今や固定電話を使用しているのは高齢者だけではないかと思うくらい、最近では携帯電話が連絡手段の中心となっております。

しかし固定電話に加入していることで強引な勧誘の電話や振り込め詐欺に巻き込まれるケースが増えています。この固定電話を使ったオレオレ詐欺が社会問題となっている昨今では、老人が格好のターゲットとされているようです。

■ 日中にかかってくる電話は営業や勧誘ばかり

今年の2月に80歳の女性が殺害された事件がありました。東京都江東区でおきたこの事件は、資産状況などを尋ねる不審な電話が2週間前にかかってきていました。また別な事件では渋谷区でも電話による押し込み強盗がありました。このように営業や勧誘といった際には固定電話に集中する傾向があるようです。

最近では金融機関を利用した振り込み詐欺は水際作戦で、犯罪に巻き込まれないように対策されていることから、押し込み強盗で目的を達成しようというわけです。しかし一連の犯罪には固定電話の存在が共通してありますし、固定電話に対する詐欺利用者の意識が密接に関係しているのです。

携帯電話と固定電話を使い分けている人は犯罪に巻き込まれるケースは見ないですが、今や固定電話にかかってくるのは過剰なセールスや勧誘などが多く、携帯電話にかかってくることはめったにありません。なので固定電話の加入者にとっては不都合な連絡がくるケースが目立っているようです。

■ なぜ固定電話に「振り込め詐欺」や「オレオレ詐欺」から電話がくるのか

筆者も自宅の固定電話を日中に放置状態にしたたまま、留守番電話に切り替えて置くと意外なことが分かってきます。ネット回線の切り替え案内から金融商品の紹介や不動産関連の勧誘ではマンション経営をしませんかとかいうのまで様々かかってきます。携帯電話の場合は仕事関係の人や友人や知人に番号を教えていますので、セールスの電話などはかかって来ません。

このように昼の時間帯に知らない業者を名乗るものから電話がくるという現実を考えれば、固定電話を狙った高齢者目当ての電話が全国で頻繁にかかっていることが容易に想像されます。それから実際問題として老人世帯にセールス目的の電話が集中している理由の一つとして、ネットでは高齢者電話番号がリスト化され売買されているからのようです。


では固定電話の必要性を考えてみると固定電話があった方が良いのは、職場の電話番号を聞かれた場合に社会的な信用が低くならないように備えて置くことぐらいの理由でしかないように思えてきます。固定電話を設置していれば逃げることはできませんので確かに信用度合いは高くなります。

それと就職をする場合とか子供が学校へ行くようになった際に固定電話を設置していないと、固定電話も設置できない家庭なのかと不審がられるのを避ける意味で加入していた方がよいのではといった理由でしかないように思えてなりません。

実際問題としてどこでも電話が通じる便利さは固定電話の比ではない事は明らかで今では、病院も市役所も銀行も老人ホームも納税も車検も保険も…殆どすべて携帯電話で要を済ませています。

■ 今や移動通信の契約数は、固定通信の契約数の約8.1倍