西武HD、上期はホテル業での収益向上等で増収増益に 台風の影響等を踏まえ、通期予想は変更なし

2019年11月7日に行われた、株式会社西武ホールディングス2020年3月期第2四半期の内容を書き起こしでお届けします。IR資料

スピーカー:株式会社西武ホールディングス 代表取締役社長 後藤高志 氏
株式会社西武ホールディングス 取締役常務執行役員 高橋薫 氏

2020年3月期 第2四半期 決算実績

後藤高志氏:2ページをご覧ください。2020年3月期第2四半期決算の実績です。まず営業収益は2,946億円となり、6期連続の増収です。

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要因としては、ホテル業において宿泊部門・食堂部門の収益が向上したこと、分譲マンション「アンヴィーネ 保谷」の引渡しがあったこと、鉄道の旅客運輸収入が増加したこと、埼玉西武ライオンズの観客動員数が増加したことに加え、ハワイ事業におけるホテルの収益向上などにより、前年同期比で114億円の増収となりました。

各利益は、増収による増益により、営業利益は前年同期比で17億円の増益、経常利益は前年同期比で12億円の増益、親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期比で21億円の増益となりました。

セグメント別営業収益

セグメント別の営業収益です。まず、都市交通・沿線事業は、鉄道業において、メットライフドームでのコンサート開催数の増加、特急等の料金収入の増加、ムーミンバレーパークの開業などにより、定期外の旅客運輸収入が増加したこと、あるいは消費税率引き上げに伴う定期券の先買い需要があったことなどにより、18億円の増収となりました。

ホテル・レジャー事業では、大型連休の行楽需要を取り込み、ホテル業のRevPARの上昇、食堂部門の客数の増加、前期に事業取得したロンドンのABホテルズLtdの収益寄与、プリンスバケーションクラブの開業などにより、34億円の増収となりました。

不動産事業では、分譲マンション「アンヴィーネ 保谷」の引渡しや、ダイヤゲート池袋の開業などにより、22億円の増収となりました。

そのほか、建設事業では18億円の増収、ハワイ事業では15億円の増収、その他事業では16億円の増収となっており、その主な要因については、(スライドに)記載のとおりです。

本年(2019年)5月に発表した業績予想との比較においては、連結全体で予想からプラス1億円となりました。建設事業や西武ライオンズを含むその他事業などは上振れた一方、都市交通・沿線事業およびホテル・レジャー事業が天候不順の影響を受けたことや、ホテル業の外国人客の室料収入が計画を下回ったことなどにより、下振れ要因がございました。

セグメント別営業利益・償却前営業利益

セグメント別の営業利益についてです。都市交通・沿線事業は、鉄道業における人件費、修繕費や一般管理費が増加いたしましたが、増収により(前年同期比で)5億円の増益となりました。ホテル・レジャー事業は、増収による増益がございましたが、本社移転等に伴い販管費が増加したことなどにより、(前年同期比で)7億円減益となりました。

不動産事業では、増収による増益がございましたが、ダイヤゲート池袋の減価償却費の計上などにより、減益となりました。それ以外のセグメントについては、それぞれ増収による増益となりました。

業績予想との比較においては、不動産事業や建設事業、その他事業における営業収益の上振れや、都市交通・沿線事業における費用の下振れなどにより、営業利益は連結全体で36億円の上振れとなりました。

都市交通・沿線事業 鉄道業の運輸成績

鉄道業の運輸成績です。(スライドの表の)青色の網かけの2段目、旅客運輸収入については、前年同期比で定期がプラス2.7パーセント、定期外がプラス3.2パーセントとなりました。主な要因については、(スライドに)記載のとおりです。

ホテル・レジャー事業 営業指標の推移

ホテル業の営業指標です。宿泊部門全体では、RevPARは市場の伸びを大きく上回り、前年同期比でプラス4.2パーセントの1万3,104円、平均販売室料はプラス1.5パーセントの1万6,293円、客室稼働率はプラス2.1ポイントの80.4パーセントとなりました。

マーケットチェンジ等に積極的に取り組んだことの成果が出ていること、あるいは大型連休の行楽需要を着実に取り組んだことにより、RevPARは向上しました。

ホテル・レジャー事業 インバウンドの動向 (宿泊客数・室料収入)

