2016年11月10日に行われた、株式会社ユーザベース2016年12月期第3四半期決算説明会の質疑応答部分の内容を書き起こしでお伝えします。IR資料

スピーカー:株式会社ユーザベース 代表取締役社長(共同経営者) 新野良介 氏
株式会社ユーザベース 代表取締役社長(共同経営者) 梅田優祐 氏
株式会社ユーザベース 管理担当執行役員 村上未来 氏

米国進出の戦略

司会者:それでは、質疑応答に移らさせていただきます。

質問者1:1点質問ありまして、米国進出とおっしゃいますけれども、米国に類似ですでにやっているところってあるんじゃないかと思うんですけれども、もしあるんであれば、そこに対してどういう強みがあって、そういうところにやっていけるのか、その辺の競合とかですね、御社の強みとですね、戦略について解説いただけますでしょうか?

新野良介氏(以下、新野):ありがとうございます。まず、世界中の金融都市に関しましては、例えばアジアであれば東京、香港、シンガポールですね。海外であればニューヨーク、ロンドンですね。結構似たような状況になっております。ブルームバーグ、トムソン・ロイターといったすばらしい欧米のプロダクトを(どの金融都市でも)ほとんどのプロフェッショナルが使っている、それらを3~4つ併用しているような状態ですね。

日本におきましては日経テレコンさんでニュースをとっておられますが、海外ではファクティバさんを使っておられるというところですね。かなり似たような状況にあります。

そういう意味におきましては、(米国市場でも)日本の競合・アジアの競合と変わらない。逆にいうと差別化要因も変わらないということでして、SPEEDAの強みである、データを企業情報だけじゃなくて産業情報もワンストップで取れることでして、プラットフォームとしてワンストップで情報を提供し、いかにジュニアの方の作業を早くして効率よくアウトプット出していけるかというところを強みとしています。

とくにデータの面では、日本のデータは世界でもかなりトップクラスになっていますが、アジアのデータというパースペクティブでもトップクラスになっています。

実際、Webで、英語でトライアルの照会がかかるのは、我々が出しているシンガポール、香港が1番2番ですけど、3番目は米国から来ます。米国は我々が販売していないのになぜ引き合いがWeb上から来るかといいますと、大体アジアの情報に困った方ですね、香港の同僚やシンガポールの同僚に「(アジア情報の入手で)困ったな」ということで相談して「SPEEDAっていう良いのがあるよ」と聞いてトライアルをするということで来ているというかたちです。

したがいまして、整理して言いますと、まずエントリーの段階で最大の差別化はアジアの情報に詳しいということですね。とくにアジアに対して投資をすごく張ってらっしゃる企業さま、もしくは投資会社さま、金融プロフェッショナル、こういったところが最初のフックになります。

続いてですね、彼らがカバレッジしている米国等の産業情報を拡充していきましてSPEEDAの強みであるワンストップさを出していく戦い方になっていくというふうには思っています。これはアジアでやったのとまったく一緒でして、3年前に1人でシンガポールに行きましたけれども、準備の仕方も、誰かがまず米国に行きまして、そこからフィージビリスタディから始めて、事業の強み弱みのアジャストをして、3年くらいかけて立ち上げていきたいと考えています。

質問者1:ありがとうございます。

NewsPicksのコンテンツの方向性

司会者:ほかにご質問いかがでしょうか?

質問者2:本日はありがとうございます。NewsPicksについてお伺いしたいんですけれども、先ほどご案内のオリジナルのコンテンツを開始されたり、ダイヤモンドからちょっと引き抜いたりしていて。一方でなかなかソーシャルコンテンツを充実させていくと時間もかかりますし、固定費もかかっていくという面もあるものの、対外的には100名にするとか、大きなかたちで出してらっしゃたり掲げてらっしゃるんですけれども、その方向性はどのようにお考えですか?

