サントリー食品インターナショナル、通期は構造改革が奏功し増収増益 高付加価値商品に注力継続

2020年2月13日に行われた、サントリー食品インターナショナル株式会社2020年12月期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。

スピーカー:サントリー食品インターナショナル株式会社 代表取締役社長 齋藤和弘 氏\nサントリー食品インターナショナル株式会社 常務執行役員 三野隆之 氏

2019年度業績ハイライト(IFRS)

齋藤和弘氏:みなさま、あらためまして、ご足労を賜りましてありがとうございます。齋藤でございます。ではさっそく、2019年度の振り返りということで、ご説明いたします。

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2019年はおかげさまで増収増益となり、11⽉に発表した修正予想を売上・利益とも上回ることができました。とくに営業利益は、構造改⾰などの収益⼒回復に⼒を⼊れた結果、⾮経常的要因を除いた既存事業ベースで、為替中⽴で2桁の伸びを達成することができました。2018年の大変厳しかった「稼ぐ⼒」を、ある程度取り戻すことができた1年だったと捉えています。

売上収益は1兆2,994億円となり、前年同期に⽐べて、為替中⽴で2パーセントの増収となりました。

既存事業ベースの営業利益は、先ほど申し上げましたとおり、為替中⽴で10.2パーセントの増の1,171億円となりました。為替込みのレポーティングベースでは8パーセントの増益となっております。⾮経常的な要因も含めて計算した営業利益は、為替中⽴で2パーセント増の1,139億円。レポーティングベースでは0.3パーセント増となっています。

なお、親会社の所有者に帰属する当期利益は、前年に計上した加⼯⾷品事業の売却益が⾮課税だったこともあり、為替中⽴で前年同期⽐で12.3パーセント減の689億円となりました。

11⽉5⽇に発表した修正業績予想に対しては、(スライドの)真ん中の欄でございますが、売上収益は24億円、既存事業ベースでの営業利益は51億円、当期利益は9億円上振れました。期末配当は従来予想どおりの39円とし、年間で78円の配当を予定しています。

中期経営戦略

当社の中期的な経営戦略についてご説明申し上げます。戦略の骨子については、グローバルな飲料業界においてユニークなポジションを確⽴し、2030年売上2兆5,000億円を目指す、という基本的な⽅針は変わりません。引き続き中期的には、売上成⻑以上の利益成⻑を⽬指してまいります。

戦略の柱

そのために、戦略の柱を3つに整理しております。

1つは「First Mover」で、先⼿を取るということです。一番肝要なことで、最先端のイノベーションをどこで発揮するかですが、これはコアブランドだ、一番重要だというのが中期的な柱の1つになります。

イノベーションと言うとどうしても、新しいもの・なかったものにウェイトが行きがちですが、我が社のブランドの歴史を取っても、コアブランドを磨き続け、新しい技術を注入し続けることが第一優先です。そして「トレンドの一歩先をいく新カテゴリーの創造」ということで、新たなカテゴリーないしは付加価値の大きいサブカテゴリーを作ることが、我が社が進めてきたことであります。

「Game Changer」と2番目にありますが、⼟俵を変えることも重要です。Ready To Drink 飲料にとどまらない次世代ビジネスモデルを確立していきたいということが1つです。もう1つは「成長市場にフォーカスしたエリア拡大戦略」とありますが、飲料市場の成長がどういうところで見込めるのか、渇きや暑さ、季節数の少ないあたりにフォーカスしたいということでございます。

それを支える基本思想ということで、「真の現場主義の徹底」とあります。現場主義と言いますと、生産の工場に行く、営業の現場に行くといったことが挙げられますが、それは当然になされるべき現場主義ではあります。我が社の事業の道標は、お客さまの購入と消費の現場であり、我が社でよく言う「現場100回」という言葉が、本当にそこに張りつくわけです。

