LINEのパフォーマンス型広告、導入1年で急成長 主要4ヵ国MAUは初の減少

2017年7月26日に行われた、LINE株式会社2017年12月期第2四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。IR資料

スピーカー:LINE株式会社 代表取締役社長 出澤剛 氏
LINE株式会社 取締役 CFO 黄仁埈 氏

2017年12月期第2四半期ハイライト

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出澤剛氏:LINEの出澤です。本日は決算コールご参加いただきまして、誠にありがとうございます。さっそく、私から第2四半期の概況をご説明いたします。

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当第2四半期におけるハイライトは、引き続き広告の売上が連結売上収益の成長を牽引しました。

第2四半期は、広告にとって季節的に需要が弱い時期ではありますが、メッセンジャー型広告・パフォーマンス型広告ともに力強い成長を実現しました。

パフォーマンス型広告においては、ターゲティング精度の向上、高単価商品の提供開始などにより、広告単価が上昇し、さらにニュースタブの導入により、インプレッションも増加いたしました。

メッセンジャー型広告においては、オフィシャルアカウント、ビジネスコネクト、LINE@が順調にアカウント数を拡大しております。

コンテンツにおいては、新会社「LINE GAMES」の設立及びNextFloor社の株式の取得を発表いたしました。

これにより、今後ミッドコアゲームの開発体制及びグローバル展開を強化してまいります。

スマートポータルの進捗としては、LINE NEWS、LINEマンガ、LINE MUSICなどの各サービスが、ユーザー数・売上ともに拡大しており、それぞれがスマートフォンサービス分野において国内No.1水準に達しています。

また、O2Oの領域では、LINE Payの登録アカウント数が世界で3,800万アカウントを突破し、第2四半期の決済取引高の総額が1,000億円を超えるなど、着実に成長を遂げております。

またSNOWとB612(カメラ事業)の統合に際して、事業譲渡益104億円を計上いたしました。

月間アクティブユーザー数(MAU)|主要4ヵ国

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主要4ヵ国におけるMAUは、前四半期から200万人減少の1億6,900万人となりました。グローバルMAUは2億700万人となっております。

DAU/MAU比率は、前四半期から2ポイント増加の74パーセントとなり、引き続き高い水準を維持しています。

インドネシアにおいて、MAUが初めて減少した一方、当社におけるデイリーユーザーあたりの滞在時間やメッセージ送信数は伸びており、引き続きアクティブにご利用をいただいております。

日本では、MAU7,000万人の大台を突破いたしました。

売上収益

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次に、連結売上収益です。

当第2四半期における連結売上収益は398億円、前年同期比17.5パーセントの増加となりました。海外売上高比率は27パーセントとなっております。

広告

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続いて、サービスごとのご説明に移ります。

広告は、メッセンジャー型広告・パフォーマンス型広告ともに好調なペースで売上収益を拡大し、ポータル広告についても安定した推移を見せた結果、当第2四半期における広告サービスの売上高は175億円、前年同期比39パーセント増、前四半期比6パーセント上昇となりました。

とくにパフォーマンス型広告が著しい成長を見せており、前年同期比約200パーセント増、前四半期比13パーセント増と躍進いたしました。

広告|パフォーマンス型広告の進捗

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パフォーマンス型広告の進捗についてご説明いたします。

2016年6月に本格的にパフォーマンス型広告を導入してから、1年が経過しました。

ここまで着実に広告掲載面を拡大し、インプレッション数も当第2四半期において、150億インプレッションに迫る伸びを見せています。

単価についても、広告プラットフォームの改善が進み、着実に上昇をしております。とりわけ、今年6月からはCPMが500円を超える日も出始めるなど、着実に成長をしております。

第2四半期はNEWSタブの導入によるインプレッションの増加、及び新規にブランド広告向けにサービス提供を開始したリーチ&フリークエンシーやブランドリフトサーベイなどが広告単価を引き上げました。

ターゲティング精度も向上しており、広告主にとってのROI(投資利益率)も上昇傾向にあります。

下半期にかけては、LINEメッセンジャーアプリ上での広告掲載面の拡大に加え、LINE LIVE、LINE Manga等のLINEファミリーサービスでも広告の掲載を開始する予定です。