中期的、短期的でも構わないんですけれども、よろしければお願いします。

梅田優祐氏(以下、梅田):NewsPicksは、コンテンツを作る編集部、プラットフォームを運営するチーム、コミュニティのチーム、この3つがバランスしていることが非常に大切だと思っておりますので、NewsPicksのオリジナルコンテンツだけを重点的に投資していくという方針はありません。

NewsPicksの編集部のコンテンツというのは、世の中にまだ出ていないようなNewsPicksらしいコンテンツを大事にしており、スマホ最適で「これは深く追求すべきテーマである」というものに限ってやっていくという方針でやっております。

例えばウォール・ストリート・ジャーナルさんと提携しておりまして、彼らが配信をしている有料コンテンツをNewsPicksにも配信していただいております。それでNewsPicksの有料会員はウォール・ストリート・ジャーナルさんのすべてのコンテンツが読めるかたちになっております。編集部としてはウォール・ストリート・ジャーナルさんがやられているようなニュースはやる必要はないというかたちになっておりまして、そういう前提であります。

ただ現状では有料会員は伸びているんですね。有料会員が伸びている一番の要因というのは、オリジナルコンテンツ経由ということになっておりますので、安定的にお金を出してでも読みたいコンテンツが供給されていくかというのが、非常に大切なポイントになっております。

現状の体制では、見ていただきますと毎週しっかりと特集が切れ目なく出ているかたちになっていますので、まずは一定の体制は構築できたかなと思っています。この体制であれば今のペースで伸びていき、年内には3万人弱くらいの有料会員数になっていくと思っておりますので、まずはこの体制をしっかり維持して、編集部の人数よりも「誰に読んでいただけるか」という人ベースが非常に大切ですね。

なので日本のトップであり、非常に優秀なジャーナリストの方に入っていただくことは引き続き大切だと思っております。量よりも質というか、それが編集部にとって非常に重要なことですね。

質問者2:あくまでBtoCというのが課金ベースでよろしいんですかね?

梅田:有料会員の?

質問者2:そうです。オフィシャルコンテンツのところは、ウォール・ストリート・ジャーナルって言うのはBtoBの典型的なモデルですけれども、そちらはアクセスがあって読めると。御社のオリジナルなコンテンツとしては、BtoCというかたちのより特殊な、今ご案内にあったようなかたちを強化していくイメージでよろしいんでしょうか?

梅田:コンテンツの方針内容は編集長の佐々木に一任しているような形になっておりますので、彼の方針に従って作っていくということを、今後も進めていく予定ですね。

質問者2:わかりました。ありがとうございます。

NewsPicksの有料会員化

質問者3:ご説明ありがとうございます。(NewsPicksの)有料会員にしてマネタイズするところのプロセスについて、もう少し詳しくおうかがいしたいんですけれども。有料会員化というのはけっこうみなさんやっていて、けっこう苦労していると思うんですけれども、御社の場合、有料会員に変わるきっかけというのが具体的にどういう記事なのか。あるいはどういうジャンルの方なのか、その辺りの勝ちパターンというのが見えているのであれば、教えてください。

梅田:はい。まず有料会員は全体の1.5パーセントぐらいです。まず、この1.5パーセントから2パーセントというのがNewsPicksにとっての正常な範囲かな、と思っております。無料会員の方々にも楽しんでいただいて、その中の一部のコアユーザー、1.5パーセントから2パーセントのユーザーさんには、お金をお支払いいただいてさらに楽しんでいただくかたちを考えております。

無料会員と有料会員の両方を伸ばしていくという意味では、まずこのバランスが非常に大切だなと思っています。無料会員から有料会員への転換に関しましては、先ほどの話と重なってしまいますが、オリジナルコンテンツをフックとして有料会員になっていただくというのが一番多いですし、それが最大のトリガーになっています。

それは、NewsPickを使っていながらほとんどの記事を無料で読めますので、コメントなどを読みながら、「どうしても読みたい記事に鍵がかかっていた」と。その時に「有料会員になってみようかな」というのでボタンを押していただくというかたちかなと思っています。有料会員の方がどこのルートから来てるのかは把握しておりまして、どういうコンテンツが有料コンテンツとしてウケがいいのか、お金を払っていただけるのかという法則もだいぶ見えてきております。

これは悩ましいところがございまして、今のユーザーの方々にコンテンツを作っていくと、似たようなコンテンツばかりになっていってしまうところがありますので、例えば、今でいきますとやはりソフトバンクの特集であったり、LINEの特集であったり、IT系の特集というのはよく読まれるのですけれども、大手企業や伝統的な企業の特集であるとちょっとそこまでではない。そういうことがまだあるんですよね。

