2020年1月25日にログミーファイナンス主催で行われた、第11回 個人投資家向けIRセミナー&講演会の第4部・株式会社エイジアの講演の内容を書き起こしでお伝えします。

スピーカー:株式会社エイジア 経営企画室長 藤田雅志 氏\n元ファンドマネージャー/元ディーラー 坂本慎太郎(Bコミ) 氏\nフリーアナウンサー 八木ひとみ 氏

第10回 個人投資家向けIRセミナー&講演会(第2部)

藤田雅志氏(以下、藤田):みなさまこんにちは。エイジアの藤田と申します。本日はご来場いただきましてどうもありがとうございます。前回は9月にこちらのセミナーで登壇させていただいたのですが、その時は持ち時間30分のところを45分ほど使ってしまったため、今日は少し早めに説明したいと思います。ご容赦いただければと思います。

それではさっそく中身に入っていきたいと思います。今日お話しすることは全部で4つございます。会社の概要と成長戦略、業績の推移、還元についての4つです。30分のうち、最初の2項目で20分ほど使うと思います。残りで業績と還元についてお話ししたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

①事業内容

では、まず事業内容です。一言で申し上げると、スライドのとおりです。企業の売上アップを支援するソフトウェアシステムの企画から開発・販売までを一気通貫で自社で行っている会社ということになります。

WEBCAS(ウェブキャス)

「WEBCAS(ウェブキャス)」という製品ブランドの、いくつかのラインナップを持っています。

WEBCASラインナップと当社のビジネスモデル

こちらがラインナップです。

真ん中のところにあるのがお客さまの企業です。企業が持っているお客さま情報をデータベースとしてため込んで、そのデータを使いながらメール配信、最近はLINEやショートメッセージなどのラインナップを揃えています。とにかくメッセージを届けるということです。

また、顧客を増やす、会員を増やすということは企業では必ず行われるため、会員登録の仕組みをつくったり、顧客アンケートをWeb上で行うためのアンケートフォームをつくるシステム、あとは問い合わせに対応するような問い合わせメール、カスタマーサポートの方が問い合わせに対して対応履歴を管理するためのシステムなどというようなものを提供しています。

ひと昔前はこれらをライセンスで販売して、お客さまが構築したデータベース、サーバーにインストールしていただいていたのですが、さすがに時代はもうクラウドです。当社の売上の7割近くはサブスクリプション型で、システムを提供してご利用いただき、総利用料を月額でいただくというモデルが主流になっています。

WEBCASユーザー事例1:ベルーナ様

ユーザーの事例として、どのような使われ方をしているかご説明したいと思います。

こちらは総合通販のベルーナさまです。今、非常に勢いが強く、4、5年前は総合通販業界で5位ぐらいだったのですが、今は2位になりました。ちなみに1位のジュピターショップチャンネルさまも当社のお客さまです。(当社は)通販系にけっこう強いのですが、そのなかで代表事例としてベルーナさまを出しています。

ベルーナさまはECサイトを3ブランドほど立ち上げていて、カタログ通販も当然行われていますが、今はどちらかというとECが中心です。うまく転換されたと思います。この事例ページの左側の写真に写っている方、この方はもともとはカタログの部門にいた方なのですが、EC部門の課長になられて、非常に売上を伸ばして出世頭になっています。

購買履歴やWeb行動を元におすすめする商品を決めております。真ん中に配信しているメールのサンプルを一部出しているのですが、このおすすめ商品を一人ひとり変えているのです。

会員は何百万人といますが、その人たちに向けて、何百万通りのおすすめ商品ラインナップをシステムで自動的に判定して配信しているという会社さまです。

右下に書いてありますが、「WEBCAS」を導入したことによって1通当たりの受注額が1.5倍になったという実績を持っています。まさに売上アップを支援できた事例の1つではないかと思います。

WEBCASユーザー事例2:花王様

2つ目は花王さまです。花王さまも会員サイトで「Kao PLAZA」というサイトを運営しています。普段花王の製品に接するのはスーパーの売場、みたいな方が多いのですが、それだけだと顧客との繋がりが弱くなってしまうという問題意識があり、「Kao PLAZA」というサイトを立ち上げています。

日頃お役立ち情報を配信しながら顧客と繋がり、花王ブランドの維持・向上という活動をしています。(当社は)そのサイトの会員登録のフォームや、けっこう頻繁にアンケートキャンペーンを行っているのでその時のキャンペーンの応募フォーム、アンケートの回答フォームなどを提供しています。

当然キャンペーンのお知らせには当社のメール配信を使っていただき、かつこのアンケートキャンペーンで得たアンケート内容をもとに趣味趣向を判定して、Aという回答をした人にはこのような記事を配信、Bという回答をした人にはこのような記事を配信というように使い分け、日頃メルマガの内容についても工夫されているというお客さまです。

