「結婚」、誰しも1度は考えたことがあるだろう。

「結婚は必ずしたい」「結婚なんてしたくない」「子どもは男女1人ずつ欲しい」「DINKsでいたい」…など、人それぞれ考え方があるが、共働き世帯や生涯未婚率が増加する現代では、「結婚も選択肢の一つ」と捉えている方が多いのではないだろうか。

それでも実際に妊娠・出産する女性にとっては、結婚・出産がライフプランに大きな影響を与えている。また結婚後の家事労働においても、女性が多くを担っている現実がある。若いころから結婚・出産について真剣に考えている女性は多いはず。

ここでは、女性が抱く「結婚へのイメージ」が実際に「結婚する/しない」を決める上で影響を与えているのかどうか、考えてみたい。

「結婚したい」9割は本当?

国立社会保障・人口問題研究所「第15回出生動向基本調査 結果の概要」によると、「いずれは結婚するつもり」の男性(18~49歳)は85.7%、女性(18~49歳)は89.3%といずれも9割近くの男女が結婚したいと思っているという。9割…?本当だろうか。

逆に「一生結婚するつもりはない」男性は12%、女性は8%のようだ。前回調査(2010年)では、男性9.4%、女性6.8%と増加傾向にあるようだ。

「いずれは結婚するつもり」の「いずれ」というのはいつのことか?

結婚する意志のある未婚者のうち、「ある程度の年齢までには結婚するつもり」と考える割合は、男性が55.2%、女性が59%。「理想的な相手が見つかるまでは結婚しなくてもかまわない」と答えた男性は42.9%、女性は39.2%となっている。

「理想的な相手が見つかるまでは結婚しなくてもかまわない」というのは、「何が何でも結婚したい!」というわけではないといえるだろう。そういう人は、結婚する意志のある9割のうち、男女とも4割のようだ。じゃっかんではあるが男性の方が多い。

また同調査では、「1年以内に結婚する意志があるか」も聞いている。

「いずれは結婚するつもり」と回答した未婚者のうち、1年以内に結婚する意志のある人は、男性が45.5%、女性が52.6%となっている。これは、「1年以内に結婚したい」と「理想的な相手が見つかれば(1年以内に)結婚してもよい」と回答した未婚者を合わせた割合である。

この「1年以内に結婚する意志のある未婚者」こそが、まあまあ本気で結婚したいと思っている人なのではないだろうか。(「調査・年齢別、1年以内に結婚する意志のある未婚者の割合(%)」の表を参照)ここではじゃっかん女性の方が多く、男女ともに約半数。

調査・年齢別、1年以内に結婚する意志のある未婚者の割合(%)(国立社会保障・人口問題研究所の資料を参考に筆者作成)

「9割の男女が結婚したがっている」というと、え、本当に?と思ってしまうが、その半数と聞くと、まあ納得…という人も多いのではないだろうか。

そしてこの「1年以内に結婚する意志のある未婚者」の割合は、1987年の調査と比べると増加傾向にある。

婚姻率の減少の理由