それはまだまだNewsPickの会員がIT系のユーザーに寄っているというところがあります。ここはちゃんと伝統的な企業に務められている方々など、幅広い層に読んでいただけるものにしていくためには、まずはコンテンツから。最初は会員数が増えなくても、コンテンツからしっかり作っていくというのが大切になりますので、今後ユーザー層の裾野を広げていくためにはそちらも必要かなというのを感じています。

質問者3:わかりましたありがとうございます。

NewsPicksのアカウントを法人に売るときのトリガー

質問者4:ご説明ありがとうございました。1つは(資料の)22ページで、SPEEDAの事業会社向けの機能の拡充というのがあるんですけれども。このドライバーというかポイントがあれば解説していただきたいということと。

次の23ページで、NewsPicksをたとえばパナソニックのようなところにアカウントを法人向けに売りたいというお話でしたが、その時のドライバーですとか、どういう仕掛けをイメージしてらっしゃるのか。

さらに言えば、たとえばパナソニックがアカウントを持つとなった時に、パナソニックで事件が起きた時は中性な記事が書けるのかということも含めて、コメントいただけますでしょうか?

新野:(SPEEDAの)事業会社向けの機能は大きく分けて3つほどあります。まず1つはグローバルリサーチです。すでにSPEEDAはスリランカ、シンガポール、香港、上海とグローバルにリサーチ拠点を持っていまして、世界中の、たとえばアフリカのある製品の使用状況を調べたいといったときに対応できる体制になっています。

こういうリサーチの体制を、プロフェッショナル企業は従来から使ってきたわけですけれど、事業会社はまだ内製化されていません。そこで、SPEEDAを1台入れると、プロのグローバルリサーチのチームがついてくるというイメージ、リサーチのエクスパティーズを提供できるというのが1つ。

2つ目に関しましては、過去のデータも必要なんですけれども、とくに事業会社は未来の情報がけっこう重要視されます。たとえば「FinTechの動向はどうなんだろうか?」ですとか。コンテンツ面では、そういった新しい動向もコンテンツとして今拡充しています。

最後に、ここが非常に大きいのですけれども、事業会社さんの中には自分の販売情報等の社内情報がありますので、そこと連携してSPEEDAの情報と合わせて分析ができる機能というのを作っています。たとえば、セールスフォースさんを使っているお客様であればセールスフォースとSPEEDAを連携させる。

販売先情報を取って、新たな売り先を自動的に抽出するとかですね。Sansanさんを使っているお客様であればSansanさんとも自動的に連携して、「あなたは売り先は持っていないんだけど、往訪先は持っていて、かつあなたの売りのプロファイルからするとここに行くべきですよ」という先を、大量の企業情報、それから各種SPEEDAが持っている情報を機械が分析しまして、レコメンドできると。

こういった機能を持って、お客様のシステムに入っていく。そして、分析のツールというよりは、分析結果そのものを提供する。そういう方向にシフトさせているというのがあります。この3つになります。

梅田:はい。(NewsPicksを)法人に売っていくときのトリガーになるものというご質問だったかと思いますが。まず1つ、これは年内に出る予定なんですが、よりニュースをカスタマイズできるかたちにしていく予定になります。たとえば、パナソニックさんであれば事業部に関連するキーワードを登録していくと、そのキーワードに関連したニュースだったりコメントがされた時にアラートが出てくるようなかたちになります。自分の業務により関連するニュースが届くというものが1つですね。

2つ目はコメントだったりシェアというのが、今は全部オープンにしかできないかたちになっているんですが、これをクローズドにできるようにしていくと。たとえば部署の中だけでニュースをシェアしてコメントするというかたちだったり、より興味のある具体的なカテゴリに参加してニュースをシェアしてコメントをして、知見を交換する。クローズド化していくという方針があります。これは法人契約をしていただいた時に、初期設定をしてやっていくというかたちですね。