主な導入先

このようなお客さまに使っていただいており、累計で4,000社以上の実績があります。おそらく現在は5,000社を超えていると思います。(集計が)面倒になって出さなくなってしまったのですが、今のところは4,000社以上ということで公表しています。

そのなかでも強い業種がいくつかあります。先ほどベルーナさまのお話をしましたが、インターネット通販は強いと思います。あとは化粧品、アパレル、健康食品、生命保険や損害保険、とくにダイレクト保険と言われるところは非常に強く、シェアも高いかなと思います。

1.会社概要

こちらが当社の概要です。設立は1995年の4月です。1995年というと、Windows95が出た年です。日本中がWindows95にわき、「これからの時代はインターネットだ」となった時代だったと思います。インターネット黎明期ですよね。

当時、当社の創業者は楽器の卸を営んでいたのですが、「これからはインターネットの時代だ」「音楽もインターネットで配信されるようになるぞ」と言って、インターネットビジネスで一発当てるべく立ち上がったというのが当社です。

ただ、(創業者は)技術者ではなかったので、自分でプロダクトがつくれなかったということもあり、最初のうちは事業内容の②に示したウェブサイト及び業務システムの受託の開発を行っていました。当時はホームページ制作代行というサービスが雨後の筍のように出ており、ご多聞に漏れず当社もその分野で創業したというところです。

最初の5年ほどはそれで日銭を稼ぐようにWeb制作の仕事をしていたのですが、Web制作の仕事をするとWebサイトができあがります。そうすると必ずでてくる次のニーズが「Webサイトのアクセス数を増やしたい」というニーズです。

アクセス数を増やすのにはどうしたらよかったかというと、当時はYahoo!に何千万円か広告費を払ってYahoo!のサイトの右上にある大きな広告バナーを買うか、メルマガを配信して「このようなニュースリリースを出しました、見てください」とお知らせをするか、どちらかしかありませんでした。

そうすると、メルマガの配信システムをつくってほしいというオーダーが入るようになり、4、5社にオーダーメイド受託開発でメルマガの配信システムをつくってみたのですが、けっこう共通される要望事項が多く、これはパッケージ化できるのではないかと考え開発を始めたのが「WEBCAS」の第1号です。

2000年にそれをリリースしたのですが、おかげさまでヒットして、2005年にはマザーズに上場できるようになりまして、そこから東証二部、東証一部と上がってきました。

ちなみにマザーズに上がる前はグリーンシートにおりました。グリーンシート、マザーズ、東証二部、東証一部と4つの市場を経験したことがあるのは日本でうちだけじゃないかなと思います。そのような銘柄です。

2 財務の特徴

会社概要の2番目に、財務の特徴について少しご紹介したいと思います。1つ目に、利益率が高いというところがございます。ITプロダクトの会社はだいたい利益率が高いのですが、当社の場合、前期の経常利益率が21.7パーセントでした。全産業平均は5.7パーセントですので、それに比べるとだいぶ高いのかなと思います。

当然と言えば当然なのですが、ソフトウェアは何個つくって何個販売しても原価は基本的に一緒です。そのような意味では原材料費も労務費もほぼかからないということです。

「WEBCAS」の粗利率は平均して70パーセントを超えます。案件によっては90パーセントを取れる案件もあります。それを考えると、これだけの利益率が出せるというのもうなずけるかと思います。

一方で、いいことばっかりではなく、パッケージは先行投資型という点があります。初期開発に費用がかかるため、これが当たらないと先行投資が無駄になるというリスクも抱えているので、必ずしも利益率が高いからすばらしい側面だけではありませんが、1つの特徴としてはあるかなと思います。

ちなみに、2019年3月期は先行投資に失敗して1億6,200万円の特損を出しました。そのようなリスクがあるということも事実ではあります。

2.売上高が安定的に伸びている

2つ目に、売上高が安定的に伸びています。クラウド型のサブスクリプション型ビジネスモデルなので、契約がどんどん積み上がっているという状況です。現状、足元ではだいたい年間で新規の契約数が550件ほど増えます。解約はどうしても発生してしまうので、400件ほど解約が発生して、純増で150件ほど伸びるという構造になっていて、現在それは上昇基調にあります。

それらが積み上がって、現在は1,200以上の契約がございます。これが座布団のように積み上がっていくというビジネスモデルです。

安定的に伸びるということは、逆に言うと昨対比で1.5倍や2倍にはなかなかならないということです。頑張っても120パーセント成長ぐらいだとは思います。飛躍的な伸びができないという欠点もありますし、逆に言うと急激に落ちることもありません。

先ほど申し上げたとおり、毎年150件ほどの純増があるため、なにかあって解約が集中してしまったとしても、いきなり契約数が半分になるなどということは、絶対ないとは言えませんが、あまり考えられないです。

契約数が半分になってしまうとしたら、おそらく当社が情報漏洩事故を起こした時だと思います。こればかりは信用問題なので、もし当社が情報漏洩事故を起こしてしまったら、ものすごい解約が続くのではないかなと思います。

ただ、競合他社で1社、情報漏洩事故を起こした会社があるのですが、そこは思ったほど減らなかったので、同じインパクトだったとしても3割減ぐらいに留まるのではないかとも考えています。起こした内容にもよるとは思いますが。

エイジアの財務指標、他社と比べて、どうなんだろう。。。?

