2019年8月9日に行われた、株式会社ミクシィ2020年3月期第1四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。IR資料

スピーカー:株式会社ミクシィ 代表取締役社長執行役員 木村弘毅 氏

連結損益計算書(四半期)

木村弘毅氏:本日はお忙しいなか、決算説明会にご参加いただきまして誠にありがとうございます。代表取締役社長の木村弘毅です。これより、第1四半期の決算について説明させていただきます。本日の説明会は財務状況と事業状況の2つのパートに分けてご説明いたします。

まず、財務状況についてご説明いたします。4ページは連結損益計算書でございます。売上高は207億8,000万円となり、前年同期比で39.9パーセントの減少、営業利益は16億3,700万円となり、前年同期比で85.2パーセントの減少、当期純利益は11億3,400万円となり、前年同期比で84.4パーセントの減少という結果になりました。

事業別業績(四半期推移)

5ページでは事業別業績の推移についてご説明いたします。エンターテインメント事業は売上高が199億7,000万円、ライフスタイル事業は売上高が8億1,000万円という結果となりました。

エンターテインメント事業は前年同期比で減収となりました。これは主に『モンスト』において前年同期と比較してMAUおよびARPUが低下したことによるものです。一方、第2四半期に入ってからは「XFLAG PARK」の開催、人気IPとのコラボ、6周年に向けたカウントダウンキャンペーンなど各種施策の効果があり、直近のMAUは前年同期の水準を上回るところまで回復しています。

このような動きを見ますと、『モンスト』は施策次第でまだまだ高い売上を継続できると確信しています。

ライフスタイル事業におきましても前年同期比で減収となっています。これは主に、Diverseおよびノハナの株式譲渡等により売上が減少したことによるものです。

売上原価(四半期推移)

6ページをご覧ください。売上原価の推移でございます。外注費が前年同期比で増加していますが、これは主に映画『プロメア』および『パンドラとアクビ』の制作費を計上したことによるものです。

販管費(四半期推移)

7ページをご覧ください。販管費の推移としては、外注費が前年同期比で増加しています。これは主に、モバイルボールおよびその他新規事業の開発中止にともない、B/Sの「その他資産」に計上していた開発費等を一括で費用に振り替えたことによるものです。また、チャリ・ロト社の連結にともない、のれん償却費が発生しています。

FY2020 1Qまでの業績進捗

8ページは第1四半期までの業績進捗です。業績予想に対してはおおむね計画どおりに進んでいます。売上の進捗に比べ営業利益以下の進捗率が高くなっていますが、移転の一時費用40億円などが下期に発生する見込みであり、現時点では通期業績予想の変更はございません。

前年同期比で大幅な減収減益となっていますが、後述のとおり『モンスト』のリバイブ等による各種対応は進んでいます。とくに『モンスト』の直近のMAUは、2018年の水準を上回るものとなっています。見通しに変更が発生した場合はすみやかに業績の修正をアナウンスさせていただきたいと考えています。

リバイブ施策と中長期戦略

続きまして、事業状況についてご説明いたします。前期の本決算でもご説明いたしましたとおり、今期は『モンスト』のリバイブとスポーツ領域の事業成長に注力しています。

まずは『モンスト』のリバイブについて、第1四半期の状況と今後の取り組みをご説明いたします。11ページをご覧ください。『モンスト』のリバイブ施策と中長期戦略についてです。

新プロデューサー主導で短期および中長期の戦略を作成し、各種改革をリードしています。リバイブ施策のゴールは短期での業績V字回復ですが、中長期的には『モンスト』ブランドの提供価値最大化とサステイナブルな収益規模の維持を目指します。

リバイブ施策としては、6周年や年末年始などのキーとなるタイミングに合わせて、みんなで集まってワイワイ楽しめる体験という本質的な価値に原点回帰するためのゲーム内施策とPR活動を実施してまいります。

1Qの取り組み

12ページでは『モンスト』の第1四半期の取り組みについてご説明いたします。新たなPRの取り組みとして、新キャラクターの投入に先駆けてプレイヤー参加型の犯人予想イベント「モンストサスペンス劇場」を実施し、キャラクターの売上にも寄与いたしました。このようなPRを含め、今後も連続したPR活動を通してユーザーの熱量を上げていきたいと考えています。

2Q以降の取り組み:ユーザー活性化

13ページをご覧ください。ここからは第2四半期の取り組みになりますが、7月13日と14日の2日間にわたり、今年も「XFLAG PARK」を実施いたしました。延べ4万人以上のお客さまにご来場いただき、人気キャラクターの獣神化などを発表し、大盛況で幕を閉じました。

また「XFLAG PARK」に入場した一部のユーザーに「オラフラッグ」というゲーム内の特典を付与し、そのユーザーとマルチプレイをすることで「オラフラッグ」が拡散するイベントを実施し、多くのユーザーにマルチプレイを楽しんでいただけました。

今後もマルチプレイをお楽しみいただける施策を実施するとともに、「XFLAG PARK」や人気キャラクターの獣神化などで高まったMAUの水準を6周年および年末年始のキャンペーンまで維持していきたいと考えています。

2Q以降の取組:6周年カウントダウン

14ページをご覧ください。2019年10月に迎える『モンスト』の6周年イベントに向けて4月18日よりカウントダウンのキャンペーンがスタートしています。もともと『モンスト』は、型破りなキャラクター性で世の中の話題を作るというPR戦略でトレンドを席巻し独自のポジションを築いてきました。