インバウンドの状況です。(スライドの)表にあるように、外国人宿泊客数は前年同期で2.3パーセントの減少となりました。とくに台湾と韓国からの宿泊客が減少しました。スライドの株の棒グラフの緑色の部分が示すように、韓国はそもそも5パーセント程度の低いウエイトですので、さほど大きな影響とはなっておりません。

一方、外国人室料収入は前年同期比でプラス4.7パーセントとなりました。北米あるいは欧州などの平均販売室料の高い地域からの宿泊客が引き続き増え、マーケットチェンジが順調に進んでおります。

ホテル・レジャー事業 MICEの状況

MICEの状況についてです。MICEは引き続き増加していますが、一部の業界においてミーティング需要の減少も見られ、伸び率は鈍化しています。

2020年3月期通期 連結業績予想(期初予想から変更はありません)

通期の連結業績予想です。通期の業績予想の修正は行いませんでした。その主な理由として2点ございます。

1点目は、まずハワイ事業です。ホテル事業は、西武ホールディングスが設立以来、初めて営業利益を計上できる見通しになっており順調ですが、不動産売却は、交渉中ではあるものの、今期中の実施が未確定な状況です。

2点目の理由は、台風19号により、ホテル業でのキャンセル、鉄道・バスの運休等のマイナス影響が出ておりますし、箱根・軽井沢・万座などの一部ホテルやゴルフ場などでは土砂流入・浸水などの被害があり、営業休止の影響あるいは復旧費用の発生が今後予想されます。現時点では、それらの影響は未確定です。

主に以上の2点を考慮して、通期の業績予想修正は行っておりません。決算についてのご説明は以上です。

【マーケティング機能の強化:SEIBU PRINCE CLUB】 顧客基盤の現状

高橋薫氏:私から本日お話しする内容は、顧客基盤づくりを中心としたマーケティング機能の強化、デジタル経営の推進、新たな事業分野領域の拡大の3点についての取り組み内容です。これらは、長期的な成長基盤づくりに向けた取り組みとして、現行の中期経営計画において重点課題およびトピックとして掲げているテーマです。

1点目のテーマは、マーケティング機能の強化です。西武グループの共通会員組織であるSEIBU PRINCE CLUBの取り組みについて、会員数は2019年9月末時点で約106万人と、100万人を超す会員数に成長し、当社グループ施設での利用金額も630億円規模と、着実に成長しています。

【マーケティング機能の強化:SEIBU PRINCE CLUB】 顧客基盤の現状

3ページは、SEIBU PRINCE CLUB以外の会員組織も含めた現状です。SEIBU PRINCE CLUBのうち、ホテルの上級ステータスであるプリンスステータスサービスのゴールド・プラチナ会員として約15万人。また、西武鉄道沿線にお住まいの会員として約31万人を有しており、主要な事業において個人顧客の獲得が進んでいます。

さらに、それ以外のサービスや海外においても会員組織を有しており、お客さまとの接点づくりを行っています。

【マーケティング機能の強化:SEIBU PRINCE CLUB】 マーケティングにおける課題

SEIBU PRINCE CLUBの今後の活用に向けて、それぞれのサービスを利用していただいている会員に向けた販売促進やPRだけでなく、グループのほかのサービスの利用を促していきたいと考えています。

【マーケティング機能の強化:SEIBU PRINCE CLUB】 顧客基盤の強化に向けて

5ページのデータは、SEIBU PRINCE CLUBの会員としての利用が1社のサービスだけであった場合と、複数利用していただいた場合の会員の継続率を比較したものです。

複数の会社サービスを利用していただくほど、会員の継続率が上昇する傾向にあることがお分かりになると思います。

【マーケティング機能の強化:SEIBU PRINCE CLUB】 顧客基盤の強化に向けて

今後は、SEIBU PRINCE CLUBを共通の顧客基盤として、個別のサービスを利用するお客さまを各社が増やしていく取り組みに加え、グループの複数の事業・サービスを利用するお客さまを増やし、西武グループとしてのシナジーをさらに発揮してまいります。

【マーケティング機能の強化:SEIBU PRINCE CLUB】 顧客基盤の強化に向けて

顧客基盤の強化に向けた具体的な取り組みとして、次のような取り組みを検討しています。

1点目に、アプリなどのモバイル対応やカードレス化による利便性の向上。2点目に、お客さま一人ひとりの利用状況に合わせて、プランやサービスのご提案を行うマーケティング推進。3点目に、将来的なMaaSの展開を見据え、西武線アプリなど既存の各事業のサービスやアプリなどとの連携。