以上は当社が言っている特徴ですので、財務指標を他社と比べてみたいと思います。

『会社四季報』を出している東洋経済新報社さまが毎年1回「新・企業力ランキング」というものを出しています。少しデータが古いのですが、2018年の9月1日時点で上場している一般事業会社3,480社が対象です。

「成長性、収益性、安全性、規模の4つのカテゴリーにおいて、それぞれ3年分の決算数値を相対評価」

どんなランキングを発表しているかということですが、大きく4つのカテゴリーを設けています。成長性、収益性、安全性、規模の4つです。それぞれ3年分の決算数値を相対評価して、AAAからCの5段階にランク付けしています。2万円ぐらいかかるのですが、『CSR企業総覧』というところで発表されています。

AAA、AA、A、B、Cの5段階にランク付け

第三者の目という意味で、ランキングの内容を少しご紹介したいと思います。当社とNTTデータさま、日立さま、ドコモさまと比較をした時にどう見られているかという内容をご紹介したいと思います。

当社以外の三社さまはさすがに安全性と規模がAAAです。ドコモさまは収益性もAAAですね。以上と比較した時に当社は、成長性と収益性のところではAAAの評価をいただいています。安全性がAAです。規模に関してはさすがにまだ年商20億円いかない会社ですので、Cというのは当然のご評価かなと思います。

これの1つ前の時には安全性がAAAでした。まあまあいいご評価をいただいているかなとは思います。

ビル入口 受付

最後にエイジアの横顔をご紹介したいと思います。

社内の様子です。左側が五反田にある本社の入っているビルの1階のエレベーターホールです。4階に上がりますと右側が受付です。

執務室

執務室は写真のような感じです。見ていただいたとおり、パーテーションなどは一切ありません。この写真にはたまたま写っておりませんが、真ん中あたりに社長が座っていて、私と社長の席の距離は近いです。

なにかあると社長のところにすぐ歩いていって「すみません、ちょっといいですか」と話をして、「じゃあそうしておきます」みたいな感じで5分ぐらい話し、物事がスムーズに進むという会社です。それは社長と僕だけではなく、部門間でもそうです。営業、エンジニアなど、全部がそうです。なので、非常に風通しがいいというか、フランクな会社だと思います。

服装

服装も、今日の私を見ていただけばわかるとおりです。ジャケットを着ている分まだいいぐらいですね。左の写真は営業トップの人間なのですが、それでもこの服装です。TPOを考えて当然スーツの時もありますが、けっこうラフです。技術者は右のような感じです。もう本当に自由な服装です。

ヨガ教室

少し社内の雰囲気を知っていただくためにいくつかご紹介します。これは月1回のヨガ教室の様子です。ITの会社なので、デスクに座り続けてPCを操作するため、けっこう肩がこるのです。月1回ですが、ヨガの先生に会社に来ていただいてヨガ教室を開き、いろいろなストレッチを学んでストレスを発散してもらうという、福利厚生の一環です。

クラブ活動①

クラブ活動もあり、フットサルをしています。左の写真はある大会に出た時のもので、右側の前方にいるのが私です。私も月1回フットサルに行って汗を流しています。そしてたまには右側のようにフットサル部で懇親会なども開催し、楽しんでいます。

クラブ活動②

これが当社の代表の美濃です。一応ユニフォームを持っています。背番号は当社の証券コード「2352」で、普通は1~2桁なのですが、無理を言って4桁つけてもらったそうです。

ただ、僕は入社して5年ほど経つのですが、未だに(代表が)フットサルに来たのを見たことはありません(笑)。僕はけっこう参加率が高いほうなのですが、1回も来ていません。

業績が良い時䛿。。。

業績がいい時に限りますが、このように近くのなじみのお寿司屋さんの板前さんに来ていただいています。年に1回ぐらいですが、業績がいい時はこのようにみんなで楽しく過ごしているような会社です。

2.女性が活躍する会社

2つ目の横顔として、女性が活躍する会社という点がございます。これは当社の男女比です。男性が60パーセント、女性が40パーセントです。IT業界は比較的男性が多い業界ではあるのですが、そのなかでも女性が40パーセントというのは非常に女性が多い会社だと言えると思います。

MVP獲得率

さらに、MVPを毎月表彰しています。とくに人数の上限は設けていないのですが、その月に活躍した社員数名を表彰するという制度があります。直近4年間の受賞者の比率を見ると、女性が45パーセントに上がっています。そのような意味では、女性が非常に業績に貢献している会社でもございます。

