セミナー講師はストックビジネスになり得るのか? フローをストックにする方法

話を公開コンサルに戻します。今回のテーマである講師業の場合は、当然「コンテンツの質重視型のアプローチ」になるわけです。そこで悩んだ理由とは、コンテンツの価値だけを皆でああだこうだと議論することにならないようにして、もっと再現性のあるロジカルな結果を求めようとしたことにあります。

好き嫌いが出るのがコンテンツですので、たとえばマイルドなコンテンツより少数を相手にする尖ったものの方がいいこともあるわけです。それを「これはいい、これは悪い」の議論で結論を出すのは実践会らしくないと思うのです。

基本に戻って考えれば、コンテンツもストックになるにはいくつかの要件を満たす必要があります。

貸す、認める、改善する、消費・劣化というストックビジネスの4分野で考えてみましょう。

【貸す】という概念は使えます。コンテンツの所有者なわけですから何等か貸せるものが作れる可能性はあるでしょう。ただ、マネができないブラックボックス的なものを作るということが講師業でできるか?という疑問は残ります。

【認める】ならば、協会ビジネスやフランチャイズのような形にすることはできそうです。しかし、やはりこれは安全パイとして取っておいて、もう少し深堀りしたいところです。

【改善する】という部分ではコンサル系になるのですが、コンサル部分だけをストックビジネスにするのは難しいので、【消費・劣化】の部分もセットにしてメンテナンスや点検するなど定期的に発生するものとコンサルを組み合わせるのはいいだろうと思われます。

ストック思考で考えると、セオリーはこのような感じになります。

ここまで整理して思ったのはこんなことです。講師業はフローかもしれないが、フローでもコンテンツが良いものは良い。そのうえでいかにストックの要素を引き出せるかが重要だと。そして、今回実践会でわざわざ取り上げるからには、フローに近い講師業からストックに移行するもっともっとわかり易いアプローチを発見したいと考えました。

その点を公開コンサルの登壇者と話し合い、ようやく答えに近づきました。それは最初からストック化を考えないことでした。

何が何でもストックにしなくてはとの思いが先行すると、「定額で何かを提供しよう」ということばかりに意識が向いてしまいがちです。しかしそれでは本質を見失ってしまいます。

まずはフロー、ストックにとらわれずに、今提供しているコンテンツの価値を徹底的に確認します。それはお客様にとって再現性があるものなのか、そのコンテンツを学んだお客様には何がもたらされどんな喜びが生まれたのか…。それは金銭による安心かもしれませんし、不安が解消されるような形のない喜びかもしれません。

1回1回、1人1人の結果かもしれないので、この段階ではまだフロービジネスの領域だと思いますが、確実にお客様に価値を提供できることを検証します。

そして提供価値に絶対的な確証を得た段階で試みるのは、「お客様が得た価値を共有する立場」を作ることです。お客様はすばらしい成果を得て大きな価値を享受します。しかしそれは一時のことかもしれません。そこで、せっかく得た大きな価値を維持するために、あなたのコンテンツを必要とするという形にしていくのです。

つまり「お客様が得た価値を共有する立場」として、継続する大きな価値の中から報酬を得るということですが、これこそがコンサルではなくパートナーというストック性の高い立場なのです。いきなり定額ばかり考えてはこの領域に気づきにくいということが言えます。

フロービジネス領域からストックビジネス領域への流れ

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おわりに

私の主宰する「ストックビジネスアカデミー」では、ビジネス構築の際にセオリーは使っても「他のビジネスモデルの型にはめて良しとしない」ことを重視しています。

なぜなら、型通りであったとしても経営者がやりたくないものを作っては意味がない。続けることでストックビジネスは完成するのですから、世の中のビジネスモデルの模倣ではなく自分の強みを活かすことが大事だと思います。それを確信しながら毎回全力で公開コンサルを行っています。

大竹 啓裕

参考記事

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大竹 啓裕
  • 大竹 啓裕
  • 株式会社ハッチ・ワーク 代表取締役会長兼CEO

福島県出身。20代はセコム株式会社にて理想的なストックビジネスの原点を経験、その後、30歳でラーメンFCチェーンの創業メンバーとして参画、ラーメンFCとしては全国一位となる約300店のストックビジネスモデル構築の原動力となる。
40代は(株)ハッチ・ワークにて貸会議室「アットビジネスセンター」や月極駐車場探し「アットパーキング」にて国内オンリーワンのサービスを次々開発して事業拡大する。これまでの新規事業立ち上げは20事業以上。
ストックビジネスアカデミー(経営研究機関)にて長期的に成長する経営メソッドを研究。
近著に『ストックビジネスの教科書』(ポプラ社)、『ストックビジネスの教科書 プロフェッショナル』(ポプラ社)がある。


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