「小売業には未来がない」と、多くの経済誌などで言われています。

私自身もここ2、3年の流れを見て、そうなることには確信に近いものがありました。AmazonなどのECの台頭に加えて、消費者がモノを欲しがらなくなっている。モノからコトへのシフトは今や常識です。

もしあなたが小売業の経営者なら、この難局をどうしますか? 今回は丸井グループの事例から、生き残りの経営手法を考えます。

丸井グループの変貌

丸井グループは、いつの間にかまるで違う会社に転換していました。かつてはファッション(アパレル)というモノを売り若者の人気を集めていたのですが、今では「貸す」という事業が主体になっています。

具体的には、従来の仕入契約に基づく百貨店型のビジネスモデルから、不動産契約によるSC型・定期借家(定借)型のビジネスモデルに転換しつつあります。

図表1:店舗の状況(定借化による店舗の構造変革が進み、飲食・サービスカテゴリーが拡大)

出所:㈱丸井グループ 2019年3月期 決算説明会資料より抜粋

さらに、店舗ではその場で売るのではないウェブとリアルの融合型に移行してもいます。

その一例が、女性向け靴の体験ストア「ラクチンきれいシューズ Fit Studio」です。ここでは、無料で足の計測、靴選び、試着、靴の調整ができますが、サイズが19.5~27㎝までと幅広く対応していることが特長です。そして、店舗には販売用の靴はなく、店頭のタブレットか顧客のスマホで購入する仕組みです。