(男女比率は)自然とこうなったという話なのですが、1つだけ気を付けていることがあって、産休・育休に入った女性が戻ってきやすいようにするという点については社長自らかなり気を遣っています。そのような意味では、女性が働きやすい会社ということも言えるのではないかなと思います。

役員男女比

グループ全体の役員の男女比は半々です。とくに子会社でベビー服のECを営んでいる会社があり、そこは私が社長を務めているのですが、ほかの常勤役員は3人とも女性です。ちなみに、社員も全員女性の会社です。

グループ全体で見ると女性比率がすごく高いと思います。あまり統計を取ったことはありませんが、すごく高いと思います。

3.残業が少ないメリハリのある会社

3つ目に残業が少ない会社だということは言えると思います。前期の1人当たりの月平均の残業時間は12時間です。今期は3月をまだ締めていないのでデータを取っていませんが、たぶん今期は10時間を切るのではないかなと思います。非常に残業が少ない会社だと思います。

私もおそらく40ヶ月連続ぐらい残業していません。決してさぼっているわけではないのですが(笑)。

①市場が伸びる ①

2つ目の章に入りまして、成長戦略を少しお話ししたいと思います。

まず1つ目の成長戦略として、市場が伸びるというのがございます。当社のお客さまは、ECを営んでいるお客さまが非常に多いため、ECの市場が伸びる限り当社のビジネスチャンスは広がっていくということが言えます。

①市場が伸びる ②

このECの市場が、ものすごく有望な市場だということをご説明したいと思います。これは経済産業省が毎年春に発表しているデータですが、BtoC向けのECの市場規模が約18兆円になったというデータです。かつ、EC化率というものがございます。全消費金額のうち、ECでお買い物された率をEC化率という指標で呼んでいまして、これが年々高まっています。

そのような意味で言うと、日本国内の全体の消費自体はシュリンクしていると思うのですが、そのなかでECだけは伸びているということが言えるかと思います。毎年1兆~1.5兆円ぐらい伸びています。

2 強力な自社製品がある

その伸びている市場のなかで競争力のあるプロダクトやソフトウェアを出していければ当然当社も成長していけるということになるのですが、強力な自社製品があるというのが2つ目の成長戦略です。

当社は創業以来、技術力で勝負してきた会社でして、主力のメール配信ソフト「WEBCAS e-mail」は業界最高レベルを誇っています。

主力製品「メール配信システム WEBCAS e-mail」の配信性能

それがわかりやすく出るのは配信性能だと思います。「WEBCAS」には毎時300万通のOne to Oneメールを送れる高速性があります。通常はだいたい30万通ぐらいだと思います。多いものでも100万通ぐらいだと思います。これは海外に行っても同じぐらいの水準なので、そのような意味では、世界的に見ても競争力はあると認識しています。

WEBCAS

メール配信性能の技術について少しご紹介したいと思います。「WEBCAS」のメールを生成するアプリと、メールを配信するサーバーがございます。

そこからどんどんメールが飛んでいきます。みなさまはご自宅でインターネットに接続されていると思うのでわかると思うのですが、プロバイダ契約をしてルーターが設置されると思います。

そのプロバイダが持っているところと、実際にパソコンなりスマートフォンでメーラーを使ってのメールのやり取りを日々されていると思います。こちらのメール配信サーバーから飛んできたメールに対して、それらをブラックリスト的に管理をしている団体が世界的にいくつかあります。

みなさまがスパムですと登録されると、そのブラックリストに登録されます。そうすると、そこに登録されたIPアドレスから飛んできたメールをプロバイダがシャットダウンしたり、メーラーが迷惑メールフォルダに振り分けたり、場合によっては受け付けないということをしたりするわけです。

簡単に言うと、このサーバーにスパムだと判定されないようにする技術があり、それが当社の一番の特徴だと思います。1IPアドレスから、およそ1,000通以上出ていくと怪しいと判断されるため、IP分散という技術を持っています。1回に100万通を送信するときにそのIP分散を行い、いくつかのIPアドレスから配信するような仕組みにしていたりしています。

WEBCAS②

そのようなことが評価を受けております。通販の売上を記した『通販新聞』という専門誌がございまして、毎年ランキングを出しているのですが、そのなかでも化粧品部門、健康食品部門、総合通販部門の各3部門で売上トップ5、計15社のうち、13社が当社のお客さまだという実績を誇っています。

3 AI(人工知能)を活用する①

3番目の成長戦略はAIです。マーケティングの世界にはAIが非常に普及し始めています。代表的なものでABテストというものをご紹介したいと思います。いずれにしても誰がどのような情報をいつ欲しがっているかということをさまざまなデータから考えるのがマーケッターなのです。

例えば、メールを配信する時に一番大事なのがメールの件名です。開封されるかどうかは件名に影響されます。その件名をAパターン、BパターンでテストしてみるというのがABテストというものです。