CEOであろうが、CFOであろうが、セールスでないバックオフィスの人であろうが、何が気づけるかについては平等だと思います。したがって、立場・組織を超えて「現場100回」が、基本思想の一番重要なポイントになります。

また、「組織の壁をとりはらい、真の One Team の実現」とありますが、⼈種・国籍・⾔語といったものを取り去って、全グループの知恵を1つにして立ち向かうことが不可⽋だと考えています。したがって、あるノウハウがあるリージョンで非常によろしいということであれば、そこが先頭になって全世界を引っぱる横串を迅速に刺していかないと、今後は立ち行かなくなるだろうと考え、いろんな改革も進めているところであります。

サステナビリティ経営の推進

ここではあまり詳しくはご説明申し上げませんが、プラスチックに対する対応、CO2エミッション、水育や水源涵養林などのいろんな活動をしていますが、これも非常に重要なポイントであります。バリューチェーン全体での環境経営の推進が、我が社の大きなテーマであることは変わりません。

2020年度業績予想(IFRS)

ここから、2020年度の業績予想をご説明いたします。先ほどご説明申し上げましたが、2019年は「稼ぐ⼒」を取り戻すという意味で、ある程度の成果を上げられた年だったと捉えています。⼀⽅、売上はM&Aなどの要素を除くと、2パーセントを若干下回る伸⻑にとどまりました。

2020年は引き続き構造改⾰に取り組むとともに、売上をしっかりと伸ばしていきたいと考えています。ブランドなどにも投資をしっかり⾏って、対前年で3パーセント増を⽬指します。

売上収益は、数字で申しますと1兆3,380億円、為替中⽴で2.7パーセント増の計画です。レポーティングベースでは3パーセント増となります。

既存事業ベースの営業利益は1,200億円、為替中⽴で1.9パーセント、レポーティングベースでは2.5パーセント増となります。⾮経常的な要因も含めて計算した営業利益は1,170億円、為替中⽴で2パーセント増、レポーティングベースでは2.7パーセント増という計画であります。

親会社の所有者に帰属する当期利益は700億円、為替中⽴で0.8パーセント増、レポーティングベースで1.6パーセント増の計画であります。

なお、配当については、前年と同額の年間78円、配当性向は34パーセントを予定しています。私からの説明は以上になります。ここからは三野から、詳しく説明をさせていただきます。

2019年度実績(IFRS)(セグメント別)

三野隆之氏:あらためまして、三野です。本日はご足労を賜り、誠にありがとうございます。では、私から補⾜説明をいたします。

さっそくでございますが、セグメント別の業績でございます。以降、為替中⽴でご説明申し上げます。

売上は、⽇本と欧州でわずかに前年を下回りましたが、アジアが2桁成⻑になったほか、オセアニア・⽶州も伸⻑いたしました。既存事業ベースのセグメント利益はアジアが牽引し、全社では2桁の増益率となりました。

⽇本 2019年度実績

⽇本からご説明いたします。2019年の市場全体の販売数量は、最需要期である7⽉の悪天候の影響を受け、2パーセントほど減少したと推定されます。そのなかにおいて、当社は販売数量を1.2パーセント減にとどめ、市場を上回ることができました。

売上は、販売数量減の影響を受けたものの、トクホ・機能性の販売トレンドが回復したことに加え、⼤容量ペットボトルの商品の値上げも奏功し、0.6パーセント減の7,043億円となりました。利益は構造改⾰の取り組みを進めることで、1.5パーセントの増益となりました。

中期構造改⾰に関しては、着実に進捗しているものもございますが、まだ道半ばの状況でございます。⾼付加価値・⾼収益モデルの確⽴とSCMの構造⾰新については、すでに成果が出ているものもございますが、今後も継続して取り組んでまいります。

⾃販機ビジネスの改⾰は、売上が市場を上回るなど成果も出てはいますが、構造的に時間のかかる部分もございます。構造改⾰の具体的な取り組みについては、後ほどご説明いたします。

