転職率が高いと「労働の流動化」が進んでいるともいえますが、高すぎても労働環境や労働時間に問題があるのではないか、と思ってしまう人も多いかもしれません。

転職率がもっとも高い「宿泊業,飲食サービス業」ですが、生涯年収においてももっとも低くなっています。(参考:『「生涯年収」もっとも高い業種、低い業種は?』

平均年収が低い可能性が高く、そういったことも転職率の高さに影響しているのかもしれません。

まとめにかえて

雇用者ベースの転職率(雇用者計)は、2018年は5.3%。10年前の2008年は5.8%、20年前の1998年は5.6%とそれほど大きく変わっていません。ただ性別や産業別の差は大きいです。また正規の職員・従業員の転職率(2018年)は3.4%であるのに対して、非正規の職員・従業員の転職率(2018年)は9.2%と、こちらも差が大きくなっています。

転職は個人的な事情だけではなく、労働環境などの影響も大きいようです。ただ、「転職率が高いことは悪いこと」とも言い切れません。転職がキャリアアップとなり、年収や待遇面が向上している人もいます。ただ現在の日本の労働市場では、転職すると年収が下がることが多いようです。それでも転職する人が多い…となると、何か他に転職する理由があると考えるのが自然でしょう。

参考

「ユースフル労働統計2019」労働政策研究・研修機構
「公務員と会社員の「離職率」どれくらい違う?」LIMO

尾藤 ちよ子