3 AI(人工知能)を活用する②

Aパターンはあまり開封がよくなくて、Bパターンのほうがよかったとしたら、ほかも全てBパターンで統一してみようということになります。次に商品の写真に関してCパターン、Dパターンをつくってみて、Dパターンのほうがよかったとなると、商品をおすすめする時はDパターンの写真にしようということになり、今度は商品説明に関してEパターン、Fパターンを用意して、というようにテストが続きます。

この手の仕事はやはり人工知能のほうが圧倒的に得意なはずです。なので、人工知能に任せるところは任せましょうという流れが来ています。

3 AI(人工知能)を活用する③

当社も現在3社ほどAIエンジンの会社さまと協業して、いろいろな実証実験を繰り返しています。これからも実証実験を繰り返して、AIを使って売上のさらなる拡大に貢献できるようなシステムを提供できるように進めていきたいと考えています。

AI関連市場の推移

ちなみにこれがAI関連市場の推移です。AIエンジンと、当社のようなAIを使ったソリューションの提供とを市場で見ていくと、当然AIソリューションのほうが非常に大きい市場になると言われています。

①売上・利益の推移(売上高)

3つ目に、業績推移です。

いろいろと開示しているのでそちらを見ていただければと思うのですが、まず売上の推移は10期連続で増収中です。当社の当期の計画では19億5,000万円、もう少しで20億円というところまで来ています。

①売上・利益の推移(営業利益)

営業利益の推移も利益率20パーセント以上で推移しています。2015年3月期だけへこませてしまったのですが、これは理由がございます。当時のリリースを見ていただければとは思うのですが、消費増税の影響で売上の伸びが鈍化した年に人を増やしてしまったので、その影響で人件費の伸びを吸収できなかったという年です。

2 2020年3月期2Qの状況

これは直近に発表している第2四半期の状況です。一言だけ、おかげさまで今のところ順調に来ています。1月31日金曜日に第3四半期の発表をしますので、ぜひ注目していただければと思います。

第2四半期累計売上高の推移

こちらは第2四半期の累計売上の推移です。先ほどの10期連続増収と同じデータを出しているだけなのですが、おかげさまで順調に来ていますということです。

第2四半期累計営業利益の推移

これは第2四半期の営業利益の推移です。

クラウドサービス売上高(2Q累計)の推移

そのなかでも非常に主力なのがクラウドサービスです。こちらも例年2桁成長が続いており、非常に順調に推移しています。

サブスクリプション型売上比率の推移

サブスクの比率も80パーセント以上を維持しています。毎年第4四半期にライセンス販売の比率が高くなるため、第4四半期だけサブスクの比率が少し落ちるというのが例年の傾向なのですが、だいたい8割は維持できています。

3 最近の事業トピックス|資本業務提携

トピックスを2つほどご紹介したいと思います。1つ目は資本業務提携です。ブロックチェーンの技術を活用した会社さまに1億円ほど投資しました。株式会社デジタルアセットマーケッツという会社です。もともとインタートレードさまが設立した会社なのですが、昨年8月に三井物産さまがそこに経営参加しまして、そこからほどなくして当社が11月に1億円を出し、ある金融商品の取引上のプラットフォームをつくろうとしています。

まだ金融庁の認可が取れていない段階なのであまり詳しいことを申し上げることはできませんが、相当おもしろいプラットフォームになるのではないかなと思います。また認可を取ったら発表したいと思います。

3 最近の事業トピックス|AI連携事例「TSIホールディングス」

2つ目はAI関連のお話です。事例が出せました。TSIホールディングスさまです。アパレルではとても有名で、多分トップの会社だと思います。AIエンジンのベンチャーでSENSYという会社がありまして、これはTSIホールディングスさまが出資しているAIベンチャーです。たまたま共通の顧客だったということもあり、AI連携して売上をアップできないかという実証実験を行い、一応最大31パーセントアップできたという実績が残せたので、事例として公表しています。

1①株価の推移

最後に少し還元等について話します。株価の推移はスライドのとおりです。大きく伸ばしてはへこみ、大きく伸ばしてはまたへこみという、ボラティリティの高い状況になっています。

2 配当

配当についてです。今期については配当23円で出しています。経営方針としては配当性向30パーセントという点についてこだわっています。

当然、株主のみなさまからすると30パーセントよりも50パーセントのほうがいいとおっしゃられるかとは思いますが、当社はプロダクトの会社なので、製品開発の開発投資も成長エンジンの1つとして非常に重要な投資になっています。なので、そのへんのバランスを見て、今のところ30パーセントが最適なのではないかなと考えています。

3 株主優待

最後に優待についてです。前期までは100株以上お持ちの株主さまに一律でQUOカード1,000円を配布していましたが、やっぱり少しよくないだろうということになりました。

株を多く持っていただいている株主さまや、それなりに長期で保有していただいている株主さまには、それなりの優待があったほうがいいだろうと思うので、優待利回りを少し意識して設計しました。最近上場された株式会社ウィルズさまのサービスを使って優待を行っています。