そして最後に、SPEEDAチームとの連携というのがありまして、まずこれは販売網ですね。SPEEDAは500社強の日本の優良企業にアカウントがありますので、そこで一緒に販売していくという販売面と。あとはコンテンツ面ですね。企業情報や財務データや、より法人のお客様が必要とする専門的な情報がありますので、それを連携した情報を合わせてみることができる。そこを強化していくことで、法人のお客様にも買っていただくということを目指しております。

質問者4:あの、中立性については……。

梅田:失礼いたしました。中立性に関しましては、現状でも私共経営と編集部というのは完全にウォールがありまして、編集権の独立というかたちでやっております。すでにブランド広告はやっておりますので、ブランド広告で法人のお客様。あとはSPEEDAの法人のお客様、これがあろうがなかろうがすべての編集コンテンツというのは佐々木の方針で作っているというかたちになっていますので、現状と変わらないのかな、と思っております。

質問者4:ありがとうございます。

NewsPicksのコメント活性化

質問者5:NewsPicksに対して2つ質問がありまして。1つはコメントを見ていると、けっこうコメントされる方が固定化してきちゃってて、だいたいコメントされる方はいつも決まってて。その人のコメントの傾向が読む前に読み取れちゃうような傾向が見て取れて。もうちょっとコメントする人たちのハードルが高くなっているのかな、という気がするんですけれど。

ニュースによっては鋭い意見を持っている人が多々いると思うんですけど、その辺りの、刺さるようなコメントをするような人の勧誘というか、リクルーティングという手法が無いのかどうかというのが1つと。

あとは、NewsPicksとSPEEDAを連携させるとすると、たとえば将来NewsPicksの海外展開。たとえば英語でコメントする人が出てきて、それを同時通訳で日本語で読めるようにするとか。そんな広がりの可能性というのはあるのでしょうか?

梅田:はい。コメントの多様性という所に関しましては、今はハードルが高いというところがあるんですが、逆にハードルを下げてしまうと有象無象のコメントが入ってきてしまいまして。逆にそれはコメントの質を下げて荒れてしまうというところがありますので、一定のハードルはあえて高くしていく必要があるかなと思っております。

ただ、同じような方々がコメントをして、同じような方々のコメントしか見えていないという状態は、どうしても活性化していきませんので、一定程度新しい方が常に入ってくるという仕組みが大切かな、と思っています。

そこの問題に関しましては、プロピッカーという制度をはじめまして約1年経つのでそろそろ新しい取り組みをしていこうということを考えております。

より、今までネットでは発言していなかったリアルの世界にいる識者の方々に来ていただくというのが、非常に価値があるのかなと思っておりますので。よりスカウト機能を強化していきたいなと。

質問者5:それは御社がスカウトするという意味ですか?

梅田:はい、それをより強化していきたいなと考えております。

質問者5:どうやって見つけるんですか?

梅田:これはまず、編集部と協力してやっていくというのがありますので、編集は人と会うのが仕事なところがありますので、その取材の中で「この人はいい」というところがあれば「ピッカーをやりませんか?」ということで編集部から紹介をしてもらい、協力していくというのもありますし、あとは紹介も大きいですね。プロピッカーの方々がプロピッカーを紹介していただくと。この仕組を強化していきたいなと思っています。

次に海外戦略ですね。NewsPicksも必ず海外展開はいつかしていきたいなと思っています。やはり一番のハードルになるのは、ピッカーのコメントしていただける方々かなと思います。日本でしっかり立ち上がっていったのは、初期の段階からインフルエンサーの方々に積極的に使っていただけたというのが、立ち上がった大きな要因になりますので、海外でも同じようにインフルエンサーの方々をネットワークできるかどうかということに尽きるかな、と思います。

その際、立ち上がることができれば、先ほどおっしゃっていただいたようなシナジーだったりとか、新しい展開というのはいくらでもやりようがあるなと思います。

新たなコンテンツの必要性はあるか

質問者6:2つあります。1つ目が、今の費用の考え方なんですけれども、どの程度固定費的要素があって……変動費的要素ってそんなにあんまり感じられないですけれども、変動費の部分はどういったコストがあるのかっていうところを教えていただきたいのと……。