営業面においても、首都圏以外の地域、とりわけ西日本や海外の営業エリアを拡大し、ダイレクトレスポンス広告主の開拓などを進めてまいります。

最後に、アドプラットフォームにおいてはLINEにしか提供できない動画広告の開発や、さらなるターゲティング精度の向上及びメッセンジャー型広告との連動を進めてまいります。

広告|メッセンジャー型広告の進捗

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続いて、メッセンジャー型広告の進捗、とくにアカウントサービスについて説明をさせていただきます。

LINEがメッセンジャーであるからこそ提供できる公式アカウントは、とくに大手広告主のブランディングに適した商品として、すでにグローバルで605件が開設されております。

同様に、SME向けの商品であるLINE@も現在までに541万アカウントが開設され、前年比83パーセントの伸びを見せています。とくに最近では、海外アカウントの新規契約が売上にも貢献し始めております。

これらのアカウントはLINEユーザーと企業・店舗・行政との新しいコミュニケーションを生み出しています。

それらのアカウントをベースにした新しいサービスとして、双方向コミュニケーションを実現したBusiness Connect、企業のコールセンターサービスでご利用いただけるCustomer Connectの提供を開始しております。

Business Connectはすでに国内外で213社に導入され、ヤマト運輸の再配達手配やAirDoのシームレスなチケット確認と発券などに活用をいただいています。

それに加えて、先駆的取り組みとして、ビーコンやチャットボットなどの最新技術を活用したサービス手法やマネタイズの事例を作り上げております。

例えば、店舗に設置されたビーコンが来店者ユーザーに関するデータを蓄積し、ユーザーにはクーポンやポイントなどで商品購入やリピートを促すなど、新たな顧客管理、販促手法を実現しています。

LINEビーコンを搭載したキリンの自販機は、すでに日本で3,000台が設置され、来年には2万台の設置を目指しています。

ユーザーの利便性を高めると同時に、企業のビジネスニーズに対するソリューションとして、着実に成功例を積み上げております。

LINEはユーザーと企業とのコミュニケーションをつなぐ巨大なマーケティングプラットフォームに変貌しており、従来の企業のブランディング予算、広告予算に加え、販促費やCRMなどの予算を獲得し始めております。

さらに、今後はパフォーマンス型広告との連携を図ることも企画しており、アカウントサービスについてもさらなる成長を実現してまいります。

コミュニケーション

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コミュニケーションの売上は75億円となり、前年同期比2パーセントの増加となりました。

前四半期比では6パーセント減少となりましたが、これは第1四半期のお正月の季節要因であり、アクティブ度を示す1人あたりの(平均)スタンプ送信数は順調に増加しています。

最近では、写真からスタンプを作成できるLINE Creators Studioやデコ文字などの新機能を追加し、機能面でも進化を続けております。

コンテンツ

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コンテンツはLINE マンガ、LINE MUSIC、LINE 占いの売上が拡大しているものの、ゲーム事業の売上減少が続いている結果、売上収益は前四半期比3.5パーセント減の101億円となりました。

ゲームについて、主力のカジュアルタイトルは、ユーザーのみなさまには非常に長くご利用いただいており、売上が堅調に推移しているものの、新しいヒットゲームが創出できていない状況が続いています。

現状を根本的に解決するために、人気タイトルのリリースの絞り込み、戦略と体制の大胆な刷新を図っております。

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その一環として、新会社LINE GAMESを韓国に設立し、LINE GAMESを通じてゲーム開発会社のNextFloorさんの株式を取得いたしました。

NextFloor社は韓国に本社を置き、『Dragon Flight』や最近では『Destiny Child』といったミッドコアゲームを中心とした、多数のヒットタイトルの実績を有しております。

下半期の主なパイプラインとしては、国内著名アニメIPによるバトルアクションRPGや海外向けにカジュアルゲームなどのリリースを予定しております。

当社はこれまでカジュアルタイトルを強みとしてまいりましたが、それに加えて、今後はLINE GAMES社を通じてミッドコアゲームの開発・運営の体制を強化し、さらなるグローバルでの需要拡大を目指してまいります。

また、LINE マンガ・LINE MUSICはグラフのとおり、非常に順調に成長を続けており、各領域でNo.1のサービスとなっております。

その他

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その他サービスの売上収益は、前四半期比20.6パーセント増の46億円となりました。

LINE Payは日本国内における積極的なキャンペーン展開や、台湾での登録者数増加により、2017年5月時点の登録アカウント数はグローバルで3,800万人を突破いたしました。