欧州 2019年度実績

欧州でございます。売上は英国が好調に推移したものの、市況悪化の影響を受けたフランス・スペインで苦戦した結果、0.6パーセントの減収となりました。既存事業ベースのセグメント利益は英国の売上増による増益に加え、フランス・スペインにおいてサプライチェーンの改善やマーケティング費⽤の効率化を進めた結果、13.3パーセントの増益となりました。

フランスは、市場が数量ベースで前年を割ったと推定されるなか、当社も「Oasis」が苦戦して3パーセントの減収となりました。ただ、主⼒ブランドに活動を集中してトレンド回復を図った結果、下半期の売上は前年並みまで回復してまいりました。

英国は、引き続き「Lucozade Energy」が伸⻑し、4.3パーセントの増収となりました。スペインでは、業務⽤市場の市況低迷が続くなか、「Schweppes」への活動強化が実を結びつつあります。しかし、3.4パーセントの減収にとどまりました。

アジア 2019年度実績

アジアでございます。飲料事業が引き続き⼤きく伸⻑した結果、売上は11.8パーセントの増収、既存事業ベースのセグメント利益は27.8パーセントの増益となりました。なお、タイ飲料事業を10ヶ月間として、アジア全体を前年で比較しますと、売上は1割弱の増収、既存事業ベースの営業利益は2割強の増益となります。

ベトナム飲料事業については、引き続き主⼒ブランドのエナジードリンク「Sting」や、茶飲料「TEA+」等のコアブランドが⼤きく成⻑し、ポートフォリオの拡充や営業エリアの拡⼤も奏功し、14.6パーセントの増収となりました。

タイでは景気浮揚策も味⽅につけて、⼤幅に伸⻑いたしました。10⽉に実施された砂糖税増税の影響も受けましたが、3月から12⽉の10ヶ月で前年と⽐べましても、2割弱の増収となりました。

健康⾷品事業は、主⼒市場のタイにおいて流通政策を強化した結果、販売トレンドは回復基調にございます。下期は増収に転じ、年間では2.8パーセントの減収となりました。

オセアニア・⽶州 2019年度実績

最後に、オセアニアと⽶州です。オセアニアは、フルコアサントリー社・フレッシュコーヒー事業ともに増収、セグメント利益も3.4パーセントの増益となりました。

⽶州は、ペプシ・ボトリング・ベンチャーズ社は増収増益でございましたが、セグメント全体では、⼀部の事業再編に伴う⼀時コストによってわずかに減益となりました。

2020年度業績予想(IFRS)

2020年12⽉通期の業績予想についてご説明いたします。あらためてになりますが、構造改⾰をしっかり推し進めるとともに、ブランド投資をしっかり⾏い、売上成⻑を果たしていきたいと考えています。

2020年度業績予想(IFRS)(セグメント別)

2020年は、すべてのセグメントで増収増益を計画しています。

⽇本 2020年度業績予想

セグメントごとにご説明いたします。まずは⽇本です。

2020年の飲料総市場は前年並みか微増と推定されるなか、当社は数量ベースで約1パーセント増を計画しています。売上収益は、引き続きトクホ・機能性表⽰⾷品等の⾼単価商品を強化するほか、⼤容量ペットボトル商品の値上げも期⾸においては引き続き貢献することにより、1.2パーセント増を計画しています。

利益は構造改⾰をさらに推し進めることに加え、ブランド投資をしっかり⾏うことで、1パーセント増を⽬指します。

⽇本 中期構造改⾰の具体的な取り組み

構造改⾰の内容についてご説明いたします。こちらもあらためてになりますが、取り組みの3本柱はこれまでご説明してきたとおりでございます。

まず、⾼付加価値・⾼収益モデルの確⽴についてです。「特茶」「伊右衛門プラス コレステロール対策」を中⼼に、トクホ・機能性飲料のマーケティング活動を引き続き強化してまいります。それに加えて、新たな分野での新商品の発売や新サービスの展開を行い、一層の活動強化を図ります。