そのコスト面でいくと、例えばウォール・ストリート・ジャーナルと提携していますといったときに、そのユーザーの数とかそういったものはまったく関係なくフリーにコンテンツとして出せるのか、ユーザーの数に比例する部分とかっていう契約もあるのかどうか。それについてコストの解説をお願いしたいと思います。

村上未来氏(以下、村上):まずコストの構造ですが、「SPEEDA」につきましては、純粋な変動費として見ているのは、一部のサプライヤーへの従量課金より発生する支払い。それから、一部販売代理としての販売手数料。それからIDの増加に伴って、カスタマーサポートの人員が増加をしておりますので、それらを我々は変動費として見ております。

だいたいこの割合が、売上のおおむね15パーセントの水準としてお考えいただければと思っております。

質問者6:15パーセントが変動費ということですか?

村上:はい。もちろん成長に伴って、営業員であったり管理部であったり、そういった固定費の増加もこれまでやってきたという状況ではあります。

NewsPicksにつきましては、変動費として考えているのは、まず有料会員の方からの利用料金をAppleであったりGoogleといったプラットフォーマーを通じて頂戴しているのですが、そういったプラットフォーマーへの手数料というところ。それと、これも一部ニュースサプライヤーに支払っている、従量課金より発生するサプライヤー料金というところ。

それからブランド広告につきましては、費用をかけて製作をしておりますので、こちらもやはり売上に伴って発生する変動費というふうなかたちで見ております。こちらも、おおむね売上に対しては水準感として20パーセント前後というところで考えおります。

質問者6:2つ目なんですが、NewsPicksそれからSPEEDA、両方ともなんですけれども、今後事業を拡大していくにあたって、新たなコンテンツなりデータなり、今からほしいものというのはまだまだあるのか、それともだいたい一巡してしまって、これ以上そんなにコンテンツを囲う必要性とか購入する必要性というのはないのかどうかというところ、それぞれでお聞かせ願いますでしょうか?

新野:(SPEEDAについて)まず大きなところはもうすでに投資が一巡してると思っています。大きなところと私が申し上げているのは財務データとかで、例えば、上場企業はすでにほぼすべての企業が補足してますし、株価だとかそういう基礎的なところはすでに補足済みです。

ですので、1つ目は、販売するエリアに応じて、例えば米国なら、もう少し米国の産業情報を増やそうとか、そういうアジャストのための投資が発生すると考えています。

この点から、今はどちらかというと、オリジナルコンテンツである産業のレポートを作っていますけれども、それが一番大事な情報になっていると感じています。したがいまして、外部への大規模なデータ購入は、今現時点では想定されておりません。

次に、海外市場は大事ですけれども、海外市場にロングタームでコミットし続けていくために、なによりも日本の事業の収益力というのが、非常に重要だと考えています。

そういう意味におきましては、海外の大きなよりリソースをもたれている他社さんと比べた場合でも、日本市場において「絶対に外されない、抜かれない」というのも、ものすごく大事です。そのため、日本市場・アジア市場の部分については、(他社がもっていない)きめ細かいデータを取っていこうと思っています。財務データとかではなくてユニクロの店舗数みたいな、きめ細かなデータです。

最後に、NewsPicksに大量のユーザーのネットワーク、ビジネスパーソンのソーシャルがありまして、そういうところからもCGMとして情報が集まってくるようになりますし、お客さんの情報とSPEEDAの情報を合わせて解析することで生まれる、新しいビジネス情報が組成できます。

我々しかもっていないソーシャルだとか、大量のデータを持っているがゆえに生み出せる新しい情報、例えばレコメンデーション機能はまさにそういうものだと認識してますけれども、そういったものを作っていきたいなと。この3つになります。

梅田:NewsPicksに関しましては、必ずやらないといけないなと思っていますのは、有料課金のコンテンツですね。これはNewsPicksオリジナルコンテンツだけではなくて、今ウォール・ストリート・ジャーナルさんだったり、ニューヨーク・タイムズさんの一部コンテンツもご提供いただいていますが、もっと外部の有料コンテンツは増やして行きたいと思っています。そのためには、もっと有料会員数が増えないと分配できませんので、まずそれが第1にやらなければいけないことだと思っています。

