2020年2月19日に行われた、さくら総合リート投資法人2019年12月期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。
スピーカー:さくら不動産投資顧問株式会社 マネージング・ディレクター ケリー・ミン 氏
2019年12月期決算説明会
ケリー・ミン氏:さくら不動産投資顧問のミンでございます。財務部門を担当しております。私どもが資産運用業務を受託しているさくら総合リート投資法人は、昨年(2019年)12月末に第7期の決算期末を迎えました。本日は、第7期の運用実績をご説明いたします。
第8期および第9期の運用予想につきましては、弊社さくら不動産投資顧問では策定いたしましたが、最終的に投資法人としては現時点では開示しないという決断になりましたので、今回は第7期に行ってまいりました取り組みについてのみご紹介させていただきます。弊社の投資運用部による不断の努力の成果で、予想を上回る運用実績を上げています。
本投資法人、またスポンサー2社の概要につきましては、4~5ページにまとめておりますので、そちらをご覧ください。
ポートフォリオの概要
本投資法人の第7期末保有物件は18物件、鑑定評価額合計は627億円、平均稼働率は98.6パーセントとなりました。
ポートフォリオ投資ガイドライン
7ページの投資ガイドラインにもお示ししたとおり、オフィスと商業施設を中心としたアセットタイプで構成されています。投資エリアは、50パーセント程度を首都圏、その他を地方物件としています。
また、賃貸借契約は、オフィスビルと住宅を中心とした、いわゆる普通借契約が59.4パーセント、商業施設と工場から成るものの契約が40.6パーセントで、中途解約不可の契約残存期間は5.5年と、非常に安定したポートフォリオ構成になっています。
第7期決算
それでは、第7期の決算概要についてご説明いたします。第7期につきましては、昨年(2019年)9月26日に公表ました運用予想実績と比較するかたちでご説明します。
営業収益は、既存18物件が安定的に、かつ高稼働を維持しながら運用できた結果、おおむね予想どおりの結果となりました。営業費用は3,000万円減少しています。主な理由は、募集関連費や原状回復費が予想を下回ったこと等による賃貸事業費用1,800万円の減少です。
第7期には、台風による被害が発生し、保険金収入を1,200万円計上しています。また、特別損失が1,400万円増えていますが、これは主として投資主総会および合併等関連費用の増加によるものです。内訳としては、訴訟による法律事務所報酬で1,200万円、投資主総会検査役の報酬の見積超過で350万円等となっています。
以上により、当期利益は予想を2,900万円上回り、7億400万円となりました。1口当たり分配金は、2,029円の予想額から87円増加の2,116円となりました。
スライド9ページ下段では、第6期と第7期の実績を比較しています。まず、第6期には筑紫野のテナント退去に伴う違約金収入3,500万円が計上されていたこと等の影響で、第7期の営業収益は前期比で1,500万円減少いたしました。
また、第6期には株主総会および合併関連費用を営業費用に計上していたことなどの理由により、第7期の営業費用は前期比で1,200万円減少となりました。さらに、第6期・第7期ともに台風被害による保険金収入を計上していますが、その差額として特別利益が3,600万円減少しています。
特別損失については、第6期の修繕費計上額と、第7期の投資主総会および合併などの関連費用計上の差額として、1億3,100万円の増加となりました。この結果、1口当たり分配金は前期比で544円の減少となりました。
第7期の特殊要因である特別損失の投資総会および合併関連費用を除くと、前期第6期と変わらない安定した好業績であったと言えます。
主なポートフォリオ指標
12ページにお進みください。ポートフォリオの主な指標としてご紹介したい内容を示しております。ポート全体の鑑定評価額は、オフィス現行賃料の増加(前期比4.9パーセント)などにより、2.0パーセントの増加となりました。
ポート全体の稼働率は99.0パーセントと、引き続き高水準を維持できており、含み益は前期比で33.2パーセント増の約50億円となりました。これは、1口当たり1万5,015円に相当します。
セクター別ポートフォリオ分析
セクター別に見ますと、13ページにあるとおり、稼働率はオフィスビルが100パーセント、商業施設が98.4パーセントとなりました。鑑定評価額はオフィスビルおよび住宅で上昇しました。
主な理由としては、営業チームが行った戦略的修繕を、NKビル、成信ビル、高田馬場アクセス、そして麻布アメレックスビルで行った結果だと思います。NOIキャップレートは総じてほぼ横ばいです。
