2019年11月14日に行われた、リンテック株式会社2020年3月期第2四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。IR資料

スピーカー:リンテック株式会社 代表取締役社長 社長執行役員 西尾弘之 氏

2020年3月期第2四半期 連結業績の概要①

西尾弘之氏:リンテック社長の西尾でございます。本日は大変お忙しいなかお集まりいただき、厚く御礼申し上げます。

当社は2020年11月8日に、2020年3月期第2四半期決算発表と同時に、通期連結業績予想の修正を行いました。その概要につきまして、改めてご説明します。

まず、2020年3月期第2四半期累計の連結業績です。売上高は、前年同期比63億2,300万円減、5.1パーセントダウンの1,187億6,500万円。営業利益は28億7,700万円減、29.3パーセントダウンの69億4,800万円となりました。

経常利益は36億1,600万円減、35.8パーセントダウンの64億9,000万円。親会社株主に帰属する四半期純利益は26億2,600万円減、36.6パーセントダウンの45億4,200万円となりました。

2020年3月期第2四半期 連結業績の概要②

リンテック単体と、連結子会社の業績についてご説明します。売上高は単体が前年同期比74億3,900万円減、8.7パーセントダウンの781億8,700万円。連結子会社が29億1,500万円減、4.7パーセントダウンの595億500万円となりました。

営業利益は、単体が前年同期比13億9,600万円減、26.8パーセントダウンの38億700万円。連結子会社が13億4,000万円減、30.3パーセントダウンの30億7,700万円となりました。

2020年3月期第2四半期 連結業績の概要③

その内容ですが、売上高は単体においては、印刷・情報材事業部門、洋紙事業部門は僅かに前年同期を上回ったものの、その他の事業部門は低調に推移いたしました。

連結子会社では、マディコ、リンテックコリアが好調であったものの、アドバンストマテリアルズ事業部門の販売子会社を中心に、総じて低調に推移いたしました。

営業利益につきましては、単体では主な増益要因として、石化原材料や燃料価格は上昇したものの、パルプ価格が下落したことにより、原燃料価格で約2億円のプラス効果がありました。

一方、主な減益要因としては、販売数量の減少などにより、約19億円のマイナス影響がありました。

連結子会社では、マディコ、リンテックコリアは増収効果により増益となりましたが、その他の連結子会社は販売数量の減少などにより、総じて減益となりました。

2020年3月期第2四半期 印刷材・産業工材関連の概要①

第2四半期累計の業績について、セグメント別にご説明します。印刷材・産業工材関連です。

印刷・情報材事業部門の売上高は、前年同期比11億6,600万円増、2.7パーセントアップの439億900万円。産業工材事業部門は前年同期並みの173億8,300万円となりました。

このセグメントの売上高は、前年同期比11億6,700万円増、1.9パーセントアップの612億9,200万円。営業利益は13億3,700万円減、63.4パーセントダウンの7億7,000万円となりました。

2020年3月期第2四半期 印刷材・産業工材関連の概要②

事業部門別売上高の概要をご説明します。

印刷・情報材事業部門では、シール、ラベル用粘着製品は、国内では宅配・通販関連が堅調であったものの、食品関連や、飲料用キャンペーンラベル、化粧品などのアイキャッチラベルが低調に推移いたしました。

海外では、中国で米中貿易摩擦の影響を受けましたが、ASEAN地域が堅調に推移しました。

産業工材事業部門につきましては、ウインドーフィルムは国内外ともに堅調に推移しましたが、二輪を含む自動車用粘着製品がインド市場低迷の影響を受け、低調に推移いたしました。

2020年3月期第2四半期 電子・光学関連の概要①

電子・光学関連についてご説明します。

アドバンストマテリアルズ事業部門の売上高は、前年同期比46億7,800万円減、18.2パーセントダウンの210億700万円。オプティカル材事業部門は21億2,000万円減、10.6パーセントダウンの178億8,800万円となりました。

このセグメントの売上高は、前年同期比67億9,900万円減、14.9パーセントダウンの388億9,600万円。営業利益は14億9,200万円減、24.8パーセントダウンの45億3,400万円となりました。

2020年3月期第2四半期 電子・光学関連の概要②

事業部門別売上高の概要です。アドバンストマテリアルズ事業部門では、半導体関連粘着テープは市場低迷の影響を受け減少しました。

半導体関連装置は設備投資抑制の影響を受け、大幅な減少となりました。また積層セラミックコンデンサ関連テープについても、自動車用、スマートフォン用ともに、市場の生産調整の影響を受け、大幅な減少となりました。

オプティカル材事業部門につきましては、光学ディスプレイ関連粘着製品は、大型テレビ用は堅調であったものの、スマートフォン用などの中小型向けが、需要低迷の影響を受け、低調に推移いたしました。

2020年3月期第2四半期 洋紙・加工材関連の概要①

洋紙・加工材関連についてご説明します。洋紙事業部門の売上高は、前年同期比3億3,500万円増、4.1パーセントアップの85億600万円。加工材事業部門は10億2,700万円減、9.3パーセントダウンの100億7,000万円となりました。