リクルーティングの強化の3ステップ

質問者7:ご説明ありがとうございます。2つあります。

1つ目がリクルーティングサービスの強化のところなんですが、ここは強化していかれるというお話でしたけれども、実際どういう感じでこれから来期にかけて進んでいくのかというのと、どれぐらいの成長のポテンシャルがあるのかというところをまず、もう一度教えていただければと思います。

梅田:拡大させていく上で、3段階ステップがあると思っています。

まず1段階目は、完全にNewsPicksのほうですべてのコンテンツを作り、コンテンツクオリティをしっかり保つというかたちでですね。なおかつ求人を出していただく企業さまに対しても、出てくる求人のクオリティをしっかり保ち、数を制限したなかでやっていくという段階ですね。

今、まさにその段階を終えたというかたちになっておりまして、そこからスケールに入っていくという段階です。

2段階目としまして、今回インテリジェンスさんと提携したかたちではあるんですが、インテリジェンスさんが営業をどんどんしかけていき、コンテンツもNewsPicksで作るよりもローコストで作り、ハードルを下げて求人を出していただけると。その代わり成功報酬でもらうという比率を増やしていくというかたちですね。

3段階目が完全にオープン化して、企業のみなさまが直接求人をNewsPicks上で出せるようにしていくというかたちになります。これが一番最後にスケールしていくかたちになるんですが、そのときには、しっかり場のクオリティを保っていくために、ユーザーさんと求人のマッチング精度が大切になります。

興味のない求人がたくさん出てくると、それはもう必要ない情報が出てきているということで、ユーザー体験を下げてしまうので、このユーザーマッチング機能の開発とセットで場をオープン化させてくということを、3段階目として考えております。今その、2段階目のフェーズに入ってきたというのが今の状況ですね。

投資フェーズを終えて、定常状態に

ポテンシャルとしましては、今まで求人市場というのを、大きくセグメントで「顕在市場」と「潜在市場」に分かれるかと思います。

顕在市場というのは、転職したいと考えてる人が集まる場所ですね。これは例えばリクルートに登録してる人だったりとか、例えばビズリーチに登録してる人とか、転職したいという意欲がありますので、そういう人の層ですね。

我々がまずフォーカスするのは潜在市場で。まだ明確に転職したいとは思っていないと、そのため求人サイトに登録していないという層にアプローチしていくところになります。

さらに、ハイエンドなビジネスパーソンか、より裾野の広い求人かというところでいくと、我々はハイエンドなビジネスパーソンのところをフォーカスしていきたいと思っています。

潜在市場かつハイエンドな方々へのアプローチする場って、今まではあんまりなかったかなと思うんですね。そこの市場を開拓していこうというのが、今、我々が考えているところでして。ここの市場のポテンシャルというのはそれなり一定あるんじゃないかなという感触は得ております。

質問者7:それから(NewsPicksの)SPEEDAとの法人連携なんですけど、これは、価格とかについては、ある程度ディスカウントみたいなかたちで、もし決まった場合、やられるんでしょうか?

梅田:はい、NewsPicksの法人契約で、SPEEDAを連携していったときですね。まだ価格は正確には決まっていないんですけども、契約いただくID数によっては、ディスカウントということは、十分検討していきたいなと思っています。

質問者7:最後に利益率のイメージを教えていただきたいんですけど、来期、再来期の利益はコストのかけかた次第という部分もあるかと思うんですけど、全体とそれぞれの事業でですね、来期、再来期くらいまでで、どれくらいの利益率の目線というのをお持ちになっているのかというのを、差し支えない範囲で確認させていただければと思います。

梅田:まだこの場で、来期何パーセント、再来期何パーセントということは、明言できないんですが、私と新野のほうで、ユーザベースの正常収益、利益率というのは30パーセントというふうに置いております。

30パーセントにいくことが、1つの投資フェーズを終えて、しっかりとした定常状態、正常状態になってきたという状態というふうに認識しています。そこの状態に入るようにもっていきたいなと思っています。

質問者7:どうもありがとうございます。

司会者:よろしいでしょうか。それでは、この辺りで質疑応答の時間を終わらせていただきます。

以上をもちまして、株式会社ユーザベースの上場会社説明会を終了させていただきます。本日は、誠にありがとうございました。

新野・梅田:ありがとうございました。

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