主な財務指標
内部成長につきましては、14ページ以降にまとめています。内部成長、とくにオフィス物件により、純資産価値は前期と比較して3.8パーセント増加しました。
投資口価格は、2019年7月末から1.1パーセント減少して、2020年1月末時点で9万7,600円となりました。P/NAVは2019年7月末から4.0パーセント減少して、2020年1月末時点で0.95です。
内部成長①
オフィスポートフォリオの入退去状況です。オフィスポートフォリオの第7期テナント入替のうち、約60パーセントを占めているNKビルでは、前テナント対比平均26パーセント増額で成約しました。
成信ビル、高田馬場アクセス、麻布アメレックスでは、それぞれ17パーセント、28パーセント、22パーセント増額での成約になり、結果として、第7期全体では24.1パーセント増額で入替に成功しました。
内部成長②
18ページでは、オフィスポートフォリオの賃料ギャップについてご説明いたします。(スライドの)グラフは、物件ごとに、現行賃料・鑑定評価書における賃料・直近にて成約した坪当たりの賃料を比較しました。
オフィスビルの賃貸面積の約60パーセントが、マーケット賃料の同水準、あるいはそれ以下であるため、賃料増額を期待できます。
内部成長③
麻布アメレックスビルでは、空きスペースの活用を行いました。地下駐車場の空きスペースに駐車場を新設し、年間110万円の収入を想定します。
NKビルのリーシング最新状況では、残り1部屋の新規テナントは、前テナント賃料より38.9パーセント増にて制約できました。テナント都合により2020年2末解約となったフロアは、空室期間なし、4.3パーセントアップで成約しました。入替によるテナント数の変化は1から5に増えました。
内部成長④
20ページは商業施設についてです。商業施設では、前期に引き続き安定した収入の獲得と高稼働を維持するために、部分的なコンバージョンを行うほか、空調更新により光熱費削減につなげています。また、各商業施設では、資産運用会社もイベントの企画に関わっています。
内部成長⑤
21ページの住宅に移ります。(スライドの)左のグラフにあるとおり、年々稼働率を上げてきており、安定した収益と稼働率を継続維持して貢献しています。今期はアボーデ代々木パークサイドの退去が多く発生しましたが、他物件が高稼働率を維持したため、ポートフォリオでは稼働率98パーセントという結果となりました。また、他物件については2月末稼働率100パーセントを予定しています。
内部成長⑥
22ページに進みます。上場以降、さまざまな施策により収入増加およびコスト削減を実現させ、NOI向上に貢献しました。第8期も積極的に取り組む予定です。
借入金の概要
24ページにお進みください。借入金の概要をご説明します。今月末に49億円のリファイナンスを行う予定です。弊社としては、通常3年程度の長期借換の交渉を希望するところですが、訴訟などが起きている現状において、そのような交渉は難しいとの判断のもと、再度6ヶ月でのリファイナンスを進めています。これにより、平均ローン期間が1年7ヶ月と短くなりました。
投資主の状況
25ページには、投資主の状況を示しています。(スライドの)左側のグラフで一番下に濃い緑色で示している「個人その他」の投資家の割合は減少しましたが、上から2番目に水色で示している「外国人」の投資家の割合が増えています。
訴訟の状況
2019年8月30日にライオンパートナーズ合同会社が招集した臨時株主総会の決議に対し、ギャラクシー・ジェイリート・ピーティーワイ・リミテッドは、東京地方裁判所にその決議取消訴訟を提起しました。
ギャラクシー・ジェイリート・ピーティーワイ・リミテッドは、ライオンパートナーズ合同会社の臨時株主総会で可決されたすべての決議の取消を求めています。東京地方裁判所による本件決議取消訴訟の判決は、2020年2月27日に予定されています。
他のJリート銘柄との比較
こちらのページでは、本投資法人と、他のJリート銘柄との比較を示しています。本投資法人は、他の総合型リートおよび小規模リートと比較して割安です。
本投資法人のインプライド・キャップレートは、総合型リートに比べて1.4パーセント高い5.2パーセントです。本投資法人は、総合型リートや小規模リート平均に比べ、東京都心5区に立地するポートフォリオの比率が高くなっています。
ポートフォリオサマリー
最後になりますが、賃貸面積および賃料収入をベースとした主要テナントリストを43ページにまとめております。
以上で私のご説明は終了とさせていただきます。ご清聴、ありがとうございました。