最後に当社の証券コード2352を覚えていっていただければと思います。これには覚え方がありまして「兄さん高2」です。2年前だったら私の長男が高2だったのでネタとして結構使えたのですが、まぁでも覚え方としていまも使っています。「兄さん高2」ぜひ覚えていっていただければと思います。

本日はどうもありがとうございました。

坂本慎太郎氏より質問

八木ひとみ氏(以下、八木):藤田さまどうもありがとうございました。ではこのまま質疑応答に移ります。坂本さん、まずどんな点が気になったでしょうか。

坂本慎太郎氏(以下、坂本):そうですね。まず全体としては、「WEBCAS」というメール配信ツールの競争力が非常に高いということと、見ていただいた方はわかると思うのですが、利益率が非常に高いというところが見どころかなと思っています。

今回はご来場のみなさまの質問を中心に受けてほしいという要望をいただいていますので、さっそく質問に入っていきたいと思います。

質疑応答:自己株式の使いみちについて

まずは資本政策とM&Aを含めたお話です。発行済みの8.75パーセントの自己株式は消却するのでしょうか、それとも株式交換で新規事業のM&A等に使うのでしょうかという質問をいただいています。よろしくお願いします。

藤田:はい、わかりました。用途としては2つ考えています。もともと、M&Aをする上で、マザーズ上場して最初の3年に当社の株価が少し下がってすごく大変な時期がありました。

そのころになんとか底値を戻したいということで自己株の取得を行い、取得した自己株式をM&Aのタイミングに交換で使いたいという思いがあり、ずっと残してきています。

もう1つ、当社は2015年から退職金制度を導入し、ESOP信託という、簡単にいうと退職金を現金ではなくて株式で出すという制度を作りました。その積み立てを行うにあたり、運用している信託銀行さまに自己株をお渡しして、それを上手く配分し、ポイント制で積み立てをしているのですが、用途としてはその2つを考えています。

坂本:ありがとうございます。M&Aを考えているという話をいただいたのですが、業種なり、規模感等……毎回言いますがM&Aは出物なのでその時々に検討するものではありますが、このような会社だったら買いたいなど、将来の展望を含めてイメージがあれば教えていただきたいなと思います。よろしくお願いします。

藤田:まず決めていることがありまして、当社の事業領域はマーケティング支援なので、この領域は絶対にはずさないようにM&Aしようと思ってます。

意外に思われるかもしれませんが、ベビー服の子会社をもっていますというお話をしたのですが、これはM&Aで買ってきました。マーケティング領域ではありませんが、これには理由があります。

冒頭にご紹介したとおり、当社のお客さまはECを営まれているお客様が多いです。ECのための売上アップのシステムを提供するために、どのようなニーズがあるか調べるためには、やはり当社がECを運営するのが一番早いのではないかという理由で買ってきた会社です。

そのため、子会社のみんなには悪いのですが、どちらかというと実験台のような位置づけです。以上のような例もありますが、基本的にはマーケティング領域を考えてます。

当社の事業規模は売上20億円ほどなので、資金的な面からすると、最大5億円くらいまでが限界かなと思います。それ以上のねだんになると、よほど条件が良ければ資金調達しますが、それぐらいを目安に考えています。

質疑応答:配当と自社株買い、どちらを優先する?

坂本:ありがとうございます。あとは株主還元についてです。いつもは配当の話が多いのですが、さらに自社株買いを行うことはしませんかという質問がきています。配当と自社株買いどちらを重視されているか、という質問のほうが答えやすいと思いますが、よろしくお願いします。

藤田:はい、わかりました。先ほど申し上げたとおり、配当性向30パーセントが当社の方針でして、いまのところは配当性向を40パーセントに引き上げるという考えは、検討にも至っていない状況です。

自社株買いについては、市場の状況を見て、行ったほうがいいなと思えばそちら側に資金を回すということは可能性としてはございます。当社の足元のキャッシュは約10億円ほどあります。キャッシュフローベースでは毎年2億円以上キャッシュが積みあがる状況です。

なので、そのうち運転資金として3億円は最低限残しておきたいと思ってますので、5億円ぐらいは、M&A、市況によっては自社株買いと柔軟に使い分けながら、使っていきたいと考えています。

質疑応答:メール配信システム多言語化の進捗は?

坂本:ありがとうございます。本業に関する質問にいきたいと思います。メール配信システムの多言語化について四季報の昨年秋号に書いてあり、今期の下期導入ということですが、現状進捗はいかがでしょうか、出足等を含めて教えてくださいという質問です。お願いします。

藤田:3月のリリースを予定しています。もうテストは終わったので、リリースが延びる可能性はほぼない状況という状況です。今期の方針を昨年5月に発表したのですが、そこでは、多言語化によってインバウンド需要を取り込みたいということをご説明しました。

今までは日本語版配信システムから、多言語の配信ができませんでした。インバウンド需要において、配信する側は日本側だと思います。なので日本語版のソフトウェアを使っていると思うのです。

一方で多言語版はもともと持っていましたが、これは管理画面も多言語でした。それを使いながらであれば配信できるにはできたのですが、それでは不便だろうということで、日本語版のソフトウェアからでも多言語で配信できるようにしようと取り組んできたのが今期でした。おかげさまで、計画どおり3月には出せるかなという状況になっています。

坂本:ありがとうございます。

質疑応答:メルマガの需要は今後減っていく?

