同じお腹を痛めた子供でも、つい愛情が偏ってしまうことはあるものです。親子であっても、必ずしもどの子とも相性がいいとは限りません。ただ、偏愛の度が過ぎてしまうと家庭内不和が生じたり、親子断絶につながるなど良いことは一つもないでしょう。

この愛情の偏りは、何も親と子にだけに当てはまる話ではありません。祖父母と孫というと、普通は平等に愛情をかけると思うかもしれませんが、祖父母であっても一人ばかりをえこひいきしてしまい、成長と共に孫が近寄らなくなるケースもあるのです。今回は、特定の孫ばかり可愛がっていた、とあるおばあちゃんの哀しい末路を紹介します。

ある日、近所に越してきた初老の夫婦の目的とは?

筆者がまだ高校生だった頃、実家近くの小ぎれいな中古住宅に初老の夫婦が引っ越してきました。挨拶をされた筆者の母によると、娘の育児を手伝うために近くに越してきたとのこと。共働きの娘夫婦のことを思って、長年住み慣れた街を離れてきたのです。「娘のために越してくるなんて、どれだけ育児が大変なのかしら」と母は不思議そうに呟いていました。

筆者も当初は、お孫さんたちが病気がちだったりハンデを抱えているのかと思っていましたが、その初老の夫婦宅に遊びに来る娘さんと二人の孫、女の子と2歳年下の弟は元気そのもの。近所の小さな公園で時々その二人が遊んでいる様子を見ても、いたって普通の子供たちでした。

そんな様子を見るうちに、単に孫可愛さに元の家を引き払ってきたのが分かりました。ただ、いつも孫息子の後を追いかけたり相手をして、お姉ちゃんを放置しているおばあちゃんの姿に違和感を覚えたものです。

「あの子が一番好き」と孫息子ばかり可愛がるおばあちゃん