こうした取り組みを通じて、SEIBU PRINCE CLUB会員の増加と複数のサービスを利用する会員の増加を図り、売上利益の基盤拡大につなげていきたいと考えています。

【マーケティング機能の強化】 ホテル業における顧客基盤の拡大

ホテル業においては、海外でのホテル運営、会員制ホテル事業、次世代型の宿泊特化型ホテルなどの新規の取り組みを通じて、新たな顧客層を獲得し、既存のホテルの顧客基盤の強化、収益性の向上にもつなげてまいります。

【マーケティング機能の強化】 ホテル業における顧客基盤の拡大

足元の進捗として、海外でホテルを運営するStayWellでは、(2019年)9月にThe Prince Akatoki Londonを開業し、新たな顧客層の獲得を始めています。また、国内のプリンスホテルと海外のStayWellが運営するホテルの相互送客についても、順次取り組みを開始しています。

会員制ホテル事業のプリンスバケーションクラブは、当初の見込みより遅れが生じているものの、販売が進んでおり、国内富裕層の獲得は着実に進んでいます。

【デジタル経営の推進】 デジタルマーケティング

次に、2点目のデジタルを活用した経営についてです。先ほどご説明した顧客基盤の拡大と同時に、蓄積したデータを活用し、よりお客さま一人ひとりに合わせたマーケティング活用をグループ全体で展開していきたいと考えています。

11ページの図は、活用イメージの一例です。ホテル業においては、こうしたデジタルマーケティングをすでに開始しており、グループ全体においても同様の展開を検討してまいります。

【デジタル経営の推進】 プリンスホテルにおけるホテルシステムの活用

ホテル業においては、ホテルシステムの刷新が2019年2月に完了し、各事業所にて稼働を開始いたしました。これにより、顧客データが一元的に管理できるようになり、お客さまに合わせたサービスを効率的に提供できるようになりました。

システムを活用したサービスの提供により、お客さま満足度のさらなる向上や、リピーターの増加を図り、収益性の向上につなげていきたいと考えています。

【デジタル経営の推進】 プリンスホテルにおけるホテルシステムの活用

ホテルシステムの導入に伴って付加された機能の一例を紹介いたします。

朝食利用時に、これまで紙で発行していたクーポン券を、情報としてルームキーに内蔵する方針に切り替えたことにより、お客さまの利便性向上や、クーポン券の不正利用のリスク低下につながっただけでなく、フロントやレストランにおける発券作業や集計作業が大幅に短縮され、業務効率の向上にもつながっています。今後も、デジタル活用による業務効率化を進めてまいります。

【新たな事業分野・領域への拡大】 西武ラボの取り組み

最後に3点目として、新たな事業分野・領域への拡大についてです。新規事業開発を担当する西武ラボの取り組みを紹介いたします。

西武グループが保有するリゾートエリアを活用した取り組みとして、2017年に実施したオープンイノベーションプログラムで採択した企業との協業により、ヘリコプターを活用した次世代交通ビジネスの創出について実証実験を実施しています。

2019年夏に箱根と伊豆下田、秋に軽井沢で実証実験を行いました。実証実験の結果を踏まえ、事業可能性を見極めています。

【新たな事業分野・領域への拡大】 西武ラボの取り組み

また、昨年(2018年)より、社会課題をビジネスチャンスと捉えてテーマを設定した新規事業創出プログラム「SWING」を実施しています。

1回目のプログラムでは、多数の応募から10個のアイデアを選出し、事業化に向けた検討を開始しています。このプログラムには、グループ内からもアイデア応募やイベントへの参加が多数あるなど、グループ内部の活性化にも寄与しています。2回目のプログラムについても実施を発表しており、今後も継続的に実施してまいります。

今回ご説明した内容は、セグメントごとの成長戦略とともに、西武グループの経営計画において重点課題と位置付けて取り組んでいるものです。これらの課題に取り組んでいることで、西武グループ全体の長期的な成長を目指してまいります。私からの説明は以上です。

記事提供:ログミーファイナンス

参考記事

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