東京商工リサーチによれば、2月25日、愛知県内の旅館「冨士見荘」が新型肺炎(COVID-19)拡大による顧客減を理由に破産申請することが明らかになりました。新型コロナウイルスの影響では初の経営破綻です。

中国人を中心とするインバウンド観光関連売上に依存する日本の中小・零細規模の旅館、飲食店、サービス業、あるいは中国のメーカー(含む現地日系)へ部品等を輸出している中小製造業者、中国に現地工場・委託工場を持つ中小製造業者などは、当面、厳しい状況に直面することが懸念されます。

今回は、中小・零細企業の資金調達の観点から、そうした危機をいかに乗り切るか、また、中長期的にはどのような戦略が必要かを考えてみたいと思います。

出血が止まらないようなら、とりあえず輸血を

一般に企業倒産の原因は複合的なものですが、多くの場合、最終的には資金ショートが直接的な原因になります。人間の体で例えるなら、いくつかの病状が最終的に心不全を引き起こして死に至る、といったようなことでしょうか。

そのため、倒産という最悪のシナリオを回避するためには、いかに資金手当しておくかが問題です。

現在、経済産業省ウェブサイトの新型コロナウイルス感染症関連ページに掲載されている通り、資金繰り支援(貸付・保証、予算5,000億円)、補助事業、相談窓口など各種支援策が講じられています。