出光興産、原油価格の下落影響により2Qは減収減益 通期業績予想は軒並み下方修正

2019年11月14日に行われた、出光興産株式会社2020年3月期第2四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。IR資料

スピーカー:出光興産株式会社 代表取締役社長 木藤俊一 氏
出光興産株式会社 取締役 鷺島敏明 氏

原油価格の推移

鷺島敏明氏:みなさまこんばんは、鷺島です。それでは私から、お手元の資料と前に映しているスライドをベースにして、2019年度第2四半期の決算の概要と通期の業績予想の見直しについてご説明します。

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まず2019年度第2四半期の決算についてです。原油価格の推移です。青色の折れ線グラフが2018年度、赤色の折れ線グラフが2019年度です。

見てお分かりの通り、2019年度原油価格は低迷しており、昨年対比ではバレルあたり8ドル90セントの下落になっています。10月以降は60ドルを前提に業績を見直しています。

11月足元までの平均が60ドル99セントとなっておりますので、ほぼほぼ足元並みの業績前提になっています。

円/米$為替レート(TTM)の推移

続きまして、ドル円相場です。上期の平均で108円60銭で、昨年対比では2円弱円高になっています。今回の業績予想の修正の前提は10月以降105円で、足元の実勢と比べると、やや円高方向に見直しているかたちになっています。

総括

総括につきましては、ご覧になっていただければと思います。

(1)概要①

PLの概要をご説明します。上段が原油と為替の前提です。原油は先ほど申し上げた通りです。この中でブレントの原油価格と一般炭の価格については1月から6月の平均となっています。

2018年度の上期の決算は概算になっていますが、第1四半期の決算同様前年は昭和シェル石油を100パーセント連結した前提で概算値を使用しています。比較できるように前年も昭和シェル石油を100パーセント連結して作っています。

売上高は3兆円で、前年対比で見ると4,797億円の減収になりました。原油価格の下落による影響で、5,000億円弱の減収です。

その下の営業利益プラス持分投資損益は487億円で、前年同期比で1,650億円の大幅な減益です。その下、在庫影響はマイナス210億円で、前年は566億円のプラス影響があったため、デルタで申し上げますと776億円の減益要因です。

その下、除く在庫の影響ですが、697億円で、実体ベースでは昨年対比で874億円の減益です。営業利益プラス持分損益の増減明細については、後ほどセグメント別でご説明したいと思います。

経常利益は531億円、その下の特別損益は151億円のプラスサイドです。第1四半期の決算時にも申し上げましたが、統合にともなう段階取得差益が172億円入っているため、前年対比で200億円の改善になっています。

最後の当期利益は前年対比で902億円の減益です。在庫影響を除きますと599億円で前年対比では364億円の悪化です。

(2)セグメント別情報①

営業利益+持分法投資損益の前年対比のセグメント別内訳です。ご覧のとおり、燃料油のところではマイナス55億円、在庫影響を除いても154億円で、前年対比で603億円の悪化です。そのほか、基礎化学品、高機能、資源等で前年対比マイナスになっています。

増減内訳につきまして、次のステップチャートでご説明したいと思います。

(2)セグメント別情報②

1番左が2018年度の第2四半期の1,571億円を始点に、1番右の2019年上期の697億円までのステップチャートです。

まず燃料油は603億円の悪化です。製品のマージンと数量でマイナス420億円、その他統合シナジーでマイナス183億円で、合計603億円です。

マージンは前年対比で、タイムラグ込みですが、リッターあたり約1円90銭悪化しています。この結果として、マイナス331億円となっています。

ちなみに、2018年はプラスのタイムラグがあり、2019年はマイナスのタイムラグがありました。デルタで見ますと、約382億円のタイムラグが中に含まれています。

したがって、タイムラグを除けば実質的にはマージンではプラスでした。販売数量の減はマイナス89億円です。販売数量は前年対比で93.7パーセントで、採算重視の販売を徹底したことで数量は約100万キロ隣、前年対比で下がっている状況です。