第2四半期には、台湾において確定申告の支払いにLINE Payが使用されたことも要因となり、四半期におけるLINE Payの決済取引高の総額が1,000億円を超え、売上が急増しております。

LINEモバイルは、テレビコマーシャル放送による認知度の向上及び量販店での取り扱いを開始したことなどにより、契約者数が順調に増加し、売上収益も伸びております。また顧客満足度も高く、ユーザーのみなさまからご好評いただいております。

次の5年に向けた新たな3つのビジョン

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6月に実施した「LINE CONFERENCE 2017」において、LINEはコーポレートミッション「Closing the distance」の実現に向け、コミュニケーションファーストを軸とした新たなビジョン「Everything Connected」「Everything Videolized」「Everywhere AI」の3つを発表いたしました。

LINEではこの3つのビジョンに基づき、世の中のあらゆるものとLINEをつなぎ、コミュニケーションをより豊かにするためにあらゆるコンテンツが動画化され、あらゆる環境がAI化される世界の創出を目指してまいります。

Connected

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まずはConnectedについてご説明します。

今まで以上に人、モノ、サービス、企業や社会とLINEのつながりを強化いたします。

その1つひとつのつながりがより強固な利用者とのエンゲージメントを作り、そのエンゲージメントを通じて得られる膨大なデータをサービスに活用することにより、コンテンツやサービスのパーソナライズの強化など、よりよいサービスへの改善へとつながり、エンゲージメントがさらに高まるという好循環を生み出し、既存の広告プラットフォーム事業の拡大や、後述のAIプラットフォームの展開につなげてまいります。

具体的には、LINE上のタブをコンテンツポータルタブとウォレットタブへ一新します。

これらの施策はLINE マンガやLINE MUSIC、LINE Payといったファミリーサービスにユーザーがアクセスしやすくするだけではなく、ユーザーにはよりパーソナルな情報をご提供し、企業やブランドにはオンライン・オフラインを問わず、ユーザーとのより強固なエンゲージメント形成にご活用いただけるようになります。

また、LINEショッピングや、本日リリースしたLINEデリマを通じてeコマースにおいてもユーザーとの新しいつながりを作ってまいります。

さらに、「LINE CONFERENCE 2017」では政府が推進するマイナポータルとの連携を発表させていただきました。

Videolized

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LINEはメッセンジャーアプリから、日本にとって必要不可欠なインフラへと進化しており、今まで以上にすべてがLINEでつながる世界を作ってまいります。

LINEは国内外のさまざまなサービスがテキストや画像を中心としたものから動画化していくトレンドの中で、LINEも動画コンテンツ・サービスへの取り組みや、LINE上での動画コミュニケーションをさらに強化してまいります。

LINE LIVEはすでにMAU2,400万人を超える、日本国内最大級のLIVE動画配信プラットフォームへと成長しました。

さらに、より手軽により多くのユーザーにLIVE動画サービスをご利用いただけるように、LINEアプリ内で動画の視聴やコメント投稿が可能なLINE LIVE Playerをリリースいたします。

また、LIVE動画をトーク上に配信することができるChat Liveや、タイムラインにもStoriesの機能を追加し、動画を簡単に投稿したり、タイムライン上でLIVE配信ができたりという、コミュニケーションやコンテンツの動画化を強力に推進してまいります。

ユーザーの滞在時間や広告費はスマートフォンの動画領域にこれから大きくシフトしていきます。LINEはすべてが動画化する世界を自ら切り拓いてまいります。

AI

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最後に、LINEのAI戦略です。ポストスマートフォン市場は音声インターフェースを使ったAIデバイスやAIプラットフォームが大きな波になると確信しており、LINEではすでに重点プロジェクトとしてチャレンジを始めております。

まずは、日本で初のAIスピーカー「WAVE」の先行予約を7月14日に開始し、5日で定数に達し受付を終了いたしました。8月から順次出荷する予定です。

先行体験版の機能はまだ限定的であるものの、競合より先に市場に出すことで、他社に先んじてAIが学習していくためのデータの蓄積をし、サービス向上を図っていけるものと考えております。

