まとめにかえて

地方公務員の退職金については、勤続年数別には分からないのですが、総務省の「給与・定員等の調査結果等(平成31年)」(2019年)から、平成30年度(2018年度)中の全職種の「60歳定年退職者の平均支給額」をみていきます。

都道府県(47団体)

全職種:2,210万円
一般職員:2,160万円
一般職員のうち一般行政職:2,180万円
教育公務員:2,240万円
警察職:2,190万円

政令指定都市(20団体)

全職種:2,160万円
一般職員:2,110万円
一般職員のうち一般行政職:2,210万円
教育公務員:2,240万円

市区町村(指定都市を除く1,721団体)

全職種:1,830万円
一般職員:1,820万円
一般職員のうち一般行政職:1,740万円
教育公務員(44団体):620万円

となっています。

老後資金2,000万円を退職金でまかなおうとすると、民間の会社員は大学卒だと35年以上、国家公務員だと30~35年以上勤続しなければ、得ることは難しいようです。転職を考えている人は、自身で資産運用・形成した方が良いでしょう。

国家公務員の退職金ですが、自己都合退職で10年未満の勤続年数ですと、100万円にも達していません。会社員においてはそれ以下かもしれませんので、1つの会社に長く勤めなければ退職金制度にメリットはあまりないかもしれませんね。

また、単純比較はできませんが、定年退職における退職金額を比較すると、

地方公務員(都道府県)
地方公務員(政令指定都市)
国家公務員
民間の会社員(大学・大学院卒)
地方公務員(市区町村)

の順になっていますので、退職金の制度は公務員として長く勤め続ける人にもっともメリットがある制度といえます。

参考

「平成30年就労条件総合調査 結果の概況」厚生労働省
「退職手当の支給状況」内閣官房(平成30年度)
「給与・定員等の調査結果等(平成31年)」総務省
「公務員と会社員の退職金、どれくらい違うの?」LIMO
「厚生年金や国民年金をみんな、いくらもらっているのか」LIMO

尾藤 ちよ子