続いて、隣のマイナス138億円の内容を申し上げます。プラスサイドとマイナスサイドでかなり大きな数字が入り組んでおり、プラスサイドで申し上げると、統合によるシナジー効果が130億円入っています。

もう1つ、プラスサイドで申し上げますと、2018年に愛知製油所のトラブルがありました。北海道が地震で止まっていたため、その戻りで同程度のプラスが出ています。シナジーと同程度のプラスが出ています。

一方、マイナスサイドですが、西武・富士石油からの仕入分に実は在庫影響のプラス分が入っていますので、剥がれています。これが約100億円あります。

連産品はナフサのスプレッドが潰れているため、こちらによるコスト負担の増で約110億円程度あります。統合にともないのれんの負担が約70億円程度マイナスサイドで効いています。

もう1つ大きいものとして、持分損益のマイナスが160億円あります。主にNSRPの収益の悪化によるものです。以上が燃料油の内訳です。

続きまして、基礎化学品セグメントです。製品マージン他でマイナスの129億円ですが、パラキシレンをはじめ、SMブタジエン等、ほぼ全製品に渡って製品のマージンを縮小しており、この要因でマイナス129億円です。

その右側の数量他です。数量とコスト要因を合わせまして、マイナス12億円です。基礎化学品全体では141億円の減益です。

続きまして、高機能材のセグメントです。マイナス45億円です。こちらは主に中国の景気減速にともなうポリカーボネートの市況下落がメインの理由でマイナス45億円です。

電子材料部門もここに入っていますが、こちらはスマートフォン需要の減退影響から、市場の環境が非常に厳しいものがございまして、収益はほぼ前年並みに留まっています。

続きまして、電力再生エネルギーのセクターです。プラマイゼロですが、ES事業は平均単価は下落したものの、コストの削減がその影響を若干上回っておりまして、収益は前年から12億円改善しています。

一方で電力事業ですが、統合にともなうのれんの償却負担、京浜バイオマスの発電所が火災で停止しておりまして、この影響があります。

こちらのマイナス影響を、水江発電所の小売電源化や販売増等で若干取り返していますが、全部は取り返すことができずに電力販売でマイナス12億円、ES事業でプラス12億円、合わせてプラマイゼロの状況です。

続きまして、石油開発セグメントです。価格・数量でマイナス72億円です。数量要因がマイナス43億円あります。北海の自然減による減退と、スノーレ原油の一部トラブル等がございまして、生産数量が約140万バレルほど減っています。

この要因によりマイナス43億円となりました。価格は前年対比で約4ドル50セントほど価格が下がっているため、この要因でマイナス29億円となり、合わせまして、数量・価格要因でマイナス72億円です。

隣の炭鉱為替についてはプラス12億円ですが、炭鉱日の時期ズレ、あるいは為替の要因を合わせまして、プラス12億円です。

続きまして、石炭です。合計でマイナスの48億円となり、そのうち価格の要因がマイナス35億円です。石炭市況はご承知の通り前年対比では大きく下落しており、こちらの要因でマイナス35億円です。

数量他の中には数量と為替の要因が入っています。数量は昨年タラウォンガのエクイティを売却していますので、生産減の影響があります。これと為替の要因を合わせまして、マイナス13億円です。

「その他」が21億円ございまして、2019年度の第2四半期は697億円の持分プラス営業利益です。

(1)概要②

続きまして、2019年度の業績予想につきましてご説明します。

原油と為替の前提につきましては上に書いた通りですが、1番右の10月以降の前提でドバイ原油は60ドル、ブレントは61ドル50セントといった前提を使って作ったものです。

売上高が6兆1,000億円で、2019年5月に公表したものに対して6,900億円の減収です。営業利益プラス持分法投資損益は1,400億円で前回対比で800億円の減益です。

在庫影響は原油価格の前提を下げていること、やや円高方向に為替を見直していることから、第2四半期に比べて約70億円の在庫影響でマイナス分が増え、280億円のマイナス要因になっています。

