羽田〜NY/シカゴ線が新就航、ANAネットワークは差別化を図れるか 2017年3月期 第2四半期 決算説明会

2016年10月31日に行われた、ANAホールディングス株式会社 2017年3月期第2四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。IR資料

スピーカー:ANAホールディングス株式会社 代表取締役社長 片野坂真哉 氏
ANAホールディングス株式会社 取締役 執行役員 平子裕志 氏

2017年3月期 第2四半期 決算説明会

片野坂真哉氏(以下、片野坂):みなさま、本日はお忙しいなか、2017年3月期第2四半期決算説明会にご参加いただきまして、誠にありがとうございます。

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今年度に入りましてから、羽田空港における手荷物搬送システムの不具合、ボーイング787エンジン部品に関する不具合、空港の保安検査上や搭乗口における業務手順の不徹底など、航空事業において発生したいくつかの事象に関して、みなさまにご心配をおかけしております。

これらの状況をふまえまして、いま一度「安全」を経営の基盤として事業を推進するように、ANAグループ各事業会社に指示をしております。

私自身の責任において、グループ全体で安全をしっかり追求していきます。みなさまには今後とも変わらぬご支援をお願い申し上げます。

それでは本日の本題でありますが、私から、2016年度第2四半期決算・2016年度業績予想と、航空事業における下期の対応、中期経営戦略の進捗、この3点についてご説明いたします。

2016年度 第2四半期決算(概要)

こちらは2016年度第2四半期の決算概要でございます。

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主力の航空事業において、国際線ネットワークの拡充を進めておりますが、第2四半期も旅客需要は堅調に推移しました。

ただし、国際旅客事業における燃油サーチャージ収入や、円高に伴う外貨収入の円建て換算額が減少したこと等によりまして、連結の売上高は前年比で減少しました。

一方、費用面については、原油市況の下落や円高による影響に加えまして、事業拡大を進めるなかでも引き続き費用の増加抑制、そして2011年から取り組んでおりますコストマネジメントの効果も功を奏しまして、営業利益につきましては前年比で27億円増加の895億円となり、減収ながらも増益決算となりました。

右側のグラフは、過去3年にわたる上期の営業利益ならびに営業利益率の推移です。第2四半期累計の営業利益で過去最高益を更新しまして、営業利益率の10パーセントを超過いたしました。

決算の詳細については、第2部でご説明いたします。

2016年度 通期業績予想

今年度の通期業績予想の修正内容についてご説明いたします。

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マクロ環境や為替市況の変化をふまえまして、今期業績の前提条件を見直しました。主な修正ポイントは右側上にございます。

下期の航空事業におきまして、一部の路線計画を見直しました。それから直近の市場動向を勘案しまして、需要見通しを精査いたしました。そして為替の円高進行に伴い、下期の市況前提を変更したと。この3点でございます。

これらの修正を反映しましても、利益計画に変更はございません。配当も1株あたり6円を予定し、年度当初からの計画変更はございません。

航空事業の状況

続いて、航空事業における路線計画の見直しについてご説明いたします。航空事業における上期の状況、下期の変更点、取り組むテーマについて述べております。

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まず、国際旅客事業におきましては、昨日10月30日より、昼間時間帯の発着枠を活用しまして、羽田−ニューヨークならびに羽田−シカゴ線が就航いたしました。羽田の利便性を活かして、高単価需要の取組みを一層強化してまいります。

国内旅客事業におきましては、ボーイング787型機のエンジン部品の交換を遅滞なく実施しております。稼動機材を一部見直すことにより、今後の決行便は発生しない予定です。

引き続き、需給適合を推進するなかで、大型機を追加的に稼動させるために、運行費用が若干増加いたしますが、安全を最優先に対応してまいります。

国際貨物事業につきましては、昨年来、貨物全体の不況が続いております。上期の実績を受けまして、下期以降の貨物便を減便いたします。需要の少ない路線を中心にフレイターの稼動を抑制することで、収支の改善に取り組んでまいります。

経営戦略の進捗①

こちらは、今年1月29日に発表しました、中期経営戦略の進捗について述べております。

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まず航空事業でございますが、「フルサービスキャリア」につきましては、そこにありますように、ANA国際線ネットワークの拡充、ベトナム航空のコードシェアの開始、こういったことをやっております。

