これこそが一社が単独で頑張るだけでは立ちいかなくなった背景です。つまり、いかに早く、価値あるサービスを作り上げ、その仲間を増やしていけるかということが肝なのです。

「協業」と「共創」の違い

複数の主体がかかわるビジネスの形態には、業務提携、アライアンス、パートナーシップ、協業といった似たような言葉がたくさんあります。では、協業と共創は何が違うのでしょうか?

調べてみると、協業とは、利益を分け合うことを主眼とした関係です。一方、共創とは、当事者それぞれにとっての「共通善」というような大きな目的に向かい、異質な才能が集まり知恵を出し合うこと。

つまりお互いが「こうすれば一番いい」とわかっていて、自分だけではなし得ないことを共通目標にすることから始まります。

以下に3つ、これから増えていくであろう共創モデルのタイプを挙げます。

お客様と作る共創

サービス提供者が顧客と一緒になって新しい価値を作るタイプです。先ほどのMEZONは、顧客である美容院とともに美容院にとっての最適なモデルを模索し、どんなサービスで、いくらなら利用者に受け入れられるかをひたすら追求して生まれたもの。まさにこのタイプですね。

みんなで作る共創

同じテーマを共有して、多くの方々や企業がコンソーシアムのような形で議論したり知恵を出し合うことで作り上げていくタイプです。このタイプはそれぞれの役割を見出して自律的に運営するので、まとめるのが難しい部分があります。

今や自動車業界のみならず、あらゆる業種が参加してMaaSが成立する社会の実現を目的としたコンソーシアムを形成しているMONETなどはまさにこのタイプですね。