八木:もう1つご質問ご紹介したいと思います。ECは伸びても、懸念事項がいくつかあるかと思います。メルマガが強みとのことでしたが、メルマガは少し古いというイメージがあります。今後減っていくことはないのでしょうか、という質問をいただいています。いかがでしょうか。

藤田:先ほど話したECの子会社でせっかく実験をさせてもらってるので、いろいろとデータを調べています。いまのところ、売上のもとになっている配信方法について、どの経由で買い物をしていただいているかというデータなど(について調べています)。

まだサイトのSEO対策が強くないため、直接検索で入ってきて買い物していただいているのは2割くらいです。残りの8割のうち、メルマガとLINEとInstagramが3分の1ずつです。意外とメルマガからくるのです。(このサイトにおいて)メルマガの比率が高いかというと、多分まだ低いほうじゃないかなと思います。

メール配信システムの子会社なのにメルマガに関する施策はほぼ行っていないというお恥ずかしい状況でして、まだまだ伸びしろがあると思っています。当社のお客さまのうち、会員が100万人ぐらいいるECのお客さまですと、1回週末セールのお知らせをすると、そのメール1本で売上が約4,000万円ほど取れます。

なので、メールはまだまだ需要があると思います。一方で、LINEとInstagramはよくECに使われているのですが、LINEは1通3円かかります。従量課金制で、配信量が多くなると3円から2.8円に下がるなどということもあるのですが、およそ1通に3円かかるということです。LINEで1,000万人にバーンと配信したらそれだけで3,000万円がかかります。これは払ってられないですね、絶対メールがいいと思います。

八木:ありがとうございます。

坂本:LINEに関する質問がまだきています。12月17日に自社システムと連携した、高度なパーソナライズ配信を行えるAPIを追加されていますが、LINEの料金改定というのが1つの問題です。前回の登壇時もそのような話をいただいたかと思うのですが、現状の状況と、業界におけるLINEの値上がり、価格改定に対する反応と、御社の考え、対策等々を教えていただければなと思います。よろしくお願いします。

藤田:まず、これはLINE社が公式に発表しているメッセージですので引用してもかまわないとは思うのですが、LINEは明確に大量一斉配信はやめてほしいと宣言してます。料金改定を発表をするときに、「大量に配信したらコストがかかる料金にしました」と明確に発言しています。LINEさまなので、これほどあからさまではなく実際にはもう少し丁寧に言っていますが(笑)。

でもそのようなことです。子会社の場合、LINEを大量に配信しているケースにあたりました。9,000人お友達がいるのですが、1日9通出していました。「1日9通はちょっとやりすぎだろう」と思うのですが(笑)。

その配信ボリュームをコストで比較していったらどうなるか試算してみたことがあります。当時はLINE@というアカウントを使っていて月額2万1,600円でお友達10万人までは送り放題というプランでした。

その配信ボリュームを1通3円で計算していくと、月550万円になります。ありえません。まぁ、9通出してるのも異常だとは思うのですが、少しありえないですよね。

これは極端な例だとは思いますが、RIZAPさまのように1日1通送ってらっしゃったようなところからは、1月になって料金改定してからあからさまに一切メッセージがこなくなりました。

そのようなことだと思います。仕事柄、僕はけっこうLINEのアカウントを多くフォローしています。一時期はいろいろなアカウントから1日10通ぐらいメッセージが飛んできていましたが、1月13日の最終的な改定日を境にピタッと止まりました。びっくりするぐらい止まりましたね。いまはもうぜんぜん来ていません。そのため、LINEはなかなか難しいのではないかなと思います。

質問の趣旨に戻ります。何を意図してるかというと、LINE社の意図としては「1to1での配信にしてください」ということです。要するに、必要だと思えば配信し、必要じゃないと思えば配信しないでくれということを言っています。

当たり前のことですが、実はメルマガも同じ時期がありました。一斉配信から1to1に切り替わった時代があります。そのような意味では、マーケティングの手法としては、メルマガのほうがLINEよりも先行していると思います。

LINEを1to1で配信しているアカウントは見たことないです。ヤマト運輸株式会社さまが、「配送します」という配達通知として使っている例は見たことありますが、プロモーション目的はほぼ見たことがありません。ただ、LINEに人が集まっていることは間違いありません。いまは国内でLINEのアカウントを持っている方が7,000万人ぐらいいらっしゃいます。

人が集まるところは絶対にマーケティングのターゲットになります。いまは一斉配信をやめるので静まっていますが、1to1配信で始めようという時は必ずくると思います。その時には1to1で配信できるシステムが選ばれるので、そのような意味では当社も今後チャンスがあるのではということを睨んでいます。