サプライチェーンの構造⾰新については、昨年の宇治川⼯場に続き、今期は群⾺県の榛名⼯場で新ラインが稼働いたします。新しい⽣産体制のもとでさらなる効率化を図ってまいります。また、テクノロジーの活動包材の軽量化など、さまざまな切り⼝でさらなるコスト削減に取り組みます。

⾃販機は、引き続き最重要テーマとして注⼒いたします。⾃販機チャネルはお客さまとの直接の接点であり、当社にとっては⾮常に重要なチャネルです。⾃販機専⽤商品や⾼収益商品に加え、法⼈向けサービスの提案などを強化して売上増を図るとともに、ルート最適化やテクノロジーの活⽤等、引き続き構造的なコスト増への変⾰にもしっかり取り組んでまいります。時間はかかりますが、腰を据えてしっかりと取り組んでまいります。

欧州 2020年度業績予想

欧州は、2019年下期から続くトレンドの回復の流れを加速させます。コアブランドへの活動集中を軸に、約1パーセントの増収を⽬指します。利益は販売単価の改善やコスト削減を進め、売上成⻑を上回る成⻑を目指します。

欧州 主要国における2020年取り組み

フランスは、回復基調にある「Oasis」ブランドの再活性化に取り組みます。それに加えて「Orangina」も販売強化を徹底し、増収を⽬指します。

英国は、引き続き「Lucozade Energy」のブランドモメンタムを強化するとともに、「Lucozade Sport」の需要喚起をしっかり行ってまいります。「Ribena」は、ジュース市場全体に厳しいなかではございますが、トレンドの改善を図ってまいります。

スペインは、業務⽤チャネルで回復の兆しが見られるようになってまいりました。ただ、まだまだ本格的な回復には時間がかかると思っています。「Schweppes」の改⾰を、⼿を緩めることなく、スピードを上げて実⾏してまいります。

アジア 2020年度業績予想

アジアは飲料事業で引き続き着実な成⻑を狙うとともに、健康⾷品事業ではトレンドの回復の流れを着実なものにしていきたいと思っています。アジアリージョン全体では、引き続き2桁近い増収増益を⽬指してまいります。

アジア 主要国における2020年取り組み

飲料事業においては、アジア全体で引き続き主⼒ブランドへのさらなる強化、サントリーブランド商品のさらなる浸透を図ってまいります。

ベトナムは、「Sting」「TEA+」といったコアブランドの強化、ポートフォリオの拡充に加え、2019年に発売したサントリーブランド「goodmood」もさらなる市場浸透を図り、全体としては増収を⽬指します。

タイの飲料事業は、昨年度の景気浮揚策の反動や、10月に導入されたさらなる砂糖税の増税の影響が想定されますが、ペプシブランドの活動ならびにポートフォリオの拡充を含め、増収を⽬指します。

健康⾷品事業は、回復基調を確実なものにするべく、主⼒の「BRAND'S Essence of Chicken」のブランド強化を進めます。タイのみならず、台湾・ミャンマーへの取り組みや、その他新興国へのチャレンジも引き続き続けてまいります。

オセアニア・⽶州 2020年度業績予想

オセアニアは、フルコアサントリー社においては、主⼒ブランドの「V」をしっかり活性化させ、フレッシュコーヒー事業も主⼒ブランドの強化を進め、増収増益を⽬指します。

⽶州は、ペプシ・ボトリング・ベンチャーズ社について、「Pepsi」「Mountain Dew」という活動を強化するとともに、プリフォームの⾃製化を開始する等、コスト削減の取り組みをいっそう強化し、利益率のさらなる改善を図ってまいります。

私からは、以上でございます。ありがとうございました。

記事提供:ログミーファイナンス

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