このセグメントの売上高は前年同期比6億9,100万円減、3.6パーセントダウンの185億7,600万円。営業利益は3,900万円減、2.4パーセントダウンの15億8,800万円となりました。

2020年3月期第2四半期 洋紙・加工材関連の概要②

事業部門別売上高の概要をご説明します。洋紙事業部門につきましては、隠ぺい性を付与した封筒用紙が堅調に推移したほか、建材用紙やファストフード向けの対油耐水紙などが、順調に推移いたしました。

加工材事業部門につきましては、電子材料用剥離紙は堅調であったものの、一般粘着製品用剥離紙や、光学関連製品用剥離フィルムが低調に推移いたしました。

2020年3月期通期 連結業績予想①

通期の連結業績予想についてご説明します。

2020年3月期第2四半期連結累計期間の業績は、米中貿易摩擦の長期化などによる世界経済減速の影響を大きく受け、低調に推移しました。2020年3月期第3四半期以降につきましても、引き続き厳しい経営環境が継続するものと予想されます。

このような状況下、通期の連結業績は、電子・光学関連製品はメーカーの生産調整や、設備投資抑制などにより、低調に推移する見込みであることなどから、2019年5月9日に公表いたしました、2020年3月期の通期連結業績予想を修正いたしました。

売上高は当初予想の2,600億円から230億円減額の2370億円。営業利益は190億円から、55億円減額の135億円。経常利益は185億円から60億円減額の125億円。親会社株主に帰属する当期純利益は、135億円から45億円減額の90億円といたしました。

なお、通期の平均為替レートの想定は、スライドに記載のとおりでございます。

2020年3月期通期 連結業績予想②

事業部門別売上見通しです。

印刷・情報材事業部門は、単体において食品関連や、飲料用キャンペーンラベルなどが低調であることに加え、中国では米中貿易摩擦の影響を受けるなど、引き続き厳しい事業環境が続くと見ており、当初予想の919億円から40億円減額の879億円といたしました。

産業工材事業部門につきましては、マディコは堅調に推移すると見込んでいるものの、インド市場を中心に、二輪を含む自動車用粘着製品が、当初予想を下回ると見ており、369億円から16億円減額の353億円といたしました。

アドバンストマテリアルズ事業部門につきましては、半導体関連粘着テープは回復基調にあるものの、半導体関連装置がメーカーの設備投資抑制などの影響を大きく受け、また積層セラミックコンデンサ関連テープについても、メーカーの生産調整の影響を受け、当初予想を下回ると見ており、528億円から85億円減額の443億円といたしました。

オプティカル材事業部門につきましては、上期は堅調であった大型テレビ用が、下期に入り需要低迷の影響を受けると見ており、392億円から62億円減額の330億円といたしました。

洋紙事業部門につきましては、耐油耐水紙は堅調に推移すると見込んでおりますが、封筒洋紙の販売数量が当初予想を下回ると見ており、175億円から5億円減額の170億円といたしました。

加工材事業部門につきましては、一般粘着製品用剥離紙や、光学関連製品用剥離フィルムが需要低迷の影響を受け、当初予想を下回ると見ており、217億円から22億円減額の195億円といたしました。

セグメント別の営業利益の見通しにつきましてご説明します。

印刷材・産業工材関連は、マディコが堅調に推移しているものの、国内外において販売数量の減少などの影響を受けると見ており、当初予想の46億円から30億円減額の16億円といたしました。

電子・光学関連は、半導体関連装置、積層セラミックコンデンサ関連テープ、光学ディスプレイ関連粘着製品の販売数量減少により、100億円から10億円減額の90億円といたしました。

洋紙・加工材関連はパルプ価格の下落を見込んでいるものの、販売数量をカバーするまでには至らないと見ており、44億円から15億円減額の29億円といたしました。

2020年3月期 配当予想

中間配当金は当初予想どおり、1株当たり39円を実施することといたしました。期末配当金は、当初予想の1株当たり39円でございます。

先ほどご説明させていただきましたように、当社グループを取り巻く事業環境は未だ先行きが不透明で、第3四半期以降も厳しい状況が続くと予想しておりますが、国内外グループ全社員が一丸となって、業績向上に向けて努力して参る所存ですので、みなさまには引き続きご支援を賜りますよう、よろしくお願いいたします。

なお、現中期経営計画「LIP(LINTEC INNOVATION PLAN)-2019」は、今期が最終年度であることから、本来であれば2020年4月から新たな3ヶ年の中期経営計画をスタートさせる予定でした。

しかし、中経2年目にあたる2021年4月から、収益認識に関する会計基準が強制適用となり、売上高や利益率への大きな影響があると想定されることなどから、来期は単年度計画とし、次期中期経営計画は2021年4月からスタートすることにいたしました。

当社グループが持続的成長を遂げていくために、10年先を見据えた長期ビジョンを掲げ、中期経営計画はそれを実現するための、3年ごとのマイルストーンと位置付けたいと考えております。

以上で、私からのご説明を終わります。ご静聴ありがとうございました。

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