また、先行体験版の機能をアップデートした正式版についても、今年の秋を目途に販売を開始する予定です。

また、「LINE CONFERENCE 2017」では、今まで発表したソニーモバイルコミュニケーションズやタカラトミーなどとの提携企業に加え、トヨタ自動車、ファミリーマート、ヤマハといった、日本を代表する企業とClovaを通じたパートナーシップを発表いたしました。

今後はClovaをサードパーティーへと解放し、多くのコンテンツサービスパートナーやデバイスパートナーとのエコシステムの構築と、AIプラットフォームの拡張を進めてまいります。LINEはすべての環境がClovaとつながっていく世界を目指してまいります。

以上をもちまして、当第2四半期の概況を終わります。

続きまして、CFOの黄(ファン)より第2四半期の業績についてご説明を差し上げます。

2017年12月期第2四半期連結業績

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黄仁埈氏:CFOの黄(ファン)です。それでは私から、当第2四半期の業績についてご説明いたします。

2017年12月期第2四半期の連結営業収益は505億円となりました。

営業外収益をのぞく売上収益は398億円。前年同期比17.5パーセント増、前四半期比2.2パーセント増となりました。

営業外収益につきましては、後ほどご説明いたします。

各サービスの当第2四半期収益の内訳ですが、広告の売上収益は175億円。前年同期比38.7パーセント増、前四半期比5.7パーセント増となりました。

コミュニケーションの売上収益は75億円。前年同期比2.3パーセント増、前四半期比6.4パーセント減となりました。

コンテンツの売上収益は101億円。前年同期比11.5パーセント増、前四半期比3.5パーセント減となりました。

その他の売上収益は46億円。前年同期比88パーセント増、前四半期比20.6パーセント増となりました。

2017年12月期第2四半期の業績補足説明

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当第2四半期に計上した営業外収益、そして新規に発行したストックオプション及びESOPの影響についてご説明いたします。

2017年5月1日に、LINEのカメラアプリケーション事業をSNOW社へ承継させたことにより、当社のSnow社の議決権割合は25パーセントから49パーセントへ増加いたしました。

当第2四半期において、本取引に伴う事業譲渡益104億円を営業外収益として計上しております。

また、当第2四半期において、企業成長を加速させるため、優秀な人材の採用及び保持を目的とする新たなストックオプション及びESOPを発行いたしました。

これにより2017年度第3四半期から2021年度第2四半期まで株式報酬費用を計上する見込みでおります。各事業年度の株式報酬費用の見込み額につきましては、資料18ページをご参照ください。

営業費用

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当第2四半期の営業費用は、359億円。前年同期比18.8パーセント増、前四半期比1.8パーセント増となりました。

次に、従業員報酬費用及びマーケティング費用をのぞく営業費用の変動についてご説明いたします。

認証及びその他のサービス費用は、前年同期比77.7パーセント増、前四半期比16.2パーセント増となりました。

この増加はLINE LIVEやLINE GAMEなどのコンテンツサービスに関する外注費の増加、そしてLINE モバイルやClovaなどの新たな取り組みのさらなる加速に伴うものです。

その他の営業費用は、主にLINE FRIENDSやLINE モバイル関連費用の増加に伴い、前四半期比で7.4パーセント増となりました。

従業員報酬及びマーケティング費用

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従業員報酬費用は、従業員数の増加に伴い、「給与、その他」の費用が引き続き増加しておりますが、前回の株式報酬計画に関連する株式報酬費用が前四半期に終了したことにより、当第2四半期において、合計額が若干減少いたしました。

マーケティング費用は、主に一部ゲームのTVCMやLINE LIVE、LINE モバイルや「LINE CONFERENCE 2017」開催などの新たな取り組みのマーケティングを実施いたしました。

営業利益及び四半期純利益

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これにより、当第2四半期の営業利益は146億円となりました。LINEカメラ事業の承継に伴う一時的な収益をのぞいた営業利益は42億円となり、営業利益率は第1四半期と同水準の10.4パーセントとなりました。

当第2四半期の純利益は89億円となりました。先に述べました、一時的な項目をのぞく純利益は10億円、営業利益率は2.5パーセントとなっており、ともに前四半期の水準を下回りました。

この理由は主に、子会社及び関連会社が当第2四半期において、税引前損失の増加を計上したことによるものです。これに関して、関連する税金利益を認識できなかったことにより、繰延税金資産は認識されませんでした。

私からの説明は以上です。

記事提供:ログミーファイナンス

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