2017年5月10日に開催された、株式会社ミライト・ホールディングス2017年3月期決算説明会の内容を書き起こしでお届けします。IR資料

スピーカー:株式会社ミライト・ホールディングス 代表取締役社長 鈴木正俊 氏

1.2017年3月期決算概況

鈴木正俊氏:みなさんおはようございます。社長の鈴木です。本日はお集まりいただき、大変ありがとうございます。御礼を申し上げたいと思います。

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2017年3月期の決算概況ですが、とくに赤字がポイントで、受注高は3,233億円で対前年比626億円のプラス、24パーセントの成長と非常に良い受注環境でした。

セグメントごとに見てもすべての分野で受注が増えており、受注総額の3,233億円は過去最高の受注額です。

そういう意味で全体として、あるところの通信キャリアが伸びたとかではなく、全般的に経営環境がよくなっているということが、昨年の結果でした。

売上高の詳細(対前期増減)/営業利益の詳細(対前期増減)

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売上は2,832億円でプラス137億円、5.1パーセント増、グラフにあるようにNTTは31億円プラス、マルチキャリアがプラス8億円、環境社会インフラが116億円下がっていますが、ICTの分野で210億円戻し、全体を押し上げたのが収益です。

総括的に見ると、NTTさんの場合は設備の改善提案、あるいは光工事、光のコラボレーションモデルというNTTさんのモデルが比較的順調で、光通信の開通数も増えてきており堅調でした。マルチキャリアは後で申し上げます。

ICTのところは、M&Aや700MHz対策で非常に大きな結果が出ており、下半期2,800億円に計画を修正しましたが、それも達成できるような着地点になりました。

営業利益は100億円で昨年の61億円から39億円のプラスです。営業利益の増減分析を見ていきますと、昨年から売上高が伸びたことで増加した利益が15億円、売上総利率が10.6パーセントから10.8パーセント、利益率の改善で34億円。

それから不採算案件、ソフトウェアの案件がなくなったこと、販管費はM&Aの部分が費用になり、大きな額で増加しましたが、それらを抱えても、昨年よりも40億円近く利益額が上がっています。

結果、受注が非常に良い環境で増収増益の決算でした。それと繰越控除額が1,148億円で過去最高です。昨年の繰越控除額を大きく超え、400億円程度という状態で今年に入っています。

2.各事業の総括①

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それぞれの事業の総括を示しています。

NTT事業は例年NTTさんの投資額が下がっており、収益的には厳しい状況下でも利益を出していく、売上が減少しても利益を出すことを念頭に置いてきました。

今年に限って言えば、対前期と比べプラス85億円になり、売上が下げ止まった年でした。

これはそれぞれの提案、設備を先取りすることでその先の障害が減っていく、あるいはイオンのことで提案したものや光工事が先ほど申し上げた、光コラボレーションモデルでお客さまの光工事が増えました。

NTTさんと通信建設会社との間で保全、設備運営の業務を地域ごとに分担をし、保守を引き受けることが進み、売上増でした。

それから従来から進めていますが、工事事務所の統廃合を行いコストを圧縮して効率的な運営体制をつくり、生産性をあげるといったことが実ってきています。

現在、関東で4件ですが19拠点で昨年も大きな事務所統合があり、その辺の相乗効果だと思います。なお老朽化・劣化などで土木工事も増え、金額的にも増えています。

マルチキャリア事業トータルは対前期より僅かですが売上が増えています。モバイル分野は前年から見ると売上、利益ともにマイナスです。

モバイル事業は1つの固定事業に次ぎ、大きな柱ですがダウンしてしまいました。

ただマルチキャリア事業という括りだと、海外にてグローバルで行っている通信工事エンジニアリングが入っており、ミライトテクノロジーズメンバーが非常にいい業績でした。

この辺がカバーをし、トータルとすると横ばいですが、国内のモバイル事業が前年を下回ってくる状況は、非常に近年では稀な状況でした。

2.各事業の総括②

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それから環境社会イノベーション事業ですが、受注は前年から128億円と大きなプラスでしたが、売上高はマイナス116億円とマイナスが生じました。

大きな理由は蓄電池です。夜間、あるいは太陽光のパネルの電池を蓄電池に貯め、それを有効利用していくことに補助金がつかなかったということで、少し影響がありました。

それから電気工事、空調工事です。昨年特需がありましたが、今年は一段落し、あまり良い状況ではなく前半は厳しい状況でした。

太陽光もミドルソーラーの屋根置き型工場、あるいは大手スーパーチェーンの屋根付の太陽光があったり、受注もあったのですが、前半の売上の伸びの低迷をカバーできず、前年度より落ち込みました。

ただ太陽光はO&M事業が着実に進んできており、電線地中化工事も時期とともに進んできています。先を展望するための材料が出てきたと思っていますが、結果は非常に大きな減でした。

ICTソリューションですが、非常に対前年売上も受注も大きかったのですが、M&Aの効果が非常にありました。

ラントロビジョンというシンガポールの会社が、今までは連結期間が短かったのですが、今年から12ヶ月の連結になります。

9ヶ月の連結があったということ、トラストシステムというソフト会社、あるいはホープネットという専門職の人材派遣の会社の編成をし、合併をした結果、業績が大きくなりました。

これからモバイルの基地局の電波として700MHzを使いますが、その前に放送班の干渉をしているため、その受信干渉の解消工事をモバイルで700MHzを使うためにはやらなければならない。

そのモバイル工事そのものよりも、前段の受信対策が本格化し、この辺が6万棟と非常に大きな工事が発生し、プラスになっています。

4.四半期別業績の推移

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最後、四半期別の業績推移を、四半期ごとの行動変化ということで示しています。

2017年3月期の結果は、第4四半期のところを見ていただくとわかりますが、第4Qの売上利益は過去最高でした。

昨年の第1Qに非常に営業利益は落ち込みました。かなり工事を集約整備し、4月の計画を前倒しで行ったことが原因です。

その後、回復基調で受注も非常に順調に伸び、売上も伸びてきましたが、その影響のカバーしたことで不振でした。

結果、後半は受注も非常に大きく、受注繰越控除、売上利益ともに過去最高の第4四半期でした。

しかし、昨年と同じように第4四半期が増えたので、また18年の今年の第4四半期が下がるのかと心配があるかもしれませんが、繰越工事が過去最高の400億円あります。

昨年よりも多く繰越されているため、昨年のように繰越控除が減るという状態ではなく、高い水準のまま移行しています。

年間の平準化という意味では、非常に昨年と比べるとよい環境です。以上です。

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