り組みについてお話しします。環境については、太陽光パネルの設置や壁面緑化、照明のLED化など、環境に配慮した多くの取り組みを行ない、エネルギーの効率化を進めています。

また、ガバナンスについては、透明性のある意思決定プロセスや、投資主価値と連動した運用報酬体系、セイムボート出資など、投資主価値を意識した体制を整えています。

マネジメントメッセージ

以上で私からの説明を終わりますが、最後に新型コロナウイルスの感染拡大による影響について触れておきたいと思います。経済活動停滞の懸念を背景とし、当社の投資口価格も2月下旬より下落が続いていますが、当社の強みは、マスターリース契約、豊富なキャッシュフロー、地域に支持される生活インフラ資産の保有など、独自の強みに支えられた安定性にあると確信しています。

安定性といいますと、通常時はおもしろみに欠けるリートであると思われがちですが、マーケットが不安定な時に、より強みを発揮すると考えています。この強みを生かし、投資家のみなさまにご評価いただけるリート運営を行ない、中長期にわたり着実に投資主価値の向上を実現していきたいと考えます。ありがとうございました。

記事提供:ログミーファイナンス

参考記事

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