昨今は事業が大きくなるにつれて、どこか優等生的なキャラクター性になってしまっていたとも思っています。このたびは原点に立ち返り、あえて『モンスト』に対する不満の声を投稿していただくキャンペーンを実施するなど、本来はあり得ない意外性とインパクトの高い取り組みを復活させています。

このブランドバリューに原点回帰することで、再度『モンスト』を顧客の話題の中心に戻すことに成功し、直近はMAUが2018年を上回って回復するなど、順調なスタートが切れたと考えています。引き続きユーザーにサプライズを届けることで話題を作り、6周年イベントを盛り上げ、業績のV字回復を目指したいと思います。

XFLAG SPORTS WEEK

2つ目の注力テーマであるスポーツ領域の事業成長については、各種取り組みを推し進めています。2019年2月に子会社化したチャリ・ロト社とは今期より連結しています。グループ統合も順調に進み、過去最高売上を記録するなど順調に伸びています。

また同様に、千葉ジェッツふなばしの株式取得につきましてはクロージングを進めており、アリーナ建設構想につきましても、チームとブースターにとってベストな在り方について関係者と議論・交渉を進めています。

ここからは第2四半期の取り組みとなりますが、現在「XFLAG SPORTS WEEK」と題し、当社が支援させていただいている千葉ジェッツ・FC東京・東京ヤクルトスワローズの3チーム合同のイベントを開催しています。

2019年8月7日のヤクルトスワローズの試合では、FC東京のキャプテン東選手とチームマスコットによる始球式を実施するなど、競技の垣根を越えたイベント等を通してスポーツ全体を盛り上げていきたいと思っています。

モンストIP新ゲームの配信決定

17ページをご覧ください。ここからはその他の事業進捗について説明させていただきます。まず1つ目として、すでに発表していますが、『モンスト』のIPを使った新作ゲーム『モンストドリームカンパニー』の近日配信を予定しています。本ゲームは『モンスト』のIPを利用した「ひっぱりすごろくゲーム」です。

『モンスト』と同様に最大4名まで同時に遊べる協力プレイで家族や友達とワイワイ盛り上がることのできるカジュアルゲームとなっており、『モンスト』をプレイしたことがある方はもちろん、プレイしたことがない方やアクションゲームが苦手な方でも気軽に遊んでいただけるゲームとなっています。引き続き『モンスト』のIPを使ったゲームを準備してまいります。

セガゲームス社よりゲーム譲受

18ページをご覧ください。本日発表させていただきましたとおり『共闘ことばRPG コトダマン』というゲームタイトルをセガゲームス社より譲り受けました。『コトダマン』は文字を組み合わせて言葉を作り、敵を攻撃しステージをクリアしていく、言葉で戦う新感覚RPGで、最大4名まで同時に遊べるゲームとなっています。

言葉遊びのゲームは昔から多くの方が親しんできたものであり、題材として大きなポテンシャルを感じています。このポテンシャルに『モンスト』を通して培った当社のノウハウを活かして機能追加を行い、マーケティングを掛け合わせてしっかりと投資を行っていくことでさらに『コトダマン』を成長させることができると考えていますので、どうぞご期待ください。

ゲーム事業の方向性

19ページをご覧ください。ゲーム事業の今後の展開の方向性につきましては、クオリティの高いゲームが提供できるように厳選してパイプラインを組んでいます。

新規ゲームにつきましては、これまで『モンスト』に関わったメンバーが『モンスト』の運営を通じて得たゲームの運営力・継続力・マーケティングのノウハウなどを転用していきます。他者のIPを活用したゲームタイトルの開発は進んでおり、外部のゲームクリエイターを起用したタイトルなども進めています。

アニメーション『プロメア』の興行

20ページをご覧ください。ゲーム以外の取り組みとしては、TRIGGER社と共同制作を行った長編アニメーション作品『プロメア』の全国ロードショーが2019年5月24日にスタートいたしました。多くのお客さまからご好評をいただき、観客動員数は50万人を超えました。また、『モンスト』とコラボを行ったほか、世界62の国と地域での配給も決定するなど、日本国内にとどまらず世界的なIPの構築を目指してまいります。

家族アルバム「みてね」1Qの取り組み

続きまして、ライフスタイル事業の状況についてご説明いたします。22ページをご覧ください。2019年6月に家族アルバム「みてね」の利用者数が500万人を突破いたしました。4月よりプレミアムプランを開始するなどしてマネタイズメニューを増やし、収益の拡大を進めています。

また、2019年6月末に株式会社スフィダンテを完全子会社化いたしました。スフィダンテ社はスマホフォトプリントを事業ドメインとして年賀状アプリサービスを複数展開し、トップクラスの注文枚数を獲得しています。「みてね」の事業アセットとスフィダンテ社の高品質なサービスを掛け合わせて共同でサービスを開発していきたいと考えています。

注力テーマの状況(FY2019本決算説明資料再掲)

最後に、今後の業績および方針について改めてご説明いたします。第1四半期の決算数値は前年同期と比較すると大きな減収減益となり、今後も楽観視はできませんが、一方で『モンスト』の直近のMAUが2018年の水準を上回るなど、かなりよい傾向も見えてきています。

今期の注力テーマである『モンスト』のリバイブとスポーツ領域の事業成長に対する取り組みは着実に進んでおり、これらの注力事業が今後の収益に貢献することを確信しています。さらに、今期中によいニュースをお届けできるように準備を進めていますので、引き続きご支援賜れればと思います。

以上でご説明を終わります。ご清聴ありがとうございました。

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