除く在庫影響での営業利益プラス持分損益は1,680億円、520億円の悪化です。

当期利益が1,000億円で600億円の悪化です。在庫影響を除きますと当期純利益は1,200億円で、50パーセント還元のベースとなる数字です。1,200億円でございまして、前回公表対比で見ますと400億円の悪化です。

(2)セグメント別情報③

次に営業利益プラス持分利益につきまして、セグメント別に見ていただきたいと思います。

燃料油以下、資源まですべての部門で前回公表対比マイナス状況です。

(2)セグメント別情報④

この増減明細につきまして、次のステップチャートをベースにご説明します。

5月15日の公表が2,200億円でした。今回の見通しが1,680億円で、このような状況になっています。

まず燃料油です。マイナス190億円です。製品のマージンと数量でプラス133億円です。製品のマージンはかなり堅調な国内市況に支えられておりまして、前回公表対比で見まして約1円弱マージンを改善すると見込んでおります。これによる影響でプラス201億円あります。

一方、数量ですが、採算販売の拡大によりまして、国内販売を少し下方に見直しておりまして、これによる影響がマイナス68億円あります。合わせましてプラス133億円です。

その隣の持分法損益他のマイナス323億円は、まずレンサンピンによるコスト負担の増を先ほど申し上げましたが、やはりナフサのスプレッドが潰れていることもございまして、この分と消費税のポイント還元によるコストも合わせまして、マイナス79億円です。

残り244億円は、持分で繋いでいる会社の収益悪化です。主にNSRPのマイナスです。

続きまして、基礎化学品の分野です。マイナス5億円ですが、こちらは製品のマージン他でマイナス42億円です。パラキシレン、スチレンモノマー等の化成品マージンが縮小していることで、マイナス42億円です。

一方、ナフサが下落しておりますので、この分は収益にとってはプラスでございまして、他に自家燃コストもナフサが下がっていることによってプラスサイドにきております。こちらがプラスの37億円で合計してマイナスの5億円です。

続きまして、高機能材セグメントです。マイナス80億円ですが、1つはポリカーボネートのスプレッドが潰れていることが大きな要因です。

もう1つは、電子材料部門です。やはりスマートフォン市場の成長鈍化があり、当初見込んでいたとおりの収益が出てこないということで、電子材料部門とポリカーの2つでマイナス80億円です。

続きまして、電力再生可能エネルギーのセグメントです。マイナス60億円です。先ほど申し上げたように、4月に発生した京浜バイオマス発電所の火災による稼働の減で、マーケットから電力を売らないといけないためコスト増となりました。

それから、消化のために燃料として保存しておりました木質ペレット。廃棄処分しなければならないのですが、これによる廃棄コストがメインの理由でマイナス60億円です。

続きまして、石油開発のセグメントです。数量価格でマイナス107億円ですが、大きいのは価格要因です。前回ブレンド価格72ドルでみておりましたが、今回63ドル40セントで9ドル弱下方修正しております。この影響でマイナス85億円です。

数量は生産量がスノーレ油田でのトラブルによりまして、見込みよりも約37万バレル減少するということで、数量要因やマイナスの22億円あります。合わせまして107億円の減益です。

単行費は、試掘スケジュールの変更等がございまして、プラス37億円です。石油開発を合わせましてマイナス70億円です。

石炭セグメントはマイナス120億円です。主な理由は価格のマイナス112億円です。こちらも石炭価格の下落による影響によりまして、価格要員でマイナス122億円あります。

数量は若干豪州の石炭生産が減っておりまして、この要因でマイナス8億円です。

株主還元

最後になりますが、株主還元のお話をさせていただきます。

2019年度から2021年度における考え方で、在庫除きの当期純利益の50パーセントを総還元するということで、配当は上期80円下期80円の160円を予定しています。

配当で約480億円支払うことになります。在庫除きの当期純利益1,200億円あるため、その半分の600億円、配当の実績、配当の見込み480億円を引いた120億円を今回自己株取得するということで、決議させていただきました。

今回取得する自己株式については、全株式を消却する予定です。

簡単ではございますが、私からの説明は以上とさせていただきます。

記事提供:ログミーファイナンス

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