今年になって米国最大の経済団体が株主最優先の考えを否定しました。歴史の転換点ですね。資本主義が限界に来ているのを認めたことと同時に、今までとは違う事業の永続性という考え方が生まれているのです。

資本主義も、永続性、つまり人類の発展を長期的に考えた時に出た最適解だったはずです。しかし環境が変われば、その考え方を変える必要が出てきて当然です。私はこう考えます。永続的に続く事業を、外部の人たちとの共創によって生み出すとしたら何ができるか。

これを先のテーマに置き変えてみましょう。今までの経営者教育ならば、「やり方を学ぶ」だったかもしれませんが、これからの経営者の学びというのは、受け身で学んでいくのではなく、外部の人や企業と共創をすることで新たな価値を生み出していくことだと思います。

今までは、商品やサービスは自社内で、つまり自分たちだけで作り提供してきました。これからは、自分たちの得意分野と外部の会社や人の得意分野との共創によって商品やサービスを作っていくということが当たり前になるでしょう。これそのものが今までの資本主義とは違うSDGsの考え方に近いと思います。

私はSDGsを信奉しているわけではありませんし、この考えの行きつく先の姿は分かりませんが、少なくともその方向に世界も国も個人も動いていることは間違いありません。

実は先日、「SDGs × 駐車場」で新たな商品を作りました。これは私の本業ですから普段の仕事をしながら未来を探していくとすれば自然な仕事です。そこで重要なのは、長期的な視点とストック思考によって、将来ストックビジネスとなり得る、成長する市場を作っていくという考え方です。

その考え方に共感する人たちが集まり共に学ぶコミュニティ、つまり「共創が生まれるコミュニティ」の重要性がますます増すでしょう。そして、この「共創が生まれるコミュニティ」が今後の新しい学び方になっていくのではないでしょうか これは新しい学び方というよりもむしろ実践場と言うほうが合っているかもしれません。

おわりに

このビジネスの価値は何か、その価値には連続性があるのか、その価値は体験できるのか、その価値が再現される証拠は何か……。こんな問いかけをいつでもできる外部と繋がる場、仲間、コミュニティ。経営者の新しい学び方はこういう姿だと思います。

私はこれを自分が運営するストックビジネスアカデミーだけでやる気持ちは全くありません。こういう考えに共感していただける世界中の方と共創していきます。この話は、3年後に、ああこれだったかと言われるだろうと確信しています。

大竹 啓裕