Hさんは、先日50歳の誕生日を迎えました。結婚歴はありません。父の死後、落ち込んでいる母を見かねて実家に戻り、そのまま母子2人で生活しているうちに、なんとなく年齢を重ねて現在に至ってしまいました。しかし、そのHさんの母も昨年他界。一人暮らしをするようになってから、Hさんは、自身の「おひとりさま老後」がとても気になりはじめました。「おひとりさま老後にむけて、なにか準備をしたほうがいいのかしら?」

7割のおひとりさま老後を送る女性が「生活が苦しい」と感じている事実

女性の「おひとりさま老後」について、心配される不安要素は「お金」「健康」「孤独」だといわれています。その中でもいちばんの不安はやはり「お金」。現実問題、おひとりさま老後生活を送っている女性の中には、月に10万円以下で生活することを強いられている人も多く、実に7割の人が「生活が苦しい」と感じているのだとか。

これは、女性がもともと生涯賃金や年金の支給額が男性に比べて低いケースが多いのにも関わらず、平均寿命が長いために、老後に必要とされる金額が高くなってしまう傾向があるからです。「おひとりさま老後を迎えることになりそう…」という女性は、できるだけ早いうちから老後資金を準備しておいたほうがよいでしょう。

おひとりさま老後を意識した女性が行うべき準備とは?

まずは、自分の老後の生活をイメージする

まずは自分がどのような老後を過ごしたいかについて、イメージをしてみましょう。若いうちは「老後はのんびり過ごしたいな」と、なんとなく考えてしまう人も多いものですが、そうではなく、「のんびり過ごすためには具体的にどれくらいお金を貯めたらいいのか。」という点について、具体的に必要な金額を計算してみるのです。

一般的に老後の生活費は「今の生活費×0.7(もしくは0.8)」で計算すると言われていますが、これはどのような生活をしたいかによってもかわってきます。特に「旅行に行きたい」「いい家に住みたい」など、今の生活よりさらにグレードアップした生活を望む人の場合は、老後の出費が今の生活費より増えることもありえます。

だいたいの年間の生活費を算出したら、60歳まで働き退職した後で何年生きるかをイメージし、「年間の生活費×イメージした年数」で必要な金額を割り出してみましょう。

貯蓄プランを考えよう

老後の生活をイメージし、老後に必要な金額が具体的に分かったあとは、その金額をどのように貯めるのかを考えなくてはいけません。貯蓄の方法は様々。自分にとって無理なく、効率的に貯めることができる方法を見つけることがポイントといえるでしょう。

住居を確保する

女性の「おひとりさま老後」には、住居の確保は非常に大切なポイントとなります。というのも、一般的に高齢者が賃貸物件を探そうとすると、不可能ではないものの、選択肢が限定されてしまうことが多いからです。Hさんのように、親から譲り受けた「家」がある場合はよいのですが、そうではない場合は、終の棲家を意識した住居探しをしておいたほうがよいでしょう。

一生シングル生活をすると決めた女性の中にはマンションを購入する人もいます。マンションの購入と聞くとハードルが高いように感じられますが、「おひとりさま」ならば、ワンルームマンションでも十分に生活できますし、購入価格も自身の貯蓄と収入で払うことが可能であるものも多いからです。

「おひとりさま老後」の資金を貯める手段や方法とは?