つるの剛士の「保育士受験資格なし」は当然? 昭和的すぎる保育士業界の問題点

保育士は思っている以上に専門的、だけど学び直しによって挑戦できる

こうした職人気質の保育業界については佐野さんも「先生は自分に教育者として誇りを持っている。それぞれの哲学が強すぎるがゆえに若い人のことも自分の物差しで測ろうとする傾向が拭えない。しかし、彼らの教育哲学を害してしまうと、施設としては質が高い教育を提供するのが難しくなってしまう」と、その難しさを語ります。新人保育士の教育や離職防止には、その施設ごとの教育哲学の統一や、その哲学の見える化が求められているのでしょう。

筆者も保育園勤務経験があるのでわかりますが、保育士という仕事は私たちが思っている以上に専門的です。子どもの命を預かり、起きていることにその都度対応していく。クリエイティブな想像力や瞬時の判断力、そして体力など様々な能力やスキルが必要です。

先のつるのさんのツイートに対し、「育児経験があるからって、保育士の仕事をなめているのか」という批判もありました。しかし、その後つるのさんは今年4月から保育士資格取得を目指して通信制短大に入学することを発表。専門スキルが求められる大変な保育士ですが、学び直しによる資格取得や他の職業からの転職によって挑戦できることを示す、社会にとって存在感のあるロールモデルとなってくれるかもしれません。

そして都築さんが「保育士のいい情報を発信して、おもしろい仕事なんだと伝えたい」と熱を込めて語っていたように、保育士を増やすためにはメディア側も大きな責任を担っていることを改めて感じました。

秋山 悠紀

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秋山 悠紀

早稲田大学文化構想学部出身。女子高でサッカー部、フリーター、演劇活動、編集プロダクションなどを経て独立。
子育てへの不安から1年半の保育園勤務の後、第一子を出産。
現在、長男を育てながら女性の生き方、子育て、ジェンダー、社会、旅、ドラマ、映画について執筆中。