LCCのバニラは引き続き新規路線を展開する計画でございます。台北を拠点とした以遠権の行使を含め、アジアに路線を拡充し、バニラエアの利用者拡大を図ってまいります。

ノンエア事業としましては、将来に向けて成長事業領域を確保していく考えでございます。

今般、ANAグループのマーケティング力を強化するために新会社を作りました。名前は「ANA X株式会社」でございます。

これまで培ってまいりましたANAの顧客基盤、あるいはブランド力などの現有資産を活用しまして、ANAマイレージクラブ会員等を対象とした、ANA経済圏モデルを確立することによって、外部収入の拡大を図ってまいります。

Eコマース。「越境Eコマース」と記されておりますけれども、貨物事業を含めたグループ会社間の連携により、積極的な展開で潜在需要を掘り起こし、ビジネスチャンスを着実に捉えてまいります。

商社事業では、6月に空港型免税店の運営会社を設立いたしました。2017年春から営業を開始する予定でございます。

足元の訪日需要は以前好調でございますが、爆買いが沈静化して話題になっております。消費動向に変化があるわけで、化粧品をはじめとする、こういった品揃えを工夫して発売に望む考えでございます。

一番下の財務面ですが、今年3月に信用格付けが向上いたしまして、A格を取得できました。機関投資家向けならびに個人投資家向けの社債を、それぞれかつてない有利な条件で発行できました。引き続き、私ども、財務の健全性を下支えに、資金調達の柔軟性を活用してまいります。

経営戦略の進捗②

最後に、本日のまとめになります。

現行の中期経営戦略2016、これ初年度ですけれども、まだ半年の折り返し地点にすぎませんが、第2四半期累計で過去最高益を更新しまして、順調に進捗しております。

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通期業績見通しにつきましては、前提条件を修正しましたけれども、利益ならびに配当については当初計画から変更はございません。

来期以降ですが、今年度の第4四半期に中経戦略の更新版を発表する予定でございます。

基本戦略については、すなわちエアライン事業の領域を拡大することと、新規事業の創造と既存事業の成長を加速と。この2本柱の基本戦略については変更の予定はございませんが、なんといっても世界の経営環境が目まぐるしく変わってきております。一部の修正を図った上で、2020年度の経営目標達成に向けて、まずは足元の事業を着実に固めてまいります。

以上で私からの説明を終わります。ご清聴ありがとうございました。

2016年度 第2四半期 業績ハイライト

平子裕志氏(以下、平子):私から2016年度第2四半期決算と通期業績予想の詳細を順にご説明いたします。

本ページでは四半期ごとの業績推移をお示ししてございます。

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第2四半期3ヶ月間の業績は、営業利益が754億円、純利益が507億円、EBITDAが1,097億円となりまして、それぞれ過去最高を更新いたしました。

連結決算概要

経営成績の概要です。

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第2四半期累計の売上高は、前年同期から262億円減少し、8,849億円となりました。営業費用は、290億円減少し、7,954億円となりました。

その結果、営業利益は前年から27億円増加の895億円、経常利益も前年を上回る834億円となり、ともに上期として過去最高となりました。

親会社株主に帰属する四半期純利益につきましても、34億円増加の574億円となりまして、それぞれ前年を上回る増益決算となりました。

財政状態です。

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総資産は2兆2,528億円となりました。自己資本は前年同期末から284億円増加の8,183億円となり、自己資本比率は0.9ポイント上昇して36.3パーセントとなりました。

有利子負債は、新規借入れや社債の発行を行った結果、346億円増加の7,385億円となりまして、D/Eレシオは0.9倍となりました。

キャッシュフローでございます。

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営業キャッシュフローは1,137億円の収入、投資キャッシュフローは1,153億円の支出、財務キャッシュフローは145億円の収入となりました。

3ヶ月超の定期・譲渡性預金の資金移動を除いた、実質フリーキャッシュフローは、前年同期から1,080億円減少して、11億円の支出となりました。

航空機のセールス&リースバックに伴う資産売却収入の差異が、主たる減少の要因でございます。

セグメント別の実績です。

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航空事業に加えて航空関連事業も増益となりました。羽田空港や関西空港における受託業務の拡大が貢献しました。

一方、旅行事業と商社事業は減益となりました。旅行事業におきましては、国内旅行需要が熊本地震によって減少したほか、海外旅行需要につきましても、欧州で発生したテロの影響が続きました。商社事業では、空港免税店の販売額が前年を下回ったことが影響しました。

航空事業

次に、航空事業の詳細についてご説明いたします。航空事業におけます営業利益の前年同期比較でございます。

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売上高は189億円の減少となりました。円高による海外販売収入の減少と原由市況の下落による燃油サーチャージ収入の減少が大きく影響しました。