質疑応答:競合サービスや今後の脅威について

坂本:ありがとうございます。一瞬、LINEが定額だったら、メルマガを脅かすサービスになったのかな、と思う時期もありましたが、現在はLINEがこのような状況になっています。現状で脅威に思えるライバルサービスがあれば教えてください。

マーケティングに関してはメルマガがかなり先行しているという話ですが、今後ひょっとしたら脅威になるかもしれない、いまも気にしている、というサービスがあれば知りたいと思います。よろしくお願いします。

藤田:脅威に感じるサービスというと、実はありません。マーケティング手法は使い分けなので、目的によってサービスを選ぶというように、使われ方の問題です。なので、メルマガを使用する会社がウェブ広告を使用しないかというと、絶対に使用します。どちらかというとウェブ広告の方にお金かけています、絶対に。

そのような意味ではウェブ広告、メルマガ、LINE、Instagramも併用されます。問題は使い分けなのです。そのような意味では、メルマガは一番コストが安いため、たくさんの人にアプローチをするときにはおそらくメルマガが使われるようになってくると思います。

メルマガ自体が消えるということは当分はないでしょうし、それにうってかわるサービスが出てくるかといわれると、多分ないと思います。

なぜないかというと、LINEにしてもInstagramにしても、いち民間企業がだしているサービスだということがあります。一方、メールは世界的に共通の規格で行われている技術インフラです。この技術インフラが何かに取って代わるかといわれると、多分変わらないと思います。そのような意味でもあまり脅威に感じていることはありません。

質疑応答:IP分散技術の特許取得について

坂本:ありがとうございます。もうあと1、2問あります。メルマガ配信の技術について、IP分散のお話がありました。僕はあまり詳しくないのですが、特許化されてる技術なのでしょうか。その特許を持っていたらすごく強いと思うのですが。

藤田:特許化はしていません。ただ、技術者としてその技術を身につけたいかといわれると、おそらくそれほど魅力的な技術ではないですね。エンジニアのキャリアとして競争に乗ることはない技術だとは思いますが、メルマガを扱う上では必要な技術ではあるというところですね。

あともう1つ、メールを生成するアプリと配信するサーバーについてご説明したと思います。このメールを生成するアプリについても特許化はしていませんが、同じ機能のアプリケーションでもプログラムの行数が多いと動作に時間がかかります。

要するに、プログラムの世界では行数は少なければ少ないほどいいわけです。そうすると、1時間で300万通のメールを生成するとなればアプリケーション性能そのものが相当高い必要があります。サーバーサイドでメモリーの容量を増やして補うという方法はあるのですが、それだとお金がかかります。

メール生成のアプリケーションの技術を見ても、当社にはエンジニア市場全般からしても技術力の高いエンジニアがいると思います。

質疑応答:AIを使用したビジネスについて

坂本:ありがとうございます。綺麗なソースコードを書いて上手くまわすということですね。あと1問ぐらいいきましょうか。最後にAIの話がありました。

こちらは株式会社インタートレードと三井物産株式会社と協業しているということでした。いまは取引所がらみということで当然いえる話といえない話がありますが、認可されたとして、この技術を使ったビジネスのイメージがあれば(教えてください)。

各社で出資している面もあるので、箱としてなにかに使う部分もあると思いますが、御社の既存ビジネスに活用して使いたいというのであればそのイメージと、そうでないのであれば、考えていることがあれば教えていただくと未来の絵がかけるかと思います。よろしくお願いします。

藤田:まだ具体的にこのようなビジネスに転用したいというイメージは、残念ながらありません。いまは、まず金融庁の認可を受けてデジタルアセットマーケッツさまに事業をスタートしていただきたいというフェーズですので、その応援をしています。

今度は取引所からいろいろ通知する必要が発生しますが、その通知の際にメルマガ、メールを使用される場合は「WEBCAS」を使っていただくということを前提に開発しているところです。

金融取引のプラットフォームとして事業が成功すれば当社も一緒に成功できる、というのが当面の考えです。もう一方で、ブロックチェーンの技術について、当社は何も知見がないため、いい勉強の機会になるとは思っています。

また、情報漏洩事故があると当社にとって命取りなので、セキュリティには相当気を使っているとお話ししました。当然ながら現在は暗号化という対策をとっていますが、この世界はいたちごっこです。

最先端の暗号化の技術といえばブロックチェーンだと思うので、その技術を当社のデータを保護する目的で使える部分があるなら使いたいということは視野に入れています。まだ具体的な検討は入っていません。

坂本:ありがとうございます。

八木:ありがとうございました。ではお時間となりましたので、これにて終了とします。改めまして、今回ご説明いただいたのは、株式会社エイジア経営企画室長藤田雅志さまでした。藤田さま、ありがとうございました。みなさま大きな拍手でお送りください。

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