「その他」に含まれるバニラエアの収入は、前年とほぼ同水準になりました。

今年度から、代理店向けの国際貨物販売手数料を廃止したことによりまして、収入と費用をネットすることで、前年同期に計上していた約85億円が減収となりました。

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営業費用は225億円の減少となりました。事業規模の拡大に伴い、生産連動費用は増加しましたが、燃油費が大きく減少しました。

以上の結果、営業利益は36億円増加して847億円となりました。

今年度より、ユニットコストの推移を確認しながら、コストマネジメントを徹底することとしています。下段の表にお示ししているとおり、上期のユニットコストは計画に沿った実績となりました。

国内旅客の状況です。

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左の図は上期の減収額58億円の要因分析です。熊本地震によって減退したレジャー需要の回復後押しや低需要便への需要喚起を目的として、プロモーション運賃を積極的に展開した結果、単価要因では55億円の減収となりました。

旅客数要因でも、他社との競合によりまして、増収には至らず、5億円の減収となりました。

国際旅客の状況です。

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まず左の図をご覧ください。旅客数要因では、国内外の需要を幅広く取り込んだことで、265億円の増収となりました。

単価要因では、イールドマネジメントを徹底した効果も表れましたが、円高の影響や燃油サーチャージ収入の減少により、270億円の減収となりました。

需要の取り込み状況につきまして詳細をご説明いたします。

左の図では、当社国際線ビジネスクラスの供給量および需要の推移と、全体に占めるビジネスクラス旅客数の構成比の変化をお示ししております。

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生産量を徐々に拡大するなかで、着実に高単価需要の取り込みを実現してきました。

今年度のビジネスクラス旅客数は、第1四半期・第2四半期ともに前年比で11パーセント強の増加となり、上期を通じて堅調な実績となりました。

右の図では方面別の状況をお示ししております。第2四半期のおきます各方面の旅客キロは、テロの影響が残る欧州方面を除いて、前年を上回る実績となりました。日本発の業務渡航需要は、足元でも全方面で底堅く推移しております。

本スライドでは、国際旅客需要の主な需要について、販売値別、空港別にご説明します。

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各グラフは、2016年度上期の実績を前年同期と比較したものです。水色は羽田発着の旅客数を、紺色は成田発着を表し、前年同期における両空港の合計旅客数を100として、当年度の実績をお示ししております。

左の図のとおり、国内販売では羽田が高い競争力を発揮しました。業務渡航者を主たるターゲットとして、首都圏需要を着実に獲得していることに加え、当社の充実した国内線ネットワークを活かして、日本各地からの乗継旅客についても取り込みを拡大しました。

また海外販売では、羽田におきまして訪日旅客数の伸ばした一方、柔軟なダイヤ設定が可能な成田おきまして国際線乗継旅客のさらなる獲得を実現しました。

羽田と成田、それぞれの強みを活かした、デュアルハブネットワーク戦略が確実に実績へと結びついてございます。

国際貨物の状況です。

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左の図をご覧ください。重量要因では、三国間貨物のみならず、第2四半期における輸出貨物の取り込みが奏効したことから、70億円の増収となりました。

単価要因では、厳しい競争による販売レートの低下に加え、円高の影響および販売手数料の廃止に伴い、235億円の減収となりました。

バニラエアの実績でございます。

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上期の座席利用率は86.6パーセントとなりました。就航路線を徐々に拡大するなかでも、前年と同様高い水準を維持しました。

LCC会社間の厳しい競争は続いておりますが、年末から本邦LLCとしてはじめて成田−セブ線に就航するなど、アジア地域におけるバニラエアのプレゼンス向上を目指してまいります。

2016年度 通期業績予想

続きまして、2016年度通期業績予想についてご説明いたします。

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売上高・営業費用の予想に、上期の実績ならびに下期の見通しを反映いたしました。下期における為替、燃油の市況前提を下段に記載してございます。

営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、今年4月末に発表した当初予想から変更ございません。

セグメント別の業績予想です。

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ご覧のとおり、事業別では営業利益を若干変更してございます。32ページに記載しております、航空事業の詳細と合わせてご確認ください。

なお、旅客事業と貨物事業における、収入予想の主要な前提値につきましては、33ページと34ページに記載してございます。

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私からの説明は以上でございます。ご清聴ありがとうございました。

記事提供:ログミーファイナンス

参考記事

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